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朝日新聞の記事(子どものアトピー篇)の感想・その1 [アトピー余談]

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朝日新聞の「患者を生きる・大人のアトピー篇」に対する記事を書く前に、
小児アトピー篇が始まってしまい、どっちを先に書こうかな、と思いましたが
Luxelは当事者の親ですので、まず「小児篇」から。

(こどものアトピー1)http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201011230270.html
(こどものアトピー2)http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201011240164.html
(こどものアトピー3)http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201011250167.html
(こどものアトピー4)http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201011260215.html
(こどものアトピー5)http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201011270164.html
(こどものアトピー6)http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201011280068.html

 前回の連載「大人のアトピー」は、記事と患者さんがあからさまに記事中の医師の意図どおりに利用されてしまっていて、医師が新聞という媒体を自身の主張を広める手段として利用している意図が透けて見えるような記事でしたので、私としては「新聞として、医師の立場や主張を検証せずに記事に載せるのはいかがなものか。新聞がそれ自体の独立性を失って、この医師の広報紙に成り下がっているではないか。」と思ったわけです。(と、バッサリ。言い切ってしまった。。。まぁ、いいか。)

今回の小児篇はさすがに医師の作為性は出ていないと思いますので、その点は評価できます。(大人のアトピー篇では患者さんからの苦情が多かったのではないか、と推測します。)
患者さん(の親)の苦悩や遍歴に焦点をあてていて、これこそこの連載「患者を生きる」の主眼でもあります。(前回の「大人のアトピー」がひどすぎただけ???)
この連載で着眼すべきなのはステロイドの使い方うんぬん、というよりは
子どもには非常に多い食物アレルギー背景のアトピー性皮膚炎について、
医療現場がいかに混乱しているか、
ということにつきます。

この記事のお子さんのケース自体についてのLuxelの見方は
「ステロイドのメリットを、今のところなんとかうまく使えているお子さんのケースだな。」ということです。(=今のところ、目を引くステロイドの害は出ていない。)

これは当然です。
この記事のお母さんはステロイドに警戒心を持って、大矢先生に会うまではステロイドをほとんど使わない方針をとってきたので、ステロイドの総使用量や使用頻度はとても少ない方に分類されるでしょう。そんな子はステロイドに対する抵抗性は誘導されていないので、ステロイドを使えば良く効くに決まっています。魔法でもなんでもない、効いて当たり前です。(これは「大人のアトピー」記事の患者さんの場合も一緒。)

私が問題にしているのは、医師も親も警戒心なく、漫然とステロイド外用剤を使い続け、はっと気がついたら、ステロイドの使用量は相当な量にのぼる割に、アトピー性皮膚炎は良くなっていないか、むしろ悪くなっている。そんなケースがけして例外というほどに少数ではない、という点です。

そもそも「大人のアトピー篇」に出てくる医師も、「子どものアトピー」篇に出てくる医師も、さも自分の使い方が正当であるかのような書かれ方をされていますが、これはちょっと「ずるい」と思います。なぜなら、皮膚科学会の「標準治療」、すなわち「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」に記してあるのは、彼らが診たような、他の医療機関を点々としたあげくに酷くなり、しかも、運良く彼ら(各記事の主役の医師たち)を受診した時点でステロイド依存症を発症していない患者に限ってのみ有効な方法だからからです。このガイドライン一つで良好な治療効果を得られるのは、まだステロイドへの依存が始まっていない人に限られるのです。つまり、ガイドライン、というにはひどく不十分なものなのです。

驚かれますか?

現実の患者さんが全員、皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」どおりの治療を受けたとして、うちかなりの割合の人が記事中の患者さんのようには良くならないのです。
このことは、皮肉にもガイドラインの策定者である古江教授ら(九州大学)のデータから見てとることができます。
このことの詳細は、記事の内容を検討した後に述べます。
この朝日新聞の連載に関するLuxelの記事(アトピー小児篇)は連続3回を予定しています。

なにはともあれ、記事の全文から。

下線部についてのLuxelのコメントは赤字で示してあります。
あえて記事を中断するのは、読んだ方が記事をそのまま「そうなのか〜」と納得してしまわないように、注意を促すためです。読みづらくなりますが、どうぞご容赦ください。

(注意)
朝日新聞の「患者を生きる」シリーズは、一人の患者さんに着目して、その体験談から現代の医療を見渡す、という企画なので、記事の患者さんのパターンは全てのお子さんには当てはまりません。それは読者の方としても注意する必要があります。

皮膚 子どものアトピー:1 生後3カ月、「もしかして」

2010年11月23日
 2007年の秋。札幌市の女性(42)は、疲れ果てていた。  次男(5)がアトピー性皮膚炎を発症して2年。「医師の指示を守り、症状改善にいいと思ったことはすべてやった」。でも、皮膚の赤みはひかず、次男はひどくかゆがった。
 女性は毎朝5時半に起床して、家中の床にモップをかけた。アレルギーの原因になるホコリが舞い上がらないようにするためだ。アトピーや食物アレルギーがよくなることを信じ、卵や乳製品、カニ、エビや貝類は、料理に使わなかった。無農薬の食材を通信販売で取り寄せて調理した。朝食のあとは掃除機かけ。次男が昼寝するわずかな時間に食事日誌を開き、アトピーに関係していそうな食材を探りながら、次の献立を考えた。夕食後には再びモップがけ。翌日の食事の下ごしらえも待っていた。
 それでも、次男の症状がよくなる兆しはない。夜も1、2時間おきに目を覚まし、ほおとひざをかきむしりながら「かゆいよ」と泣いた。「かかずに、トントンしようね」。そう言ってなだめるしかなかった。夫(45)も、寝付けぬ次男を背負ってあやしつつ、うとうとすることがよくあった。
 「できることはすべて、しなければいけない」。自分たちを追いつめるそんな考えが、睡眠不足の日々を支えていた。
 異変に気づいたのは、生後3カ月のころ。  おなかのあたりの皮膚に赤みが出ていた。それが、2週間ほどで全身に広がった。ひじやひざの裏などの関節はかさかさになり、粉がふいたようだった。「もしかして、アトピー?」。すぐに近くの皮膚科を受診した。診断結果は「今はまだ、アトピーかどうか診断がつかない」。処方されたステロイドの塗り薬や保湿剤を塗ると、2、3日で赤みやカサカサはうそのようにひいた。
 ところが、薬をやめるとまたもとにもどった。塗ってはやめ、また塗ってはやめるの繰り返しだった。そのうち全身の赤みが増し、耳のまわりがただれてきた。ママ友達に相談すると、「ステロイドって、使い始めたらやめられなくなるんじゃない?」と言われた。不安が増した。塗れば効果はある。「それだけ、強い薬なんだろう」。インターネットや口コミでアトピーの情報を集めた。10カ所近い病院を転々とする、2年間の始まりだった。

皮膚 子どものアトピー:2 ステロイド・食事 不安絶えず

2010年11月24日 
 札幌市の女性(42)は2005年10月、全身の皮膚に赤みが広がった次男(5)を連れて近くの皮膚科を受診した。医師は「アトピー性皮膚炎かどうか判断できない」としつつ、ステロイドの塗り薬などを処方した。なぜ判断できないのか。なのになぜ、ステロイドを出すのか。説明はなかった。でも、こちらから根掘り葉掘り聞ける雰囲気ではなかった。不信感が募り、ステロイドを使わない治療法を探し始めた。
 11月、漢方と食事療法を中心にした治療に取り組む市内のクリニックに行った。ここで初めて、アトピーと診断された。「お母さんは無農薬、無添加の食材で、野菜中心の食事をとってください」。医師はそう指示した。母乳を通した影響を避けるためらしかった。クリニックの方針で、ステロイド剤の使用は中止になった。
 変化はすぐに現れた。ステロイドで抑えこんでいた炎症が再発し、肌が真っ赤に。かゆみで夜、寝付けなくなった。(当然の現象です。。スキンケアで皮膚バリアの穴を塞ぐことなく、ステロイドで免疫系炎症細胞を退散させるだけでしたから、ステロイドを抜けば炎症細胞がまた集まってきます。今までステロイドを使ってきた子の使用を中止させるなら、医師は上記のことを予想し、スキンケアをがっつりやって皮膚バリアを破綻させないよう指示すべきだったのです。)女性と夫が交代であやす日々が始まった。これはステロイドをやめた反動、と思っていた。「いずれ治まる。いまは耐えるしかない」(←0才のアレルギー体質性のアトピーは、反動=リバウンドでなくても、結構ひどいものです。この時点での湿疹がリバウンドなのか、本来のアトピーなのか、知る術はありません。そもそも皮膚リバウンドは定義どころか研究さえロクになされていないので、医師にもその湿疹がリバウンドなのか、本来のアトピーなのか明確に区別することはできません。ステロイドを使っていると、「本来のアトピー」がどのレベルなのか、知る事は非常に難しくなります。ステロイドが「本来のアトピー」をマスクしてしまうからです。「ステロイドを使わない場合の自然経過」をほとんどの医師が知らない、というのが現状です。この医師もそうだったのでしょう。知っていれば、当然、ステロイド中止の際に、母親を驚かせないために、十分説明をしたでしょうから。ステロイド慎重派の医師でも、ステロイドなしでのアトピーの自然経過についてよく知らないことがある、という実例です。)次男は耳の周りの皮膚がただれてじゅくじゅくし、人なつっこい笑顔が消えた。ほっぺや耳の前あたりをかきむしった。赤くはらした腕の肌をかき崩さないよう、丸く巻いた紙をギプスのように腕にかぶせてしのいだ。「このままだと、きっと命にかかわる」。たまらず、別の小児科に駆け込んだ。06年の春になっていた。
 「まずは炎症を抑えましょう」。再び処方されたステロイド剤を使うと、症状は改善した。でも、気持ちは「治療の振り出しに戻っただけ。いつまでこれが続くの」。2カ月ほど続けるうち、あせりといらだちが募った。そんなころ、アトピーが食事療法でよくなったという体験談が、本やインターネットに出ているのが目にとまった。授乳をやめて離乳食をあげていたころだった。母乳を飲ませた後、次男の皮膚が真っ赤になったことがある。女性は直前にカニやエビを食べた。食べ物の成分が母乳を通じて伝わり、症状を起こしたのかと不安になった。だったら、いまの食事からアトピーに関係しているものを除けば、ステロイドなしで治るかもしれない。そのときは希望の光が見えたように感じた。

皮膚 子どものアトピー:3 増える除去食、絞れない原因

2010年11月25日
 札幌市の女性(42)は06年7月、「食物アレルギーの名医」と口コミで評判だった市内の小児科を受診した。食事療法で次男(5)のアトピー性皮膚炎を治すつもりだった。実際、食べ物がアトピーを悪化させることはある。ただ、まず皮膚の炎症を抑えてからでないと、食べ物が関係しているのかどうか、判断できない。でも女性は「食事をがんばれば、きっと治る」と信じていた。米と小麦の除去から始まった。オートミールやアワに加え、制限のない魚や果物を中心に次男用の食事作りに工夫を重ねた。ステロイド剤はまもなく処方されなくなった。症状は改善せず、全身の赤みが再発した。
 07年3月、制限のないキウイを食べた次男の口が腫れ呼吸困難に陥った。食物アレルギーによるアナフィラキシーショックだった。「米と小麦以外にも原因の食事があるかもしれない。もっと徹底して制限しないと」。そんな思いが強まった。自宅を念入りに掃除し始めたのもこのころだ。
 5月には、別の小児科クリニックを知人に紹介された。受診すると、医師から一枚の紙を渡された。アレルギーの原因と疑った卵、乳製品、エビ、タコ、貝類を食べないとの指導に加え、腸内環境を乱す砂糖や酸化した油、スナック菓子、果物も避けるように、とあった。「こんなにたくさん?」。最初は驚いたが、「がまんしていればよくなる」と言い聞かせた。しかし、血液検査で反応が出た食材が次々と追加され、除去食は増え続けた。指示を受けて毎食の献立に使った食材を食事日誌に記録した。アトピーの症状と関係ありそうな食べ物があればしばらく食べるのをやめ、影響がないか確認しながら、再び食べ始めるというやり方だった。皮膚をどうケアすべきかについて医師の指導はなく、自由診療の別の病院から郵送される、「成分不明」の塗り薬を使った。
 食事日誌とのにらみあいが続いた。しかし、症状は一進一退で、原因となる食材が絞り切れない。首筋や口の周りの赤み、ひじやひざのかき崩しはたびたび再発した。コンニャク、マグロ、牛肉や鶏肉……。制限する食材は増える一方だった。買い物先のスーパーで突然顔がはれてから、原因物質を吸い込んだのかと思い、外出も控えた。何が原因なのか。考える気力もうせていた。

入院、薬漬けの不安再び

2010年11月26日
 次男(5)のアトピー性皮膚炎の治療に疲れ果てていた札幌市の女性(42)は2007年11月、すがる思いで、厚生労働省が市内で開いたシンポジウムを聴きに行った。壇上では、国立成育医療センター(現国立成育医療研究センター)の専門医らが、アトピーや食物アレルギーの症状をコントロールするこつを話していた。ステロイド剤や保湿剤による計画的な薬物治療、徹底的なスキンケア、ダニやホコリなど悪化要因への対策が、治療の柱になること。食事療法で食べ物を過剰に除去すると、成長の障害につながりかねないこと。治療の羅針盤とするため学会が作った診療ガイドラインの存在を、初めて知った。でも、薬物療法もダニ対策ももうやっている。「どう薬を使い、スキンケアをどうすればいいのか」。それが分からず、少し不満だった。
 「医療や薬への不信を募らせず、ガイドラインを知って治療を選べば、子どもの症状も変わります」。シンポの最後に講演した患者団体「アレルギーを考える母の会」の園部(そのべ)まり子代表(56)が会場に呼びかけた。その声は力強く、表情は明るかった。講演を終えた園部代表に、夫と駆け寄った。「とにかく話を聞いて欲しい。食事療法で、食べられるものがほとんどないんです」行き過ぎた除去食療法で栄養が不足し、皮膚炎を悪化させたり、成長障害を起こしたり——。園部さんは、そんな子どもの相談例をたくさん耳にしていた。(←今は厳格な除去食療法を指示する医師は少ないです。厳格な除去食療法が流行したのは昔、15年ほど前まで。患者の親の勝手な除去により栄養不良に陥る、というケースの方が多い、とされる。なぜここで除去食の弊害についての患者団体代表の話が出てくるのか、文脈的に謎。この代表の方は「この子の除去食糧法が”行き過ぎ”なのか”適切”なのか判断がつかなかった」ので「大矢医師に判断をあおぐよう勧めた」ということでしょうか。おそらく子どもに明らかな栄養不良症状はみられなかったが、親が除去食を作るのに肉体的・精神的に疲労困憊し、何を信じれば良いか分からない、という混乱の極にあったので、思い切って東京という遠隔地への受診を敢えて勧めたのではないでしょうか。)  講演していた同センターの大矢幸弘(おおやゆきひろ)アレルギー科医長への相談を勧められた。札幌から800キロ以上離れた東京での治療になるが、迷いはなかった。「すぐ行こう」。夫も賛成してくれた。食事療法の効果に、夫も疑問を感じていた。  2カ月後の08年1月、センターに入院。治療内容はこれまでと全然違っていた。清潔な肌を保つため、1日に3回入浴し、ステロイドの塗り薬を皮膚が隠れるほど厚く塗り広げる。効果はすぐに表れ、皮膚は2、3日でつるつるになった。ところが、かつて抱いていた罪悪感が女性の中でまたふくらみ、不安になった。「このままステロイド漬けになるのでは」。夜の病室でぐっすり眠る次男の顔を見ながら、ひとり、涙を流した。 皮膚 子どものアトピー:5 丁寧なケアで肌なめらかに 2010年11月27日  札幌市の女性(42)は08年1月、東京の国立成育医療センターに入院した次男(5)のアトピー性皮膚炎が落ち着いたことにほっとした。同時に、たっぷり塗るステロイド剤への不安が募った。やめられなくならないか。  「心配なことはありますか」。そんなとき、大矢幸弘医師から声をかけられた。うまくいかなかった食事療法、ステロイド剤への恐怖。たまっていた思いをぶつけた。大矢医師はしかったり、笑ったりすることなく、耳を傾けてくれた。「アトピーは、努力が報われる病気です。症状に応じて段階的にステロイドを減らせば、再び量が増えるようなことは、まずありません」。(←「症状に応じて段階的にステロイドを減らす」というのは、いったん依存がおきてしまった患者さんには非常に難しいのは、以前の記事で述べたとおりです。この患児は、連載「大人のアトピー」篇に出てくる患者さんと同様、相当の期間、ステロイドを使用していませんでした。大矢医師のステロイドを使った治療が劇的に効いたのはそのためです。こういう患者ばかり立て続けに選んで記事にしている、というか、記事になるほど理想的にステロイドがスパッと効くケースというのは、長い休薬期間のうちにステロイドへの感受性が回復していた患者さんに限られるからです。長い休薬期間をはさめば、ステロイドはまた効くようになるのです。ただし、初回時よりも耐性や依存は起きやすくなっている可能性が高いのですが・・・・。)大矢医師の言葉が心にしみた。話し始めて、2時間近くたっていた。  アトピーの治療では、強い炎症がいったん治まっても丁寧なスキンケアを続けて肌のバリアを保ち、ダニなどの悪化要因を減らす必要がある。(←これは正しいです。皮膚バリアが穴だらけのままだと、アレルゲンや刺激物質が侵入してまた湿疹が再発してしまうので、ステロイドを使った後に保湿などのスキンケアによって皮膚のバリアの穴を塞ぐのはたいへん大事。皮膚を良好な状態に保ち、ステロイドの使用量をなるべく少なく抑えましょう。いったん「ステロイドを使う」決心をしたなら怖々ちょびっと塗るよりも、湿疹が完全に消える量を一気に塗った方が良いでしょう。もちろん一番良いのはステロイドを使わずにコントロールしていくことですが、どうしても使わざるを得ない状況に追い込まれたなら、ネクスト・ベター=「最小の量で最大の効果を」を心がけるべきです。)大矢医師は、家族と納得いくまで話し、治療への理解を深めてもらうことを入院の大きな目的に位置づけていた。言葉通り、必要とするステロイド剤は順調に減り、最初は毎日だったのが2日おきに。皮膚がきれいになり、食物アレルギーの影響も見極めやすくなった。血液検査や皮膚テストの結果を目安に、避けた食べ物を段階的に再開し、症状が出ないかを確かめた。(←皮膚がきれいになるのであれば、別にステロイドでなくても良い。しかし、2才以前ではステロイド無しで肌をきれいな状態で維持するのは困難であろう。しかし、小さい子に強烈なホルモンであるステロイドを使用してまできれいな皮膚を維持する必要があるのか、疑問。皮膚バリアの穴が閉じきれいな皮膚になる2才頃までは、アレルゲン検査&除去で対応すれば良いと考えている。詳細は別の記事に詳述します。)
 1カ月の入院を終え、もうすぐ3年たつ。「はい、次は顔」。女性の声に、浴室の次男がぎゅっと目を閉じた。ふわふわに泡立てたせっけんで、目の周りを回すように洗う。ひざやひじにも丁寧にせっけんを伸ばし、指の腹でもむようにしっかり洗った。入院中に指導を受けたスキンケア法での入浴は、今も欠かさない。体液がにじみ、寝付けぬ夜を夫婦であやした日々がうそのように、肌はなめらかだ。(←いかにも大矢医師による入院治療が功を奏した印象だが、そうではない可能性も高い。この時点で患児は既に5才。たいていのアレルギー体質性アトピーは治まる時期です。食物アレルギーもこの年齢くらいになるとかなりの割合の子が自然に耐性を獲得して卒業していきます。もちろん、大矢医師に出会わなければ、保湿などのスキンケアが不十分なままアトピーを悪化させていった可能性もあります。)ステロイド剤は、皮膚がかさついたときに使うことが月に1度あるかないか。食物アレルギーの除去食も、いまは乳製品や甲殻類、貝類くらいだけだ。アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の病気は、症状をコントロールしながらうまくつきあう病気だ。不安を受け止めてくれて、納得いくまで治療法を助言してくれる医師との出会いがよかったのだと感じる。次男はあと1年あまりで小学生。学校給食に備えて、じっくり除去食を減らしていこう。女性はそう思っている。

皮膚 子どものアトピー:6 食べ物の影響、まず皮膚症状抑えて

2010年11月28
 アトピー性皮膚炎を患う小さな子どもは、じんましんや呼吸困難などのショック症状を起こす食物アレルギーにも、苦しむことが多い。これは、特定の食べ物を体が異物とみなして免疫が過剰に働いて起こる。国立病院機構相模原病院の海老沢元宏(えびさわ・もとひろ)アレルギー性疾患研究部長らの研究では、同病院でアトピーと診断された乳児の70%以上が食物アレルギーも起こしていた。
 「患者を生きる 子どものアトピー」<1>〜<5>で紹介した母親のように、アトピーによる湿疹などの症状も徹底した食事制限で治る、と考える人は多い。食物アレルギーが関係しないアトピー性皮膚炎も少なくなく、「区別して考えることが大切」(←この点、皮膚科医よりアレルギー医の認識の方が正しい、と思います。皮膚科で区別して考えている医師は稀。)と海老沢部長。両者の関係については、まだよくわかっていない。国立成育医療研究センターの大矢幸弘アレルギー科医長によると、乳児期にアトピーなどで湿疹ができ、皮膚のバリアが弱まると、皮膚を通して体内に入った食物の成分やホコリが異物と認識され、アレルギー反応を引き起こすことがあるという説が、最近では有力になっているという。
 食物アレルギーが疑われる場合でも、まずは皮膚の症状を抑え、バリア機能を回復させる必要がある。厚生労働省研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2008」では、ステロイドの塗り薬やスキンケアといったアトピーの治療をしても症状が改善しない場合、食物アレルギーの影響を疑い、原因の食物を絞り込む(←ステロイドの塗り薬を使用する前に血液検査をすればいいのでは?とLuxelは思いますが。。。。なんか、最近、アレルギー学会が皮膚科学会に丸め込まれようとしているように感じのは気のせいでしょうか?アレルギー医であれば、ステロイドがTh2を誘導する性質を知らないはずがない、というのは私の買いかぶり?)としている。血液を採って、食物の成分と反応をしないか調べたり、専門医の監視のもとでその食べ物をとって症状を調べる「食物負荷試験」をしたりして、取りのぞく食物を判断する。
 ただ、アレルギーの症状を起こさなくても血液検査に反応することがあるので、注意が必要だ。血液検査だけでなく食物負荷試験などの結果をもとに、最小限の食事制限にとどめるのが原則だ。
 食物アレルギーが関係しないアトピー(←「アレルギー体質性アトピー」と「アレルギー体質が関係しないアトピー」とを区別して考えている点は評価できる。)も、ダニ、ホコリ対策など家庭での取り組みを続けることが大切だ。小さな子どもは、自分ではうまくスキンケアができない。「1日2、3回、よく泡立てたせっけんでもみ洗いしてあげて欲しい。継続したスキンケアや掃除などの環境整備は、お子さんの肌をつるつるに保つための出発点です」と大矢医師はいう。(林義則)


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えみんこ

はじめまして。アトピー&アレルギーの二歳の子供の母親です。Luxelさんは深谷元皮膚科医のサイトもご存知で、同じ記事を読んでいらっしゃるのは嬉しく思います。うちは一時期IgEが35000(本当)で、多分ステ依存でした。食事制限しても効果が無いです。最近又、読売新聞でも標準アトピー治療の連載が始まりました。不愉快です。キャンペーン中?と疑います。

日本のアレルギー&アトピー治療は誤った方針に進んでいます。アメリカなら、減感作(アレルギー免疫療法)で、喘息、花粉症、アトピーも発症を根本的に抑えます。日本では効果が無いと、研究すら行われていないのが現実です。。
アトピーにステは使いますが、改良でリバウンドが起こりにくく、その炎症が収まっている内に、アレルギー免疫療法をして、ダニや、花粉、埃アレルギーの発症を抑えます。日本のステは30年前の粗悪品とドクターに言われ、ショックでした。アトピーのバリア機能の弱さは完全に治りませが、発症を抑えると肌が以前より強くなります。詳しくは長い話になるので、割愛しますが、以上の点から私は信頼あるアメリカのドクターに息子を診察して頂く予定です。

残念ながら、日本は医療鎖国状態です。ポリオの生ワクチンの件にしろ、世界から取り残されています。大学の医局と、学会と、厚労省が情報を入れないですしね。国民が苦しんでても、平気な国は先行きが不安…。長文&まとまりの無い文章すみません。なんか、言わずにいられませんでした。






by えみんこ (2010-12-21 17:01) 

えみんこ

すみません。誤解の無いように再度カキコミします。アレルギー免疫療法はアトピービジネスてはなく、米では医師の元で行う医療行為です。現地の子供さんも受けられています。あまりにも日本の治療と掛け離れているので、よく誤解されるので。そのドクターも他の日本人患者さんを診察されています。
by えみんこ (2010-12-21 17:26) 

むきむき

Luxelさんお久しぶりです。むきむきです。
だいぶ前に長男のアトピーの相談をさせてもらいました。
そんな長男も2歳。ステロイドを使わず根気よく治療を続けほぼ完治といえるレベルになりました。

ことし9月に次男が生まれ、3ヶ月頃からアトピーっぽいジュクジュクした症状が出始めました。しかし、今度は長男を見てるので、どんなに肌がずるむけても2歳まで、と余裕を持ってみることが出来ます。

Luxelさんのブログはことあるごとに拝見し、いろんなお母さんたちの質問から、またLuxelさんの返答から勉強させてもらっている日々です。

さて、今回は私もえみんこさんと同じく読売のアトピー記事を読んであまりにも偏った記事なのでステロイドが無くても治療できる、またその治療に励んでるドクターがいることを新聞社に投稿しようかと思いまして・・。そこにLuxelのブログも紹介していいでしょうか?
こんなに分かりやすくステロイド批判をしているサイトを私は知らないもので・・。

私の子供が受診している脱ステの病院にも全国から患者が来ています。アトピーについては治療法が確立されていないのだから、ステも脱ステも両方治療法として紹介すべきだと思うのです。
0歳からステロイドを使わずに治療した長男を見ていると、ずるずるの皮膚を見ているんのは親としてつらいので、ステロイドを使いたくなる気持ちはほんとによく分かるのですが、使わないのが結局一番の近道だと思っています。
でも、ステを使うのも親御さんが納得するならそれもいいと思うのです。ずるむけの肌を1年も見てられない、精神的に耐えられないというのも分かるし、いろんな感染症にかかるリスクも無くはないのですから・・。
ただステロイドの医師は、アトピーを治すという発想はないのだと思います。上手にステロイドを使えば日常生活を問題なく暮らせるという立場です。それがステロイド治療の限界であり、現実的な治療目標なのです。
アトピービジネスは悪であることは間違いありません。
ただ保険診療で診療する脱ステのドクターくらいは記事にしてもいいと思うのです。

何だか長文&まとまりの無いコメントですみません。
また返事おまちしてます(^^;)
by むきむき (2010-12-22 10:37) 

Luxel

>えみんこ様

書き込みありがとうございます!

>最近又、読売新聞でも標準アトピー治療の連載が始まりました。不愉快です。キャンペーン中?と疑います。

ほんと、そーですね〜!
もういい加減、怒るのも疲れた。。。というのが正直なところです。朝日には苦情を送ったけど、読売まだちゃんと記事読んでないし、意見を投稿するか、これから検討中です。できたら、えみんこさんも、これを読んでる方も、ご意見を新聞社に送ってください。できるだけ多くの方が意見を送った方が良いと思うのです。その数は、「私はたちはけして”例外”ではない」という証拠になります。医師に負けず劣らず、当事者の親の体験談だって、十分説得力がある、いえ、むしろ当事者だからこその説得力があると思います。だまっていては次々に日本の小さな子たちが被害に会うのをいつまでも止められません。

アレルギー免疫療法、というと、もしかして、Dr.Mathesonのことでしょうか? (ちがったらすみません)
私も興味があるのですが、詳しい情報収集がおいついておらず、従ってまだ印象程度のことしか言えない身ですが。ざっと調べた限りでは、「魔法のような、特殊な治療」という感じではありませんよね。あくまで、アメリカではごくごく当たり前の、ステロイドも使うけど、抗生物質や減感作療法を組み合わせた治療、との印象です。ステロイドの使用量を最小に抑えつつ、効果を最大に利用しつつ、現在分かっている科学的な手がかりから合理的に治療を組み立てるとすれば、このような治療になるのかな、といった印象を私は持っています。

>あまりにも日本の治療と掛け離れているので、よく誤解されるので。

私はそうは思わないのですが、、、日本の医師の中にも、ちゃんと勉強している人ならば近いことをやっている先生はいる(一部ですが。)と思います。確かに、減感作とスキンケアの療法に秀でた医師は珍しいですた、アレルギーを視野に入れた治療をしている医師はいます。だけど日本では、減感作療法をささえるインフラ、つまり良い減感作液を作ってくれる製薬会社がないのです。ん〜正確にいうと、あるにはあるのですが、その会社が製品を洗練させるには資本体力的にちょっと無理かな、と思います。また、その開発を支える研究者が社内外にいない、支える研究開発資金にも乏しい、というのがその会社の状況だろう、と推測しています。

それと、外用ステロイドの副作用を正確に知らなければ、適切なステロイドの処方はできませんから、その一点で私は脱ステ医を選びました。外用ステロイドの副作用や依存性を医師が知るか知らないか、は治療を組み立てる上で、最大のポイントだと私は考えています。ここがアメリカと日本の分岐点のような気がしていますが、この推測はあたっていますでしょうか。

Dr.Mathesonは長くアトピー治療に携わっているだけあって、その手段が豊富だな、と感じました。また、確かに、日本の減感作療法は欧米から少なくとも20年は遅れている(=良い減感作液が手に入らない。輸入に頼るしかない。自費)ので、その点でもDr.Mathesonにかかるのは良い選択肢かな、と思います。(我が家はこれから減感作の医師選び、です。)Dr.Mathesonは以前、タクロリムスやエリデルをお使いだったので、その点が小児には向かないように思われましたが、今はどうなのでしょうか。小児(たしか5才以下?)はあまり受け入れてらっしゃらない、と記憶していたので、えみんこ様のお子さまが2才、ということに驚きました。もしよろしかったら、アメリカで治療を受けられたら、詳しい模様を教えていただけるとたいへん嬉しいです!

私がざっと調べた情報源というのは、たいてい成人のアトピーの方(たぶん、かなりの人がステロイド依存性皮膚症を併発というか、これに移行していると想像される)だったので、Dr.Mathesonの小児におけるSteroidの使い方が分からず、気になっています。日本のドクターよりはもっと慎重な処方(指導)になるのでは?と予想していますが、実際はどうなのか、知りたいです。

私は小児のアトピーと成人のアトピーは区別して考えています。
日本の成人のアトピーの中・重症の方は、不適切なスキンケアとステロイド頼りの治療のせいで、長期のステロイドによって病気が修飾されて、もはや元々のアトピー性皮膚炎とはかけ離れてしまっているケースが多いように思います。そういった方の治療は、すでに保湿や減感作だけではどうにもならないケースが多いため、ステロイドやタクロリムスなどを使いつつコントロールするのも仕方がない、と私は考えています。でも、小児、特に2才くらいまでの小児への外用ステロイドの度重なる使用は、極力避けた方がよいと私は考えています。この点アメリカの現場ではどうなのか、気になっています。

「外用ー」と断ったのは「外用薬以外」つまりステロイドの内服や注射・点滴を使う場合というのは結構命に関わる場面が多いので、そういう場合にはステロイドの使用に踏み切るのが妥当だからです。それにこういった「外用以外のステロイド」を使う医師、つまり呼吸器科や内科の先生のステロイドの副作用に対する警戒心は、一般的な皮膚科医よりも強い、と私は感じています。

長くなりましたが、えみんこ様、アメリカでの治療、どうか頑張って、そして楽しんで来てください。お土産話、よろしくお願いします。(もしサイト等お持ちでしたら、是非ご紹介ください!)

(^ ^)p

by Luxel (2010-12-22 15:59) 

えみんこ

Luxel様、御返事ありがとうございます。
読売新聞の件ですが、新聞社に直接意見の電話しました。電話口の方は「担当者に伝える」と一点張りで話にならずですが、意見を伝えるという意義は果たしました。読売の連載は酷かった。読売はステの副作用を疑わず、真実を知らなくて医者のお手本をなぞって記事にしただけという感じです。連載の中の子供は幼児期の脱ステから又標準治療にもどりましたが結局、12歳の時点でも断続的にステ使用中です。完治していないと見受けられます。それは、依存状態なのでは?“コントロール”という甘い言葉でカモフラージュするのは、最低の記事です(ちょっと興奮気味です[冷や汗])どっちにしても脱ステ患者は、苦境に立たされます。
因みに私は過去に医療機関に勤めていて、ステを処置する側の人間でした。ですので標準治療に抵抗がなく、息子にベリーストロングとヒルドイドソフトの1対1を塗ってましたよ。たった一ヶ月で、典型的なグズグズ崩れるステ依存肌にしてしまいました。息子よ、母さん許してくれ。今、息子は何にも塗ってません。大分、スベスベに回復しています。たまに、掻いて湿疹すくっていまが、気にしなくなりました。




アレルギー免疫療法ですが、Luxel様御推察の通りマセソン博士の治療です。ただマセソン博士はアトピー治療、アレルギー免疫療法は別の医師の専門です。マセソン博士はアトピー治療のみなら三歳から受け付けてくれるそうです(確かめました。条件もありますが)アレルギー免疫療法は五歳からで、二回渡米してもかまわないので、まずアトピーを落ち着かせて、アレルギー療法にいくつもりです。実は不安材料が、マセソン博士が引退されてしまうかもしれない危惧です。還暦を過ぎていらっしゃるのて、次の医師免許更新(アメリカは更新性)をしないかもしれないし。そうなるとアトピー治療が受けられなくなる。その為早目に渡米する準備中で資金をちょびちょび貯めてます。



あと、日本のアレルギー免疫療法は、Luxel様もかなりアレルギー免疫療法を考察、吟味されておられるとお見受けしました。私はアレルギー療法に関して、まわりから懐疑的な見方をされていて辛いです。
Luxel様のご指摘の通り、日本には検査薬も数が充分にないし、“ダニ用の抗原注射液がない、輸入に頼るしかない”という…ふがいなさ。日本は高温多湿でダニアレルギーの患者が沢山います。なんでないねん!と突っ込んでしまいましたよ。
日本のアレルギー免疫療法病院で、私が一つの選択肢しているのは、抗原液を輸入している病院で、東京の久我山病院を候補に挙げています。アメリカでアレルギー免疫療法を学ばれて開業されました。(マセソン博士の事もご存知ですよ)主に喘息患者がメインに診察されています。喘息は命の危険があるから二歳から治療を受け入れていらっしゃいます。ただアトピーは複合因子があるから(バリア機能の生まれ持った弱さなど)アレルギー免疫療法だけではうまくいかない場合もあります。あと、日本にない検査薬とか抗原液は自費治療です。こちらの先生は高齢で後継者がいないし、先々の治療はかなり苦境に立たされています。日本でアレルギー免疫療法が広まるのを祈るばかり。



又々長文になっちやいました。アトピー&アレルギーはまだまだ未知の領域があるのでついつい、力が入ってしまいます。Luxel様のブログ更新楽しみにしています。又何かありましたらコメントしますね。
by えみんこ (2010-12-22 19:15) 

えみんこ

追記です。マセソン博士はエリデル、プロトピック等臓器移植で使われる成分の軟膏は現在使用されていません。やはりリバウンドがある、使用歴が浅いなどの理由です。治療に充分な歴史のあるステロイドをメインにされています。幼児に関しては、私も資料不足です。すみません。成人のステロイド依存状態の方がメインですので、幼児で治療された方はありますが、かなり数が少ないです。ただ、日本の医師よりかなり慎重なステロイド使用方法なのは間違いありません。注射、内服を使用されるのは、皮膚のリバウンドを最小限にするため、これ以上皮膚を外用によって薄くさせない為と、色々聞き及んでます。(いずれも成人の場合)もし、治療法について知識を深めたい場合は、マセソン博士は年に一回来日されますのでその説明会に参加され、直接博士に会うのがベストです。(今年は終りました)
他に資料は、アメリカのオフィスにメール、又はアトピーアソシエイションジャパンにメールで連絡を取り、送料のみで送られてくるDVDをご覧になられる方法があります。DVDには患者さんの一ヶ月の治療の様子が納められています。私は取り寄せましたが、忙しくて見ていません。
日本以外の治療の貴重な資料にはなると思います。数ある中の一つの治療方法として、参考程度に視聴されてみるのもよいかと。

by えみんこ (2010-12-22 20:00) 

Luxel

>むきむき様

おひさしぶりです!
上のお子さん、ほぼ完治!よかったですねぇ〜!
私も嬉しいです! キュ〜君も後につづかなければ!(笑)

>0歳からステロイドを使わずに治療した長男を見ていると、
>ずるずるの皮膚を見ているんのは親としてつらいので、
>ステロイドを使いたくなる気持ちはほんとによく分かるのですが、
>使わないのが結局一番の近道だと思っています。
>でも、ステを使うのも親御さんが納得するならそれもいいと思うのです。
>ずるむけの肌を1年も見てられない、精神的に耐えられないというのも分かるし、
>いろんな感染症にかかるリスクも無くはないのですから・・。

これ、ほんとうにその通りだと思います。
実は、見守っている親の親力がためされますよね。。。子の将来のために、どこまで鬼になれるか、試されてる、、、そう思ってしまうくらい、0才の湿疹のひどさには私も悩まされました。ステロイドを使いたくない、と思っていても、ステロイドに手が伸びる親や医者の気持ちもよーく分かります。今、写真を見返すと、「よく、この状態でステロイド使わなかったなぁ」と我ながら関心するほどです。
通りすがりの人から「虐待?」って疑われただろうなぁ〜、誰もこんな酷い赤ちゃん、周りにいなかったし。。。

新聞社への投稿、是非!お願いします!(私も読売に、早くしなくては〜焦)
このブログでよければ、どうぞどうぞお使いください。
(さすがに、朝日へ投稿した時は、あからさまに「お手盛り」になるんで、知らせなかったんで。。。f(^ ^;)

前後の「えみんこ」様の投稿からもうかがわれるように、日本って時として、鎖国?と思うことあります。子どものアトピー治療しかり、です。日本最高のレベルを誇る新聞社でもこれ、、、、って悲しいですが、そこで何もしなかったらいつまでたっても医療のレベルは上がらず、鎖国の中でおろおろする母子を次々に生み出してしまいますものね。がんばりましょう!(ふんっ←気合い)


by Luxel (2010-12-24 10:09) 

Luxel

>えみんこ様

詳細な情報、ありがとうございました!
えみんこさんも、医療関係者だったんですね。。。。Luxelも、広い意味ではそうです。最初はステロイドを信頼していたことまで、同じです。医療関係者の方がステロイドが溢れているさなかで仕事してますから、一般の人よりも警戒心が薄いかもしれませんよね。。。。うちも上の娘にはストロングまでじゃぶじゃぶ塗ってましたから。。。

私も「アトピー」に「減感作療法」が有効、というのは考えていませんでしたが、理屈でいくと、「小児食物アレルギー」が残っちゃった子はアトピーがなかなか治らないでしょうね。そこに減感作で緩解に持ち込めば、ついでにアトピーも治る、という可能性は十分にあるなぁ、と今更ですが、重いつきました。(下のキュ〜君は減感作をする前に皮膚の穴は閉じそうなのですが。)

ただ、おっしゃるように、問題は日本国内で「アトピーの治療として減感作療法」をやってくれる医師がいないことでなんです。知り合いの先生に無理を承知で頼んでみるか???? 注射薬はハードル高いんですよね〜医師にとっても。アナフィラ怖いでしょうし。
それに抗原希釈液も輸入となるとかなり高いですし。食物アレルゲンの場合、経口減感作を行う医師はけっこういるのですが(抗原液も必要ない)、ダニ・ハウスダストの場合、抗原液が必要ですしね。こういったアレルゲンが経口や舌下方式でできるようになるといいですね。

Dr.の治療を受けた方のブログを拝見していると、皆さん日米の医療の差に直面したようですね。願わくば、Dr.が末永く臨床を続けてくださること、そして、できれば、日本の患者の現状について、論文んを書いてくださることを願っています。
by Luxel (2010-12-30 10:03) 

なお

とても興味深く拝見させていただいています。
二男(1歳1ヶ月)がアトピーで、顔のかゆみ、じゅくじゅで始まった症状が、今はひじやすねのかゆみ、ひっかき傷に移行しています。長男(6歳)も生後3ヶ月頃からアトピーで、無知の私はステロイドを使い(リバウンドは殆どなかったのですが)症状が落ち着いた2歳の時に、今度は喘息を発症してしまいました。

二男の1ヶ月健診に行った時アンダーム、4ヶ月健診ではプロペト+キンダベート(を混ぜた軟膏)を処方され(私は何も言っていないのに)以前の私なら使っていたかもと思いました。

遅ればせながら、無知というのが一番怖いなと身にしみて感じています。

今は、すねのかゆみ、かきむしりで出血も度々ですが、保湿第一で乗りきっていこうと思っています。(心が折れそうになりますが)
まとまりのない文章ですみません。これからも、色々と勉強させてください。




by なお (2011-01-05 15:28) 

Luxel

>なお様

明けましておめでとうございます!
お兄ちゃんが喘息なら、弟さんもアレルギー体質の可能性がありますよね。一度、アレルギー検査(皮膚プリックテスト or 血液検査)を受けるとお子さんの体質の把握に役立つと思います。アレルギー体質のせいで出る赤ちゃんの頃の湿疹は、保湿だけで完治させることは難しいかもしれませんが、免疫系の成熟(=Th1の強化)とともに2才頃には良くなっていきますので、あれこれ工夫しつつ、気長にケアしていってくださいね。「治るはずだ」と焦ったり、深刻に悩みすぎるのは禁物です。(そういう時はあまり患部を見ないことです。湿疹とは長い付き合いになるかもしれませんから。)

お子さんはずーっと掻いてますか? それとも時によってはニコニコ笑顔がでますでしょうか。笑顔もでるようなら、まだまだ大丈夫です。

引っ掻く場所は、サポーターや、手が触れないようにつなぎの服で、直接爪で掻けないようにしてやると、傷はかなり浅くなります。(全く出来ない、という訳ではないのですが。)外用ステロイドを使わない場合、引っ掻き傷や湿疹から化膿するのを防いでやることが一番に重要になります。
我が家では、小さめの靴下の先をちょん切って膝や足首のサポーターにして引っ掻きを防止し、冬の乾燥で引っ掻きが増える季節には足先まですっぽりつなぎの服を着せてました(西洋の子どもが切るようなやつ。)。フリースなどのポリエステル素材よりはスムース素材など、滑らかな綿の素材が良いと思います。(アトピー性乾燥肌の上の娘の言葉を信じれば、フリースは意外とかゆいのだそうです。)

ステロイドも、全員に悪影響がでるか?(アレルギーが酷くなるか?)、と言うと個人差があると思われるのですが、個々人のステロイド感受性を知る術がない現在、やはり赤ちゃんにステロイドを使うのは極力(命に関わらないかぎり)避けた方が良いのでは、と私は考えています。(免疫抑制剤の悪影響が低年齢ほど強く出るように、ホルモン剤もその可能性が高いからです。)もちろん、喘息の場合は危険性の見極めが必要です。場合によっては吸入ステロイドを使うべき局面もあろうか、と思います。

それと、もともとアレルギー体質が強い人は、ステロイドを使わなくても喘息を発症するケースがあります。(済んでる地域の大気汚染度、などいろんな要素が絡み合いますので。)あらゆるファクターを折り込んで(環境、体質、年齢、etc.)ステロイドの使用の可否を判断するべきなのですが、これはかなり難しく、医師によって判断が異なることもあります。

もしよろしければ、血液検査など受けたことがおありでしたら、数値等をメールかコメントかでお知らせいただけると参考になってありがたいのですが、、、
どうぞご検討ください。
luxelblog"at"yahoo.co.jp


by Luxel (2011-01-07 15:55) 

ぬーの

明けましておめでとうございます。
いつも興味深く・・・というか、すごく興味深く拝見しています。

各新聞社の記事は、偏りを感じて・・というのを通り越して、いきどおりさえ覚えてしまいますね・・・。

我が子もアトピーかつ、アレルギーっこです。

研究者たるluxel様(もとは旦那様だったんですね!)に頼らざるを得ないというのは元研究者で今はただの主婦の私としてはなさけないのですが、ステロイド薬が我が子に与えた影響(自分の無知によるものです・・・)が気になっています。
ステロイドの使用がなければ、今のアレルギー体質も改善されていたのかとか・・・

そのあたりのデータがあれば、知りたいです・・・・
by ぬーの (2011-01-07 19:51) 

Luxel

>ぬーの様

こんにちは!
ぬーの様も研究者でらしたんですね!
どうりで・・・いつも鋭くポイントをついたご質問の数々、
私も勉強させていただいています。(^ ^)/
私自身はけして褒められたものではない泡沫研究者ですが、かろうじて現役であるからこそ利用できるインフラ(電子ジャーナル等)があってこそ知ることができる情報が多いです。

 こういった学術情報インフラが有る身と無い身ではどうしても入手できる情報が違いますよね。私なんか、現役で、気づけばいつでも情報が手に入る身でありながら、延々ステロイドを1年も(!)使ってしまった身です。

 ついでに言えば、実験系の研究職って、こんなにも共働きに向かない職業だったのか〜、と遅ればせですが、結婚してから、というより子どもが出来てから気付きました。職場(実験室)に出向かないと何も進展しない。。。しかし、認可保育園というのは就業時間+通勤時間しか預かってくれません。(当然ながら残業はダメ。)ここ6年ほど鳴かず飛ばずの9時5時研究者をやってます。研究者を名乗るのも恥ずかしいかも、というレベルです。

「ステロイドの使用がなければ、今のアレルギー体質にならなかったのか?」私も気になりますが、ヒトでの臨床データは無いです。(私の知る限り、ですが。)このことが示唆されるのはもっぱら基礎の研究においてです。
http://blog.m3.com/steroidwithdrawal/20091022/1
もうこのドクターのブログをご存知とは思いますが。。。この記事でご紹介されている論文の電子版を私も持っておりますので、ぬーの様がご希望でしたらさしあげます。ただ、ご覧の通り、外用ステロイドではなく吸入ステロイドのデータで、中止後にIgEの上昇がみられます。外用ステロイドの系はまだありません。ただし、皆さんのコメントから外用ステロイドでもこのマウスと同様にIgEが跳ね上がったのでは、と思われる報告を複数いただいています。
 in virto(試験管レベル) の系でステロイドのTh2増強作用を示唆する論文は多々ありますが、in vivo(生体レベル)となるとたいへん少ないです。ましてやhumanでは・・・です。とはいえ、ヒトのデータで安全が証明されるまでは、私自身は傍証となるin vitroの論文の指し示す結果=アレルギー増強のリスクを考慮して、年齢が小さいうちは出来る限りステロイド外用剤は避けてやっていこう、と考えているのです。

 もしhumanで上記の作用を証明するとしたら大規模なRCTが必要になるでしょう。ステロイドは今でも世界的にはアトピーの標準治療の範囲に入っていて、数少ない選択肢の一つですし、日本のような過剰処方は他の先進国(韓国を除く)では起こっていないか、それほど重篤な結果につながってないようですので、世界的にもそういった治験で弊害を証明しようという機運に乏しいのだろうと推測します。(ステロイド主流のアメリカの医師でさえ、日本の現状を知ると「驚きを禁じ得ない」そうです。)

 日本のアレルギーがらみの臨床は非常に遅れている、と私は感じています。普段の私の仕事は全くの基礎研究であるため、日本の臨床の世界との乖離がこれほどとは思いませんでした。
 
 世界からどんどん取り残される一方の日本経済、日本の医療レベル、後退する一方の福祉(予算)、、、、私たちの将来を考えると暗然としてしまいます。。。私たちは、自分たちは世界最高水準と信じている、(実際には)低いレベルの国内医療によって、いくばくかの寿命をロスしてしまっているのでは、と思います。この傾向は今後より顕著になるでしょう。

 このことの一つの打開策は患者達、つまり患者会が政治的に「動く」ことだと思います。抗ガン剤におけるDrug rug のように、患者自らが最新の海外データを収集し、早急な改善を政治や医学会に要望することです。
 私も今、一つの患者団体に、一会員として参加しており、講演会などのイベントに参加したり、患者団体の一員として新聞記事に抗議したり(個人としても抗議したり)していますけど、まだまだアメリカなどに比べれば日本の患者会の動きは弱い。始まったばかり、と言っていいでしょう。アメリカでは患者会が政治家に国費を使って特定疾病の研究を推進するように陳情などして働きかけたり、寄付を行なって基金を作り、自分たちの疾病研究をしてくれるよう、その配当金から研究者に研究費を出したりしています。(研究者が応募し、患者会基金側が選定する。)日本ではまだそんな経済力のある患者団体はないようですが、薬害エイズ問題のように、政治家に陳情して研究や臨床のレベルを引き上げるよう働きかける、または医療制度を変更するよう働きかける、といったことは可能なように思います。このブログを読む皆さんにも是非一度考えていただきたいことです。ぬーの様ができること、ぬーの様の能力を生かす道はたくさんあると思います。(経済収益性の有無を問わず。)実験室に閉じこもっている研究職だけが大学院で養った力を活かす道なのではない、と私は思っています。大学院で養った能力を社会に役立てる道は生活のありとあらゆるところにあります。このことを私は、家庭や子どもを持ってみて初めて気づくことができました。「生活者の視点と研究者としての能力を併せ持つ人材」を日本社会は必要としていると思います(能力を活かす=研究者に戻ること、と限定する必要は無いと思います。)これは男性(or 男性研究者)にはなかなか持てない視点だと思います。
 
 子どもが小さい今は、動くに動けないことも多いと思いますが、子どもはいつか大きくなり手がかからなくなっていきますから、今は焦らず「やれることをやる」でOKだと思います。私自身も時間がとれない今は、「首がつながっているだけで御の字、やれることだけをやってOKとする」しかない状態です(クビになるかもしれないけど〜 青ざめ)でも、それと引き換に子育てという(男性研究者には)得難い経験と得難い経験を手に入れているんだなぁ、と思うと、まぁ仕方ないな、とも思っています。。。(ちょっと負け惜しみっぽいかも、ですけど。)
by Luxel (2011-01-18 18:52) 

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