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朝日新聞の記事「子どものアトピー」編の感想・その2 [アトピー余談]

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<変更しました。2011.1.17>
読み直してみたらかなり記事が長いので、
後半の「皮膚科学会アトピーガイドライン」に言及の部分は
切り離して、記事を改めます。公開後の変更、申し訳ありません。
これはこれで別記事にしなくてはならない重要な問題ですので。。。

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引き続き、朝日新聞の記事について。
全文だと経過が分かりにくいので、まとめてみました。

<経過>
(生後3ヶ月)
 おなかのあたりの皮膚に赤み。それが、2週間ほどで全身へ。
 ひじやひざの裏などの関節はかさかさになり、粉がふいたよう。

 ステロイドを使うA病院へ。
 ステロイド外用剤+保湿剤を塗るときれいに。
 ところが、薬をやめると元の木阿弥。
 塗ってはやめ、また塗ってはやめるの繰り返し。
 徐々に全身の赤みが増し(悪化)、耳ぎれ。

2005年10月(生後3ヶ月ごろ)
 別のB病院を受診。
 ステロイドを処方。しかし「アトピーかどうか診断できない」
(↑1才未満では診断しない、という方針の医師もいます。)
 不信感がつのり、病院を変える決心。

2005年11月(生後4ヶ月ごろ)
 非ステロイド方針のC病院を受診。
 漢方と食事療法を中心にした治療。(無農薬、無添加の食材で、野菜中心の食事指導。※授乳中)
 初めてアトピーと診断。
 ステロイドの使用を中止

 ステロイドで抑えこんでいた炎症が再発。
 肌が真っ赤に。かゆみで夜、寝付けない。
 「これはステロイドをやめた反動、と思っていた。」とのこと。
 「いずれ治まる。いまは耐えるしかない」(この時点でこのブログに来ていただけてたら・・・!と思います。もちろん当時このブログは無いわけですが。。。この時期のしのぎ方が工夫のしどころなんです。)

 耳の周りの皮膚がただれてじゅくじゅく。
 人なつっこい笑顔が消えた。
 ほっぺや耳の前あたりをかきむしった。
 腕の皮膚が強い炎症により腫脹。(←この強い痒みや炎症は黄色ブドウ球菌などが付着したかも。)
 かき崩さないよう丸く巻いた紙をギプスのように腕にかぶせてしのいだ。

 「このままだと、きっと命にかかわる」。(そうなんですよね。。。親の方が耐えられない。怖い。)

2006年春(生後8〜11ヶ月ごろ)
 たまらず、別のD小児科へ。
 ステロイド外用剤を再開。炎症治まる。
 (消毒とか、抗生物質とかは処方されなかったのか? ステロイド一辺倒?)
 
 2カ月ほど継続

 母親がカニやエビを食した後に授乳、次男の皮膚が真っ赤に。(経母乳抗原でアナフィラキシー)
 
 授乳中止、離乳食開始。

06年7月(1才1ヶ月ごろ)
 「食物アレルギーの名医」と口コミで評判だった市内のE小児科を受診。
 食事療法開始。
  米と小麦の除去(←検査はしたのかな?)

 ステロイド剤を中止(医師の方針)

 再発。

07年3月(1才8ヶ月ごろ)
 制限のないキウイを食べた次男の口が腫れ呼吸困難に(=OAS)。 (キウィ、アレルギー体質の子には危ないですよ〜汗。南国系果物は注意しましょう!って指導は不可欠です。そもそも、「制限ない」のは単に「検査をしていない」だけなのでは? アレルギー体質の子が注意すべき食物は、低年齢の時は特に注意しながら=例えば、ごく少量を食べてみて1時間程度何も起こらなければ、徐々に食べさせる、など工夫し観察しながら、食べられる品目を増やしていく必要があります
 「米と小麦以外にも原因の食事があるかもしれない。もっと徹底して制限しないと」。そんな思いが強まった。
 自宅の掃除を強化。(この時点で、ダニやハウスダストに陽性だったのでしょうか?大事な情報。記事に書くべきです。記者は専門家ではありませんから、理解が低いままに書いていることを、あまり責めることはできませんが。。。。)

2007年5月(1才10ヶ月ごろ)
 別のF小児科クリニックへ(知人の紹介)。
 医師から指示書もらう。
 「アレルギーの原因と疑った卵、乳製品、エビ、タコ、貝類(←検査は?疑っただけ?)を食べないとの指導に加え、腸内環境を乱す砂糖や酸化した油、スナック菓子、果物も避けるように」
 
 血液検査で反応が出た食材が次々と追加され、除去食は増え続けた。(←今はあんまり行なわれてない厳格除去療法ですね。厳格除去は保護者の負担が大きく、また、長期に除去することが治癒には結びつかないので、最近はそういう指示をする医師はほとんどいないはずです。現在は「必要最低限の除去」が指針となっています。でも「食物アレルギー診療ガイドライン」自体が「最低限の除去」の具体的基準を明示していません。「専門医の指示をあおぐ」としか記載していません。基準を明言せず、「アレルギー専門医」を受診しろ、と言っている訳です。これはどういうことでしょうか? 皮膚科のアトピーのガイドラインは皮膚科医以外が見てもいちおうの「標準治療」ができるようになっています。つまり、食物アレルギーの明確な除去基準は作られておらず、日々更新・変更され、アレルギー専門医の間でも意見が別かれ、統一できないような状況なのではないか、とLuxelは考えています。この混乱はアレルギー科医が怠慢な訳ではなく、食物アレルギーの研究がまだそこまで進んでおらず、発展途上である、ということです。Luxelは低年齢においては短期(少なくとも2才頃まで)の除去にはそれなりの理屈がある、と考えて実践しています。というか、現在除去解除の前にSkin prick test を行なってくれる医師を探しているのですが、難航しています。。。。)

 除去食献立、食事日誌に記録。
 「疑わしい食物の除去→負荷」の繰り返し。(←これもけっこうたいへんですよね。。。このお母さん、よく頑張ってますね。。。)
 皮膚をどうケアすべきかについて医師の指導はない。(←アレルギー対処とスキンケア、両方指導できる医者って少ないです。。。ましてやアレルギー児に非ステロイドでのスキンケア、となると皆無といっていいほど。

 自由診療の別の病院から郵送される「成分不明」の塗り薬を使用(←ちょ、ちょ、ちょっと!これはダメですよ〜! 絶対ダメ! 院外処方せんの薬以外は要注意です!! ましてや受診してない医師の通販薬なんて、絶対ダメ!)

 症状は一進一退。
 原因となる食材は絞り切れない。
 首筋や口の周りの赤み、ひじやひざのかき崩しはたびたび再発。

 (この1年半くらい、ステは不使用?)
 食事療法の効果に、夫婦とも疑問を感じる。

2007年11月(2才4ヶ月ごろ)
 厚生労働省が市内で開いたシンポジウムがきっかけ
  国立成育医療センター(現国立成育医療研究センター)の専門医(大矢 幸宏医師)の方針
   ・ステロイド剤、保湿剤による薬物治療
   ・徹底的なスキンケア、ダニやホコリなど悪化要因への対策がコツ
   ・食事療法で食べ物を過剰に除去すると、成長の障害につながりかねない

 ※アレルギー学会による診療ガイドライン

 薬物療法もダニ対策ももうやっている。「どう薬を使い、スキンケアをどうすればいいのか」。それが分からず、少し不満だった。(←これまでの医師の説明不足、でしょう。そもそも自分で子どもの面倒をみたことのある医者って日本にはほとんどいないですから、どうしても指導内容が具体性に乏しく、観念的になりがちなんだと思います。食物除去一つとっても、複数食材の除去となると、どれほどメニューに困るか....)

患者団体「アレルギーを考える母の会」の代表の方の薦めで
 国立成育医療センター(現国立成育医療研究センター)
  大矢幸弘(おおやゆきひろ)アレルギー科医長
 を受診。
 (大矢医師。。。かなり良い先生、とは思います。アレルギーに関しては。。。これでステロイドの依存性のリスクについてはっきり認識してくださってるのなら、我が家だってアレルギーで受診してます。しかし、この先生の論文や総説、著書を読む限り、残念ながらステロイドに関しては日本の平均的なステロイド観しかお持ちでないようなので、受診には二の足を踏み、結局luxelは行きませんでした。。)

2008年1月(2才6ヶ月ごろ)
 センターに入院。
 清潔な肌を保つため、1日に3回入浴し、(多数回入浴が良いのか、少ない入浴が良いのか、は先生によって意見が分かれます。Luxelは基本的には後者。例外はあります。詳しくはまた記事を改めます。)
 ステロイドの塗り薬を皮膚が隠れるほど厚く塗り広げる。
 効果はすぐに表れ、皮膚は2、3日でつるつるになった。(これは当然。このお母さんがこの時までステロイドをかなり長い期間中止、もしくは控えめに使用していたおかげでステロイドへの依存は起こしていませんから、ステロイドは良く効きます。依存を起こしていた時のうちのギャオだったら効かなかったでしょう。)

 入浴をはじめとするスキンケアを組み合わせることでステロイドは段階的に減量、
 皮膚がきれいになり、食物アレルギーの影響も見極めやすくなった。(←ここが一番の問題。現時点で小児、特に乳幼児における外用ステロイドによる治療は、世界的にも「基本的に、慎重であるべき」という方針なのは間違いありませんが、「必要に応じて、使用」というのもまた共通の方針です。ここで「医師の裁量」の問題が出てきます。要するに「医師の、意識」に大きく左右されるのです。日本の医師の「慎重さ」はluxelから見れば全然足りません。大矢医師個人の「慎重さ」はどうでしょうか。以下に詳しく書きます。)
 血液検査や皮膚テストの結果を目安に、避けた食べ物を段階的に再開し、症状が出ないかを確かめた。


(6回目の記事についてはブログの記事「その3」で検証します。
この回では患者さんの経過を追うことに専念。)
 
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記事に必要な情報が欠けているため、正確な状況をつかみにくいのですが、
こんなところでしょうか。

以下はLuxelの考えです。

結局、朝日新聞の記事の主眼は何だったのか、という点について、
Luxelは「小児のアトピーの医療現場は非常に混乱している」というのが記事の主眼、と読み取りました。

このお母さんは大矢医師を受診する前に6軒も病院をかわっています。
Luxelも、ギャオの脱ステの前に6軒病院をかわりました。
つまり、6人の医師の誰も、このお母さんに満足な説明と満足な結果を提供できなかったのです。
大矢医師を受診する前には、お母さんの希望どおり、ステロイドをほとんと使わない医師もいました。
でも、このお母さんは満足できなかった訳です。それは、「ステロイドを使わない(あるいは、控えめに使う)医師」であっても、自分の治療法が何故そうなのか、ステロイドを止めればどういう結果になるか(湿疹が再発する)、それでもなお、何故、ステロイドを使わない方が良い、と自分(医師)は考えているのか、を説明していなかったから、とLuxelは考えます。「ステロイドを使わない or 控えめに使う」だけ、ではダメなのです。何故なら、このお母さんの希望は「ステロイドを使わずに、きれいな皮膚が維持できるようになること」だからです。(そりゃそうですよね〜。それができれば、誰も苦労しません。皆、その治療法に飛びつきます。)

それはさておき、今回の記事からはいろんなことが読み取れます。
日本の小児アレルギー・アトピーの治療の難しさ、特に医療現場の混乱、医師ごとに違う治療方針・・・これでは患者(の親)は迷ってしまい、Dr.ショッピングを重ねてしまうのもいたしかたないのではないでしょうか。
Luxelの目からは、日本には「ベスト」と言える治療はどこにも無いように思えます。
「ステロイドの是非」以前の段階、と言っても良いかもしれません。
この点については、大矢医師も同じです。
(だからこそ、僭越ながら、Luxel自身がこのアトピー・アレルギーブログで「ベストの治療とはいかなるものか」について私の知力の及ぶ限り考えうる最善の道を探っていこう、と考えた訳です。)

では最後の治療者である大矢医師は、先の6人の医師とは何が違ったのでしょうか。
この記事の"ステロイドに不安を持っていた"お母さんが、ステロイドを使う大矢医師の治療に同意した決め手は何だったのでしょうか。

それは「受容」と「説明」だった、とluxelは思います。

お母さんの気持ちをまず受け止め、そして、十分な、納得のいく「説明」があって初めて、このお母さんは大矢先生と先生の使うステロイドを信用したのだと思います。

あ、でも、この点、開業医の先生のかわりにちょっと釈明させてください。

患者さんの話を聞く事に2時間もかけられる開業医は、まずいません。
非番(=外来に出ない)の日がある大病院の勤務医だからこそできることです。
外来時間外に入院患者さんとゆっくり話ができるのも、入院施設がある病院の勤務医なればこそ、です。
個人の皮膚科開業医で、入院施設をお持ちの医師は皆無に等しいです。
もちろん、勤務医であっても、2時間も時間を割いて話を聞いてくれ、説明してくれる医師はそうそうはいません。(たいてい、忙しいですから。)ですから、このエピソードには大矢先生のお人柄がよく現れていると思います。
もちろん、開業医の先生にだって、同じようなことは可能なはずです。
一度に2時間もかけることはできなくても何回かにわけて患者さんの話を聞き、また、納得の行く説明が出来る先生はおられます。開業医の先生に2時間という時間は無理でも、効果的なアプローチは十分可能なはずです。

さてここでちょっとLuxelの私見を。
普通のお母さんの多くは「ステロイドは嫌だ、できたら使いたくない」と思っているでしょう。
でも、それは「何となく」であって、具体的な根拠を持たない場合がほとんどだと思います。
このお母さんもそうですね。
医学あるいは生物学のバックグラウンドがある人以外では、このブログにたどり着いた人でもなければ、「なぜ、ステロイドを子どもに使いたくないか」という明確な理由、根拠を持っている方はほとんどいないのではないでしょうか。
「怖い、と噂のある薬を我が子に使うのは怖い。」
「塗っても、やめたらまたすぐ再発する薬を続けるのは怖い。」
といったところだと思います。

医師の中にはこういう人のことを「steroid-phobia」(ステロイド忌避症、ステロイド嫌い)
と称して、治療に同意させるための説明に多大な労力を要する面倒な患者と捉え、嫌な顔をする向きがあります。
そんな、尊大な医師たちとは違って、大矢医師は根気よく、嫌な顔ひとつせず、
このお母さんの話に耳を傾け、このお母さんが言いたいことを一通り話し終わってから、
おもむろにステロイドの説明をしたのでしょう。
しかも、お母さんの「根拠のない忌避感」を解きほぐすために、丁寧に、「根拠のある使用法(=ガイドラインの使用法)」の説明をゆっくり時間をかけてする(Luxel的には、この「根拠」は十分なものではありませんが。)。それも、このお母さんの理解と歩調を合わせて、です。
このような大矢医師の人間的に誠実な姿勢が、このお母さんの信頼を呼び起こし、最終的にステロイドでの治療に同意したのだと推察します。
このように、誠実な医師から「ちゃんとした根拠のある、安全な治療法です。」と諭されて反論できるお母さんがいったい何人いるでしょうか? 

ここのくだりを読めば、大矢医師が「たいへん優れた医者」であることがわかります。Luxelも異論はありません。
まるで、優れた心理カウンセリングや優れた宗教者のアプローチを見るようです。
大矢医師が恵まれた勤務環境であることを除いても、「医師とはヒーラー(癒す者)である」を地で行く、お手本のような、しかも、最近では滅多に見られないような、良い医師であろう、と思います。

それだけに、Luxelは、大矢医師がステロイドの性質についての理解に乏しいことをたいへん残念に思うのです。

大矢医師は「この子はステロイドへの依存は起こしていないから、ステロイドを使おう」と判断した訳ではないと思います。
大矢医師に「ステロイドの依存性」の認識があることがうかがわれる彼の著述はどこにもありません。
ただし、大矢医師は「ステロイドだけでは治らない」ことは良く知っていて、ステロイドで炎症をいったん抑えた後に、皮膚バリアを修復するためのコツを患者さんにきちんと説明しています。この点はたいへん評価できます。
これで、「ステロイドが依存を起こすこと」「アレルギー体質(Th2優勢体質)を強めてしまうこと」「免疫や皮膚細胞の性質を変えてしまうこと」についてご存知であれば、ステロイドを再々使用することについて、もっと慎重な治療をなさるのではないか、と思うのです。「惜しい」としか言いようがありません。この点さえクリアしていたなら、我が家だって大矢先生のもとに通っていた、と思うのです。(アトピーではなく)小児の食物アレルギーにおいて、日本の第一人者、と称しても過言ではない先生なのですから。。。。

 この記事を詠まれている方に正確に理解して欲しいのは、
ステロイド依存を起こしていないこのお子さんに関しては、大矢医師が施した外用ステロイド療法は、”間違い”とはいえない」ということです。この下線部の限定が重要です。というのは、幸い、このケースでは「ステロイドが良く効き」、「退院後も長期に渡って少量のステロイドでコントロールできている」様子だからです。(ステロイドが良く効いたのはこのお母さんがステロイドを警戒してあまり使わなかったお陰です。)
 大矢医師の治療のポイントは「ステロイドを塗って炎症が治まったら終わり」ではなく、炎症が治まった状態を維持するため、「入浴や保湿といったスキンケア」と組み合わせている点です。ステロイド単独での治療は明らかに誤りですから、大矢医師のこの治療は「ステロイドを使う場合」においては正解です。「保湿・スキンケア+ステロイド」の組み合わせは、世界的に見れば当たり前の治療法なのですが、驚くべきことに、日本では「ステロイドのみ塗布」で治療する医師がまだまだ多く、良くても「保湿剤や消毒剤をステロイドと一緒に処方する」程度の医師がほとんどなのです。え?それだけ一緒に処方してくれたら、アイテムとしては十分じゃないの?と思われるでしょう。でもこういう処方の先生でも、大抵の場合、足りていないもの・・・・・・それは「説明」です。

理想的には、
「スキンケアのみでコントロールするのがベスト。 ステロイドには危険性もあるので、必要な時には思い切りよく使うけど、軽い時には使わない。 極力使わないで済むように、患者もスキンケアや消毒の手間を惜しんではいけない」
というような指導がないといけません。

ステロイドを塗れば魔法のように湿疹が消えてしまうのですから、ステロイドの危険性をしつこく説明されなければ、患者(の親)は「ステロイドだけ塗ってれば治るんだから、簡単だわ」とばかりに、ステロイドのみに頼って、保湿や消毒をおろそかにしがちです。
これを防ぐために、イギリスのアトピーの臨床の指導書
"Key Advances in the Clinical Management of Atopic Eczema"
では、巻頭で、しつこいほど「保湿の重要性」を説いています。

 大矢医師の治療は「間違いではない」と私が言うのは、あくまで「結果から見て」「現時点では」という限定つきです。このお子さんが結果的には「退院後も長期に渡って少量のステロイドでコントロールできている」からこそ言えることで、将来的にステロイドへの依存を起こしたり、アトピーが再発したりすれば、「間違いではない」とは言えなくなります。
 また、お母さんによっては「今、子どもの皮膚が破れているのを見るのが苦痛だ」という人もいるでしょうから、「遠い将来の不確定なリスクよりも、目の前のこの子の皮膚を今すぐ治してほしい。」と希望する人にとっては、ステロイドによって生活のQOLを取り戻すのを「間違いである」とは言えないのです。

ただし、当然ならら、外用ステロイドを使っている限り、依存やその他の副作用のリスクは「0(ゼロ)」ではありません。(無論、湿疹を放置すると化膿のリスクもある訳ですが、ステロイドは化膿をひどくします。)
この先、使い続ける限り、こういった副作用が起こってくる可能性はあります。副作用の出現をできるだけ先延ばしにするためには、保湿などのスキンケアと組み合わせて、ステロイドの使用量を最小限に抑えつつ使用するしかありません。

ステロイドはよくよくその副作用を理解して使わなくてはならない薬であることについて、全ての医師に異論は無いと思いますが、残念ながら、その副作用の全てが現時点で明確に分かっている訳ではありません。ステロイドに対する皮膚特有の依存性や、ステロイドによる分子レベルでの皮膚のremodelingの研究はまだその端緒にさえついていない、とLuxelは考えています。なぜなら、ほとんどの医師には「問題意識」すら無いからです。「問題」を認識して初めて、問題解決のための研究が始まるのですから。。。


ただ一点、私と大矢医師との意見が大きく相反するのは「検査のためだけに、外用ステロイドを使ってまで皮膚をきれいにする必要があるのか」という点です。一見合理的に聞こえますが、実際にはステロイドを止めたら、よほどスキンケアがうまい具合に功を奏していない限り、湿疹は再発します。また、アレルゲンとしてハウスダストやダニ、花粉などの「大気中抗原」に陽性の場合、食物アレルゲンの負荷試験における皮疹の発生を見分けにくくしてしまう可能性があります。私は、「ステロイドで肌をきれいにして、負荷試験」という方策は、うまく行くケースとそうでないケースがある、と予想しています。このお子さん(2才半すぎ)よりも小さい0ー1才の子で、まだTh2の方が優勢なアレルギー体質の子では、皮脂の分泌が低く、スキンケアだけで皮膚バリアを維持できず、湿疹が再発し、ちょくちょくステロイドのお世話にならなくてはならなくなる、と予想しています。こういう子にステロイドを使って皮膚を(見かけ上)きれいにし続けていると、ステロイドの使用量は増えていかざるを得ません。

そんな訳で、私自身は小さい子(乳幼児)に外用ステロイドを使ってまで皮膚テストや負荷試験をしたくはありません。アレルギー体質を強め、皮膚細胞の性質を恒久的に変え、皮膚を脆弱化させる可能性のあるステロイドを使ってまで検査をする気になれないのです。要するに「思春期以降の再発率を高めてしまう」可能性を恐れているのです。こんな先まで考えて外用ステロイドを使っている医師はほとんどいません。このリスクを懸念しているのは日本の医師ではほんの数人です。

もし我が子に外用ステロイドを使うなら、「ステロイドを使わずにやってきたのに、3才を過ぎてもいっこうに湿疹がよくならない。」という場合かな、と思います。でも、幸いうちの子はアレルギーはひどい(=多項目に陽性で、IgEも超高)ですが、湿疹は0才時に比べれば、比較にならないほど良くなってきています。このままステロイドを使わずにいっても、2才前後で湿疹は消えるのでは、と十分期待できる状況です。今さら外用ステロイドを使ってまで負荷試験をする気にはなれません。キュ〜君は現在10品目以上がクラス2以上のIgE陽性ですが、まだ離乳食ですから、これら全ての品目の除去を継続するのはそれほどたいへんではありません。(我が家の離乳食はすご〜く単調です。幸い1才半の幼児に「飽きる」という言葉は無いようです。)離乳食の進行としてはやや遅めではありますが、成長阻害を起こしていないことは毎月、母乳マッサージの助産士さんのところにいくついでに身長体重を測ってもらってますから、お墨付きです。(平均よりちょっと小さめ、くらいです。我が家に体格の良い人間はいませんから、これは妥当。)今後は、普通食へと移行して行き調理の手間がたいへんになってくる2才ごろから負荷に入り、除去を解除していけたら、と考えています。
(記事のお子さんも大矢医師の元に来たのは2才過ぎていますから、「負荷試験→除去の解除」をするには適した時期だったと思います。)

私は大矢医師が「アトピーの患児の最初の受診時にどのような指示をするか」に非常に興味があります。炎症が入院を要するくらいにまで酷くなっての受診なら、最初の数回はステロイドを用いるのも仕方ないでしょう。でも、症状が軽い患児に対してはどう指示なさるのでしょう? この内容が分かれば、大矢医師がステロイドのリスクについて、本当はどの程度造形が深いのか、(著述には敢えて書かないかもしれない部分が)分かるからです。大矢医師が記事のケースで行なった「ステロイド療法+保湿スキンケアで維持」は、今のところ、ステロイドを使う場合には最善の方法です。というか、保湿などのスキンケアなしに、ステロイドは使っちゃいけません!絶対に!(もちろん、ステロイドを使わずに維持できるのが最善。)

ただし、これ(=ステロイド治療)を初診の患者に対しても行うのなら、ちょっと待って、とLuxelは言いたいです。
順番が「スキンケアや消毒殺菌、それでもだめなら→ステロイド」ならまだしもなのですが、
「最初にステロイド→その後、スキンケア保湿で維持、という方法だとすると多いに疑問です。

もちろん、大矢医師が常に「ステロイドで炎症を止める→スキンケアできれいな皮膚を維持」という方法をとっているのかどうかはわかりません。
もしかしたらこのお子さんの皮疹の程度を見て、「これはもう、ステロイドを使わないと無理だな」と判断したかもしれず、軽症の場合はステロイドは使わないのかもしれません。どなたか受診された方がいらしたら是非、情報をください。

繰り返しますが、
記事のお子さんのケースでは、「退院後も長期に渡って少量のステロイドでコントロールできている」ということはやはり、この子は幸運にもステロイドへの依存を起こしていなかった、ということです。
たとえ根拠は薄弱であろうと、「ステロイドは怖い」とステロイドをできるだけ避けていたこのお母さんのお陰で、お子さんがステロイド依存を起こしていなかったからこそ、大矢医師のステロイド療法は良好な効果を出せたのです。
しかし、(1)いったん依存を起こしてしまったケース、あるいは(2)もっと低年齢(0〜1才)でアレルギー体質が強いケースではなかなかこうは行かないだろう、とLuxelは予想します。(ステロイド中止時点での我が家のギャオのように。)

記事のお子さんの状態を見た訳ではないので、これは想像ですが、このお子さんはアレルギー体質(食物・ハウスダスト・ダニに対するIgE陽性、総IgE高値)のお子さんで、大矢医師のところにたどりついた時点では湿疹はアレルギーのせいではなく、スキンケア(保護・保湿)が不十分であったために皮膚バリアが破綻して、そのせいで生じた炎症が持続・悪化してしまっていたのではないか、と思います。一般的な医師にとっては、ステロイドを使わずに炎症を鎮めるのが難しい状態だったかもしれません。(一般的な医師には、と断ったのは、日本には、入院が必要なくらい厳しい局面でも外用ステロイドを使わずに危機を乗り越えさせることのできる医師もいるからです。もし「入院しかないかも」と思っている読者の方がいらっしゃいましたら、どうぞLuxelにご連絡ください。具体的な医師名・病院名をお知らせいたします。)ステロイドを使わないと鎮められない、と多くの医師が考えるほど、炎症を酷くしてしまったのは、それまでにかかった医師の力量が全く不足していた、という他ありません。つまり、少なくとも7人中の6人までの医師が、このお母さんが納得できるだけの、症状や病気の仕組みについての的確な説明と、炎症を酷くしないようにするためのスキンケアや消毒の指示を提供できなかったのです。これでは、「日本には、アトピーやアレルギーをまともに治療できる医師はほとんどいない」と言っていい状況だと思います。




先ほど、
「大矢医師の著作や論文から、大矢医師はステロイドの使用にほとんど警戒心を持っていない」つまり「(教科書に記載されている以外の)リスクを認識していない」ことが見てとれる、と書きましたが、
おそらく大矢医師はまだ「明らかに、ステロイドが効かないか、悪化している」と考えざる得ない、というシビアな症例には巡り会っていないのでは、と思います。「小児に重症の依存症者が少ないために、小児科医の外用ステロイドのリスクへの認識は甘くなりがちだ」という意味のことを、かつでの同僚であった脱ステで非常に有名な皮膚科医の深谷先生もそのブログに書いておられます。
(参考)
http://blog.m3.com/steroidwithdrawal/20101126/2010_11_26__
ちなみに深谷先生は、ギャオが依存症を起こした当時、ほぼ唯一、Luxelが科学的な検討を行う対象となる文献を残された方でもあります。残念なことに、すでに当時、脱ステの医療現場からは退いていらっしゃいましたが。。。。脱ステを行なう患者さんでこの先生の存在を知らぬ者はない、というくらいに(患者の間でのみ)有名な方です。Luxelも、この先生の炯眼をたいへん尊敬しています。

では、小児ではステロイドへの依存は起きないのか?

そんなことはありません。
Luxel自身のギャオでの経験や、Luxelにご報告いただいたお母さんたちの情報から、(「成人の、依存が明らかなケース」における壮絶な脱ステロイド体験、というほどではないけど)、やはりステロイドのせいで徐々に悪化してきていた、と考えざるをえないケースがこれまでに3、4件あります。「ステロイドを塗るのをやめると再発する」という現象はあまりに当たり前で、これだけではステロイド依存とはいいません。「ステロイドの効きがが悪くなり、ランクがあがった」「長期にステロイドを使っているのに、増悪と緩解を繰り返しながら徐々に悪化した。」などが手がかりとなります。

6歳のお子さんでステロイド使用歴が5年になるお母さんが、ちょうど今まさに脱ステ実行中で
克明なブログを書いてくださっていますのでご紹介させていただきます。
しかも写真付きなのがたいへん有り難いです。
http://nachdenkereien.blogspot.com/
(ぴーふけ様、許可ありがとうございます!)

うちのギャオはステロイド使用歴としては1年とちょっと、
しかも脱ステ期が終わってからこのブログを書き始めているので、実はLuxelの、ギャオの脱ステ中のの記憶はかなり曖昧です
その点、ぴーふけ様は現在進行形なので、その成り行きを含め、たいへん興味深く拝見しています。ぴーふけ様の詳細な観察(低体温、本人の体感温度の変化、睡眠の問題等)から、ステロイド依存により自律神経の乱れが起きている=視床下部・下垂体・副腎系(HPA axis)の抑制まで起きている、と推察される点で、成人の中等度の脱ステの患者さんと共通の症状が現れているように思います。

加えて、ぴーふけさんのブログ独特の社会学的な切り込みも、たいへん興味深いです。
これだけで論文が書けそうなレベルです。
日本の医療がなぜそうなのか、ぴーふけさんのブログと海外の状況とを照らし合わせて考えると
日本の医学界の持つ病巣がかなり立体的に浮かび上がってくるように思います。

話がちょっと逸れましたが、
要は、「小児でも、ステロイド依存は起こる」ということです。

もちろん、ステロイドを使えば全員が依存を起こす、という訳ではないと思います。
ただやはり、使う量が多ければ多いほど、依存性やその他の副作用のリスクは高くなります。
また、ステロイドへの感受性には個人差があるため、一概に「ここまでの使用量なら大丈夫」といった基準はうちだせないでしょう。依存を起こしやすい体質かどうかを判別する検査法は現在のところ存在しません。

つまり、ステロイドの最善の使い方は
「出来る限り、少量に抑える。ただし、使用に際してはメリハリをつけて、いったん使うと決めたら完全に炎症を抑えるまで使う。炎症が治まったらスキンケアをがっつりやって、皮膚のバリアの維持に勤め、ステロイドが必要となるような事態に再度落ちいらないように努める」ことです。
これしかありえない、と思います。(ステロイドを全く使わない場合と、一回でも使った場合の、細胞レベル、分子レベルでの変化についての研究は皆無です。ですから、一回でもダメか?と問われれば、それは私にも分かりません。ただし、使わなければ当然リスクはゼロ、ですが、使えばリスクはわずかかもしれませんが、ゼロではなくなります。要は、「リスクとベネフィット、利益と不利益」の兼ね合いを頭に置きながら使うしかないのです。)

ちなみに、うちのキュ〜君、IgEは12月の検査でギャオを超えてしまったのですが(泣)、
皮膚の症状としては同年齢でのギャオと比べて遥かに治癒の速度が早いです。
「ステロイドを使わなければ(使った場合より早く、)2歳までには治る」という脱ステ医の先生方の説明は我が家に関しては本当だなぁ、と感慨深いです。
今のキュ〜くん(1歳半)の皮膚の状態は、お姉ちゃんのギャオの5歳くらいの状態に相当します。
もちろん、個人差というものがあるので我が家のケースだけで「ステロイドを使わない方が早く治るよ」とは言いません。(ま、「早く治るのではないかなぁ」くらいの推測です。研究者はこのへんの言い回しには気を使うものなのです。苦笑)

大矢医師の治療法自体はちょっと脇において、
保湿スキンケアとステロイド治療の関係について述べておきます。

欧米ではまず最初に徹底的な保湿によるスキンケアを指導されます。最初からステロイド、とはまずなりません。
この「保湿スキンケア、それでもダメなら→ステロイド」という方針と、日本の「まずステロイド→保湿スキンケアで維持」という方針は、似ているようで絶対的に違っている、大きな開きがある、とluxelは考えています。日本のやり方では、ステロイドの使用にに歯止めはかかりません。むしろ推奨してさえいます。というのは、日本のガイドラインだとステロイドを使わなくても保湿スキンケアだけで治った患者さんにまでステロイドを使ってしまうことになるからです。リスクのあるステロイド使用人口を増やしてどうしようというのでしょうか。

ここは米国の小児科医が言うように「保湿・保湿、3、4がなくて5に保湿、1から10まで保湿をやって、それでもどうしてもダメなら、ステロイド。」「ステロイドも3回使わなくてはならないようなら、皮膚科専門医に送ります。」(※米国の皮膚科医としてのトレーニングは日本とは比べものにならない厳しさ、だそうです。ステロイドの塗り方だけでなく休薬期間についても勉強します。日本がいくらアメリカ皮膚科学会のガイドラインだけを真似ても、医療制度(家庭医-専門医制 vs フリーアクセス制)や医師教育制度が全く違うのですから、所詮それは猿真似だと思うのです。。。)

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドラインの問題については
記事を改めて述べたいと思います。

朝日新聞の連載についての記事、次回「その3」で最後です。
長文おつきあいくださってありがとうございました。


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ぴーふけ

おはようございます!
最近、自分の仕事でていっぱいで、ひさしぶりに(!?)自分のブログをみてみたら、昨日いきなり閲覧回数がはねあがっていました。
「なぜ?」とおもったら、luxelさんが、コメントしてくださったんですね。
ありがとうございます!
うれしはずかしです(笑)。

うちのふっくんは、またこのところかゆみになやまされています。
それでも先日、「新品だし」とひきだしに残してあったステロイドをみつけて「あ~。まだある!ステロイド。でも、もう、つかわない」と、一人で決意表明をしていました。
これは私の洗脳(笑)の成果かもしれませんが、彼なりに、「やばい」感をもっているのかもしれません。
ただいま、ふっくんは「西式 温冷浴」実施中です。今週末には、そのもようをアップしたいとおもっています。


でも、ほんとに、こどもへの安易なステロイド投与は、やめてほしいと切におもいます。

わたしも、ここにコメントをのこされているみなさんと同様、luxelさんのブログにはげまされているひとりです。

これからも、ひきつづき、ブログをたのしみにしています!

笑えることいっぱいの2011年になりますよう!
by ぴーふけ (2011-01-14 09:18) 

えみんこ

こんちは(^0^)/Luxelさんの記事待ってました。今日は息子の小麦の負荷試験でした。無事に済んでよかった…。

皮膚科学会がスキンケアの依存、耐性には気付いているとおもいます。気付いなければ、皮膚科としては、失格でしょう。海外の文献はもう既に依存、耐性に言及しているのはいくつもあります。ただの勉強の怠慢かもしれませんか。
ただ、ガイドラインに守られている以上、言う必要は無いからです。
ステロイドですが、薬価点数の高い薬品ですので、出せば楽に診療報酬が入ります。日本は国の皆保険制度のおかげで、高いステロイドが、簡単、安く、大量に処方できる様になっています。保湿やスキンケアの指導よりは手間が違います。
日本のステの売り上げは、かつて年間500億円近くありました。1990代後半の話ですが(外用、内服の内訳はわかりません)売り上げは今も変わらないと思う。スゲー(+_+)
プロトピックは、ステロイドより遥かに高いのです。今はアトピー関係は製薬会社にとってドル箱です。そりゃ、こぞってメーカー&皮膚科学会が情報統制したくなります。


by えみんこ (2011-01-14 15:08) 

はなさかばあさん

はじめまして。
卵アレルギーを持つ娘(11ヶ月)を持つママです。
興味深い記事を拝見させていただき目からうろこです。

娘は4ヶ月あたりから乳児湿疹に悩まされ、ステロイドも使用してしまいました。
でも、もう止めます!!!!!!

現在11ヶ月で、離乳食について教えていただければと思い、ずうずうしくコメント入れさせて頂きました。。。

現在の娘は、体全体が乾燥肌で、肘の内側に赤いぽっちがあるのと頬から顎にかけて赤みのある湿疹があります。今のところジュクジュクしているところはありません。

私も主人もアレルギー体質なので離乳食は8ヶ月から始めましたが、娘が小食なのもあり、進んでいません。
来月1歳になるのに食べられるタンパク質は2種類の白身魚だけです。

これではいけないと思い、先日皮膚科で卵、小麦、乳、米、大豆、犬の毛、猫の毛のプリックテストを受けました。
卵が陽性で、それ以外は陰性でした。

先生からは卵以外は育児本通りに進めるように指導を受けました。
それで、先日豆腐を食べさせたのですが、頬の赤みが強くなった気がしました。(身体には発疹は出ませんでした。)

プリックテストで陰性でも、湿疹がでることもあるのでしょうか?
月齢が小さければ血液検査もプリックテストも参考程度にしかならないようですが、1歳間近だったらかなり正確に判ると先生が言われていたのですが・・・。


今後、小麦や牛乳など食べないといけないものがたくさんあり戸惑っています。
Luxelさんのお考えを聞かせていただけると幸いです。
また、離乳食をどのように進められたのか経験を記事にしていただけると嬉しいのですが・・・

お忙しいところ、図々しく申し訳ありません。。。。

入浴法、実践してみますp(^-^)q







by はなさかばあさん (2011-01-14 23:55) 

tomo

あけましておめでとうございます!
Luxelさんの力のこもった記事、読ませていただきました!!!!
いつも勉強させていただいております!
ありがとうございます!!!!!!

さて、年末にご相談した息子の貨幣状湿疹ですが…
細菌性なのかは結局わからず終いでしたが、グリパス+超酸化水で、なんとか下火になってきました。
ひどかった湿疹が、比較的早く(2日くらい)良くはなるものの、完治はしないような感じです。
ケアを怠ったら絶対再発する気配があります。まだボコボコしているし…

あとは、3日前くらいから、頭皮に白いかさぶたができてしまいました。
脂漏性湿疹???
バーユでふやかして、お風呂でアトピタで洗ったら…
次の日範囲が広がって、黄色いかさぶたにグレードアップしてしまいました…

最近、色々な食べ物にチャレンジさせているので…
アレルギーの反応???と少し心配です(+o+)

おでびびはうすというサイトで、頭のフケは小麦とか米のアレルギーの可能性も…という記述があって…
年末に米アレルギー騒動があったので心配です。今年に入って、うどんとかパンとかもためしているので…(血液検査では、IgE、IgGともに小麦は0でした。)

写真を撮ったので、見ていただけないでしょうか…
Luxelさん、お忙しいのにいつも頼りにしてしまって本当にすみません<m(__)m>
by tomo (2011-01-16 11:09) 

はらみ

こんにちは。
いつもブログ拝見しています。
7ヶ月の息子のことで教えて頂きたいことがあり、初コメントいたします。
両親ともにアレルギー体質ということもあり、息子も早々にアトピーと診断されましたが、現在は私が卵&乳製品を除去し、湿疹部分に亜鉛華+スタデルム軟膏、それ以外はウレパールローションで保湿でいい状態をキープしています。
(因みに、三宅健先生に診てもらっています。その前にステロイドを使わない医師リストにあった都立大の新井皮膚科に行ったところ、「この子が私の子供だったらステロイドを使うけど」と言われたのと、他の患者さんに「プロトピックをたっぷり塗って」と言っていたのを聞いて通院をやめました。余談ですが、他の方の参考になれば…)
本題の質問なのですが、体は上記のようにコントロールできているのですが、頭皮の状態が悪く、赤い湿疹ができ、とても痒がっています。かいてしまうと、浸出液が出てしまい、黄色く固まっています。頭皮全体は乾燥しているのか、ウロコのようにゴワゴワで、指でこするとフケのようにパラパラと落ちてきます。
三宅先生は「ただの脂漏性湿疹」とのことで、ウレパールローションを頭皮にも塗ってと言っていますが、かなり痒がっているので、何か他に対策はないかと思い、コメントいたしました。
これは本当に脂漏性湿疹なのでしょうか? かゆみを抑えて、頭皮をきれいにしてあげる方法はないでしょうか?
イソジン消毒やモクタールはこの様な状態に効果がありますでしょうか?
頭はたまにAKの石鹸で洗う程度にしていますが、脂漏性湿疹であれば、頻繁にシャンプーした方がいいのでしょうか?
どうケアしたらいいか悩んでいます。
お忙しいと思いますが、アドバイス頂けると幸いです。
よろしくお願いします。

by はらみ (2011-01-17 21:22) 

Luxel

>ぴーふけ様

早速のメール、ありがとうございました!
相変わらずの早いレスポンス、見習わなくては。。。汗

ふっくんの脱ステ期間、早く終わるといいですね。
私もぴーふけさまのブログ更新、楽しみにしています。

ステロイドは使用年数が長ければ、それだけリバウンド期間も長いのですが、大人の、酷い人にくらべれば全然軽いです。(成人で脱ステで皮膚炎が悪化した人は「のたうちまわるのような、地獄の苦しみ」と言います。)ぴーふけさんが、ふっくんが子どものうちに気づいて脱ステに進まれたのはたいへん賢明だと思います。脱ステは年齢が低ければ低いほど、使用年数が少なければ少ないほど(相対的に)楽です。(楽とは思えないかもしれないけど。)数ヶ月から1年超くらいかかるかも、と思いますが、どうぞ頑張って、でも気長にケアしてあげてください。

これからもブログ、楽しみにしています。
「脱ステの社会学」是非、試論お願いします!

それでは今後ともどうぞよろしくお願いします。
by Luxel (2011-01-18 19:04) 

tomo

Luxelさん、メールありがとうございました。

家にあったニゾラールを塗って見たところ
かさぶたがはがれました!
今は、頭皮が赤いですが、かさぶたにはならずにカサカサしている状況です。
特にかゆがっているわけではありません。

これで数日様子を見て、谷口医院が診療している日に診せに行きたいと思います。

どうもありがとうございました(#^.^#)
by tomo (2011-01-21 19:37) 

natsu

はじめまして。
アトピーと診断された4カ月の次女をもつ母です。

Luxelさんのブログにめぐりあえて、どう治療に向き合って行けばよいか考えこんでいましたがスキンケア&保湿で乗り切ろうと決意できました。

長女とは8歳差で久しぶりの育児と母乳育児(長女の時は1ヶ月半で完ミとなり出にくい体質)で最初の二ヶ月は母乳を出す努力で精一杯でした。
長女は乳児湿疹は出たもののすぐになおり、アトピーとは無縁。
母乳が原因と思い検索してたどりつきました。

次女は一旦治まった乳児湿疹が二ヶ月をすぎたころよりひどくなり足、胸、背中へとひろがり近所の小児科の紹介で大学病院に行きアトピーと診断されました。
その際たいした説明もなくⅡ類のネリゾナとヒルドイドソフトを処方され、再診など経過えおみせることもいわれませんでした。


それまでステロイドを使用していなかったのに安易に使ってしまいました。

うすーく3回顔と体の目立つところへ。。。劇的に効きこわくなり使用三日やめたらぐもとにもどり、再び2回塗ってしまいました。

そこでおかしいと思って近所の小児アレルギー科を受診したところ、先生が固まって乳幼児には普通は処方しないと。ステロイドが効くか試しにⅣ類アルメタ(Ⅲ類に近いと説明され)とプロペトをぐじゅぐじゅだった顔の一部分に二回。効果はもちろんありました。


ステロイド使用前はアズノール軟膏とヒルドイドソフトと白色ワセリンでしのいでいたのに後悔ばかり。

その後にこちらのブログにめぐり合いステロイドを塗るのやめ、入浴法とスキンケアと保湿にはげんで三日目です。


体の赤いぶつぶつは我慢できるのですが顔の頬のぐじゅぐじゅは心がおれます。イソジン消毒もチャレンジします。


朝が一番ひどいのですが、夜の乾燥対策はどのようになさってますか?


また近所にステロイドを使用しない病院一覧の病院がありそこを受診しますが大人にはプロトピックを処方するようで…
受診しましたら治療内容を報告させていただきます!


はじめてのメールで長文しつれいしました。
今後もよろしくお願いします。




by natsu (2011-01-27 10:09) 

なお

こんにちは。先日はアドバイスありがとうございます。
あれからluxcelさんにメールしたのですが届いていますでしょうか?


リストの中のステロイドを使わない病院が通える場所にあり、今まで三度受診しました。


細菌検査の結果、黄色ブドウ球菌がみつかり、今はテラマイシン軟膏(かいて液がでた時に)と亜鉛華軟膏(かゆみがある時)亜鉛華デンプンを外用に、内服としてフラビタンシロップとアリメジンシロップが出ています。
少しかく回数も減ったかな!?と思っています。

今は亜鉛華軟膏(軽くかいている時)かテラマイシン軟膏(ちょっとかきむしったかなという時)かなのですが、テラマイシン軟膏の前に、モクタールを使うのは有効でしょうか?こちらのブログでも度々でてくるお薬で気になっていました。
もちろん、合う、合わないがあるとは思いますが…。

お時間がある時で構いませんので、参考までにアドバイスをお願いしますm(__)m


by なお (2011-01-30 11:06) 

なお

スイマセン。luxelさんの名前のスペルを間違えていました。失礼しましたm(__)m

参考までに、息子の湿疹の出ている場所ですが、両足のすねと、両ひじの周辺でひじが一番痒いようです。腹や背中にも少し赤みのあるざらざらした湿疹があります。
by なお (2011-01-30 11:17) 

Luxel

>はなさかばあさん様

お返事たいへん遅くなりまして申し訳ありません。
先月、今月と半端じゃない忙しさ、というのと
今来てもらってるのが義母、という訳で
あまりおおっぴらに家でPCをたたいているのがはばかられ・・・ というより、実母の時よりはどうしたって家事が増えるので、ほとんど本業+家事以外の事ができないでいます。(実母にはいろいろ押し付ける、もとい、頼めることも、義母となるとそうはいかず。。。f(- -;)

さて、お子さんですが、程度は分かりませんが、アレルギー体質はやはりあるようですね。プリックテストが陰性でも皮膚に遅い反応が出ることはあります。

うちもアレルギー体質なので、こういう子はどんなにスキンケアを心がけたって、体の内側に湿疹の原因があるので湿疹がでてきてしまいます。(もちろん湿疹のケアは必要です。ステロイド以外で、化膿を防いだり炎症を抑えめにしたりすることをめざしましょう。)

ただし、かなりアレルギー体質が強い子でも3歳までには湿疹は治まります。アレルギー体質でも、たいていの子が2歳まで、は難しくても2歳から3歳のうちには皮膚はおさまります。ただし、これはステロイドを使用しなかった場合。(使用していれば、この期限は延びるでしょう。)

離乳食はお医者さんの指示どおり、卵のみ除去、でよいと思います。ちなみに我が家も、タンパク質は鯛かスズキ、少量の豚肉、たまにウサギ肉、と非常に品目は限られています。が、成長曲線を書いてみると正常の範囲にゆうゆう収まっていますので、除去による栄養不良の心配は全くしていません。お子さんの体重・身長を計って母子手帳のグラフに書き込んでみてください。正常の範囲内であれば安心できるでしょうし、そうでなければ医師か開業の助産師さんなどに相談してみてください。

大豆がご心配なら1歳2ヶ月頃まで控えてもいいと思います。まだ(というのも、我が家で11ヶ月頃に食べさせ始めた鮭やジャガイモに感作してIgEが出てしまいましたので。)まだ一度しか食べさせていないのなら、何度か食べさせて間違いないか確認すると良いでしょう。皮膚の症状が明らかに悪くなる、あるいは引っ掻き動作をするようになったのなら、大豆は除去した方が良いと思いますが、はっきり分からない?というような状態であれこれ先回りして除去することはおすすめしていません。IgEによる早い反応とは違い、遅い反応の原因を特定するのは難しいですので、食物日誌をつけ、1週間程度食べない期間を作った後に再度食べさせてみて、皮膚の変化を見ます。それを何度か繰り返して判定します。(ただ、乳幼児の場合、もとの皮膚の状態が悪いと判然としないことも多いので、これで分からなかったからと言って、がっかりしないでくださいね。よくあることです。)

アレルギー体質の子が、あるタンパク抗原に対して感作してアレルギー症状がひどくなってしまうか、それとも経口免疫寛容にもちこめるか、は賭けのような側面があります。この部分の研究は進んでいないのです。したがって、私自身が今、検査しながら試行錯誤している最中で、はっきり「こうしたら良い」ということができません。また、キュ〜君の検査や負荷試験の結果次第で、我が家の方針も変わっていきます。まだ、他人様に「こうしたら良い」と言えるほどのものではなく、「私だったら、こうします」という程度のアドバイスですので、縛られないで参考程度に聞いてくださいね。

by Luxel (2011-02-07 00:08) 

Luxel

>natsuさま

>はらみ様

お返事たいへん遅くなって申し訳ありません。m(_ _)m

4ヶ月の今の時期、使える保湿剤はワセリンくらいかもしれません。
お風呂に入れるときには塩素を中和してみてくださいね。(vitamin Cの粉末でできる、とのことなので、我が家でもやっています。塩素を中和してどの程度改善するかは分かりませんが、塩素を放っておくよりは中和した方が肌には良いはずです。

ステロイドを使わない病院のリストにある医師でも、時代によって方針が変わったり、こちらから何も言わなければ標準治療をする医師もいます。こちらから「ステロイドもプロトピックも、極力使いたくない。」と言って、先生の反応を見てください。もし万一、勝手にステロイドを塗られそうになったら、はっきり「ちょっとまってください。塗るかどうか、考えて決めたいので、今は塗らないでください。」と断って撤収し、今後は行かないようにしてください。このくらいの気構えで、受診なさってください。

脱ステロイドを標榜する医師でも、ステロイド依存の患者以外にはステロイドを使う、という医師は結構います。また、私自身も成人の患者さんにステロイドを使うな、とは言えません。(子どもの乳児湿疹とはすでに機序が違うので。)

子どもへのステロイドは特に慎重であるべき、と私は考えています。アレルギー体質がありそうな場合には、なおさらです。
by Luxel (2011-02-07 04:47) 

Luxel

>桃ママさま

お返事遅くなって申し訳ありません。
この一ヶ月ほど、かつてなく仕事も家事を多忙を極めました故、
皆様へのお返事がたいへん遅くなってしまいました。m(_ _)m

「乳児湿疹」を突き詰めて考えている医師は非常に少ないでしょう。
「アレルギー体質」の科学的な実体が明らかにされつつあるのはここ15年ほどです。医学部の教育は免疫学の第一線の研究にまだまだ追いついていない、と思います。
免疫学の視点でみても、「乳児湿疹」はまだまだ解明できた、とはとても言えないのですから、ましてや過去に教育を受けた医師の多くはその奥深い生物現象の機序など想像できない人がほとんどでは、と思います。ましてや、ステロイドというホルモンの長期影響の予測など、ほとんどしていない、と思われるのです。

乳幼児湿疹は複雑な免疫系と小児の体、両方の発達の途上でのみ見られる現象で、いわゆる成人の「アレルギー」とは別ものとして考えた方が良い現象です。(と私は解釈しています。)免疫と身体の発達のアンバランス、とでもいえばわかりやすいでしょうか。。。

ただ、アレルギー体質であっても、遅くとも3歳までには湿疹は自然治癒します。ただし、ステロイドを使った期間が長ければ、この期限は延びる傾向にあるように思います。(個人的経験と、多数の伝聞情報から。)

うちの下の子は、プチ断乳でほとんど完治しつつも、私自身が「母乳の感染予防能を放棄するデメリット」と「夜中のミルク作りによる睡眠不足のデメリット」のため、母乳の量を減らしつつも継続することにしました。幸か不幸か5月頃にかかったリンゴ病のおかげで皮膚は「ほぼ完治」といえる状態にまで回復し、その後の感染症のたびに少々の悪化や改善を繰り返しつつも、全体としては去年より遥かに良い状態をキープしています。私自身の除去も卵以外は解除しています。(「軽減法」継続中のもとに。)子ども自身の除去食は、生後11ヶ月頃に摂取開始した食物(鮭、じゃがいも)に新たに感作し、日に日にカユミが強くなっていったために(=ひっかきがひどくなった)、除去することにし、除去品目は増えています。このまま少なくとも2才までこのままの除去を継続する予定で、保育園にも医師の指示書を提出して、栄養士さんの多大なる協力のもと、除去を実行中です。

こんなかんじでご参考になりますでしょうか?
by Luxel (2011-02-07 04:49) 

はらみ

お忙しいなか、コメントありがとうございます。
現在、ステロイドを使わない三宅先生に見ていただいているので、病院については他の方がリストをご覧になる際の参考になれば、と思い書かせていただきました。
ご相談したかったのは、頭皮の湿疹についてだったのですが、アドバイス頂くのは難しいでしょうか?
ご多忙の折、たびたび申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
by はらみ (2011-02-08 15:17) 

Luxel

>はらみ様

すみません、質問を取り違えてましたね。
いわゆる「脂漏性湿疹」で間違いないと思います。
赤ちゃんの場合、大人のそれとは原因が異なるようです。
大人ですと原因はマラセチア菌(常在真菌)であることがほとんですが、赤ちゃんはこれが原因菌とは限らないようです。

脂漏性湿疹が見られるのが生後1〜5ヶ月くらいなら、赤ちゃんの生理として普通ですし、痒がらないことがほとんどなので放っておいても大丈夫なのですが、お子さんんが7ヶ月、ということと、かゆみが強いということですので、以下の方法を試してみては、と思います。

まずは手持ちに抗真菌剤があるようなら(ニゾラール、ラミシールなど)それを使います。市販で同名の薬もありますので、それを購入しても良いでしょう。(複数の商品がありますが、余計な薬が配合されていない方をお勧めします。)リクエストできるような雰囲気なら三宅先生にリクエストしてしてみてください。

もし抗真菌剤をお持ちでないなら、手持ちの処方の抗生物質の軟膏を塗ってみてください。ゲンタシン、アクアチム、なんでもかまいません。複数を重ね塗りして構いません。多い方がいいです。その方がテスト期間が短くてすみます。(※市販の抗生物質軟膏は使わないでください。混ぜ物がいろいろ入っているものが多いです。)

もし細菌が原因ならだいたい3日ほどで改善の兆候がみられるはずです。一週間塗って改善しなければ、やはり次は抗真菌剤を入手して、これまた1週間くらい試してみてください。試す順序はどちらが先でも構いません。抗生物質軟膏も抗真菌剤も1週間以上試す必要はありません。どちらでも改善しなかった場合は、すみませんが再度ご連絡ください。


どうぞ頑張ってください。(^ ^)p
by Luxel (2011-02-08 17:53) 

たっくんくん

おひさしぶりです。

先ほど長い愚痴メールをいたしました。
御迷惑でなければ、ご覧いただければ幸いです。
by たっくんくん (2011-02-08 18:10) 

たっくんくん

度々失礼いたします。

1月28日に朝日新聞社会面に母乳とアトピーについて記事が出ていたらしいです。

ご存知かと思いますがご連絡まで。

うちは母乳を控え目にしましたら、改善がみられましたが・・・どうなんでしょうね?
by たっくんくん (2011-02-14 08:15) 

natsu

Luxel 様

返信ありがとうございました。
大変遅くなりましたがこちらの経過報告を。

ステロイドを使用しない都内23区内の病院(我が家から徒歩15分)へいってきました。上の娘の時にアザと擦り傷の時お世話になり、非常に混雑してましたが、今回は閑散としてました。
たしかに、ステロイドは処方せず、消毒薬(エタノール)と非ステロイド剤多数、保湿剤多数処方してくれました。
先生いわく「悪い毒素を出し切るまで(3歳ころ)湿疹は出る。何も治療しないで自然治癒が一番」と。
ただ処方してくれた薬を塗布してもらったのですが、2種類の薬を厚く塗りガーゼで保護し、家に帰ると被れてしまい悪化。連絡すると自分で薬選んで合うのを使ってと。。。
ここの病院はお勧めできませんが、非ステロイド薬は好きなものをいえば処方してくれそうです。

その後いくつか近所の皮膚科に行きましたがやはりステロイドばかり。
一つの皮膚科ではいきなり処置室で先生に塗られてしまい、呆然。。。

その後はちょっと遠いのですが、三宅小児科へ行き「アトピー宣告」され、今後ますますアレルゲンが増えるよ。三歳くらいまで気長にと。
じくじくしてはいなかったですが、消毒液つきコットンとスタデルム軟膏と亜鉛化軟膏混合薬を処方され、保湿はしない、毎日入浴ということでした。
最初から脱保湿方針のようですが、人によって保湿剤を処方されたりされなかったり。
私としてはLuxel さんの入浴法と保湿をしたいのですが、今のところ悪化してしまったのを取り戻すため、できていないのです。
両方ためしてみてご報告します。

またアトピー・アレルギー軽減方法も試してみたいのです。

お忙しい中、相談にのってくださりありがとうございました。

by natsu (2011-02-24 15:57) 

タエ子

私は薬剤師をしており、現在8カ月の娘がおります。
自身も軽度のアトピーがあり、ステロイドやプロトピックを使っておりました。(プロトピックは今ももたまに使っております)
娘もアトピー気味です。
ステロイドやプロトピックは使い方を間違わなければ良いお薬です。
もちろん根治療法ではなく、あくまでた対症療法です。
ステロイドやプロトピックで症状をコントロールし、アトピーと上手に付き合っていく事は生活の質に大きく関わる事だと思います。
治療のガイドラインは有識者が科学的根拠を持って作成しています。
ステロイドは斬減療法といって、徐々に減らしていき、症状が良くなればステロイド以外の抗炎症薬やワセリン等の保湿剤に切り替えます。急に止めるとリバウンドします。
薬剤師からもそのような服薬指導をしっかり行うべきですね。
by タエ子 (2011-03-10 10:23) 

Luxel

>たっくんくん様

遅いお返事ですみません。m(_ _)m
新聞記事知らせてくださってありがとうございました。
いずれこのブログの記事としてコメントさせていただきますね。
(まぁ、新聞記者の理解不足による誤報なのですが。それとも千葉大側のミスリード?)

by Luxel (2011-03-26 07:07) 

Luxel

>なお様

コメントのお返事、順番飛び越えてしまってごめんなさい。m(_ _)m
忙しくなる直前でしたので、たぶん、見落としてしまったのだと思います。本当にすみませんでした。

お尋ねの

>今は亜鉛華軟膏(軽くかいている時)かテラマイシン軟膏(ちょっとかきむしったかなという時)かなのですが、テラマイシン軟膏の前に、モクタールを使うのは有効でしょうか?こちらのブログでも度々でてくるお薬で気になっていました。
もちろん、合う、合わないがあるとは思いますが…。

とのことですが、モクタールで乾燥する、という方が多いので、先にテラマイシン、その上にモクタールで良いと思います。モクタールは粒子が粗いので、その上に上塗りした軟膏をブロックしてしまうかもしれない、と考えるためです。(大勢に影響は少ないと思いますが。)

モクタールも、あまり長期に連続して使うとかぶれてしまうことがありますので、私は連続使用は5日くらいまでにしています。あとは亜鉛華軟膏に切り替えます。亜鉛華軟膏の方がかぶれる確率は少ないです。ただ、どちらもステロイドのようなホルモン作用はありませんので、かぶれる、とは言ってもそれほど心配はありません。

ちなみに
モクタールは痒みを鎮める効果の他に、抗菌作用もあります。
亜鉛華軟膏にも、モクタールほどではありませんが、痒みを鎮める効果、皮膚再生を促す効果があります。

どうぞ試してみられてください。

ちなみに亜鉛華軟膏を使う時は、どっぷり京劇俳優のように真っ白く厚塗りするのが効果的です。割とすぐ落ちてしまいますので、一日に何度か塗ってみてください。(でもこの塗り方は家の中でしかできない・・・)
by Luxel (2011-04-16 11:08) 

Luxel

>タエ子さま

もう一ヶ月以上たってしまったので見てらっしゃらないかとは思いますが。。。
ご自身、薬剤師とのことですので、はっきり書かせていただきますね。
残念ながら、コメントを拝見して、私がこのブログで伝えたいことが伝わってないな、と感じました。

>ステロイドやプロトピックは使い方を間違わなければ良いお薬です。

では「正しい使い方」とはどのようなものでしょうか?
タエ子様の言う「正しい使い方」が「ガイドラインの使い方」なら
私はそれに反対します。

>もちろん根治療法ではなく、あくまでた対症療法です。
>ステロイドやプロトピックで症状をコントロールし、アトピーと上手に付き合っていく事は生活の質に大きく関わる事だと思います。

この点はもちろん否定しません。その通りです。
タエ子さんとお子さんはうまくコントロールできており、効果も落ちていないのだろうと推察します。
しかし、実際にはうまくコントロールできている方ばかりではないのです。私のブログはそういった方のためにあります。

>治療のガイドラインは有識者が科学的根拠を持って作成しています。
>ステロイドは斬減療法といって、徐々に減らしていき、症状が良くなればステロイド以外の抗炎症薬やワセリン等の保湿剤に切り替えます。急に止めるとリバウンドします。
>薬剤師からもそのような服薬指導をしっかり行うべきですね。

現役の薬剤師の方なので是非ご理解いただきたいのは、「ガイドラインは万能ではない」という事実です。
ガイドラインはあくまで「現時点でわかっているなかでベストと考えられる方法」を記しているにすぎません。
つまり、ガイドラインは完成したその時から「古くなって」しまうことが運命づけられています。
科学はガイドライン完成後も次々と新しい事実、新しい治療法を明らかにしていきます。それに追いついていくために、ガイドラインは本来、毎年でも改訂していかねばなりません。
アトピーのように「完治しない」疾患ならばなおさらです。

「ガイドラインや教科書は尊重しなくてはならないが、
妄信しないよう気をつけてること。」
私自身は薬学生さんに対してそのように指導しています。

ガイドラインや教科書の知識は、出版時点で既に古くなっています。
(「出版タイムラグ」がある。)
科学は日進月歩です。日々新しい事実が明らかにされていきます。
そして、まだ科学的に証明されていないことはそれ以上にあります。それを一つ一つ明らかにし、ガイドラインをより良いものに変えていくためにはまず、「現行のガイドラインでは良くならない患者がいる」という認識が必要です。

しかし現状は、
ステロイドに対する医療者の誤った思い込み、「ステロイドは無効化しない。」「ステロイドは正しく使えば安全」といった医療者の誤った認識が、ステロイドによる被害者の拡大を招いているのが現状です。ステロイドが無効化して脱ステせざるを得なかった患者さんたちの存在は無視されており、検証の俎上にすら上げてもらってないのが現状です。私のブログはこの「無視されているステロイド無効化のリスクを組み込んだ場合の、最善の治療法とはどんなものか」を、乳幼児に焦点を絞って考えていくことを目的としています。

あなた方親子お二人は運良く「うまくコントロールできている」ケースです。ですが、数%程度でも「ステロイド標準療法に従っても、悪化、無効化する患者がいるのも事実なのです。
薬剤師も含め、医療界はこの人たちを無視して、科学的な検討の俎上にも載せようとはしていません。
数%とはいえ、患者実数としては少なくとも数万人が気がつく/つかないに関わらず、避け得た被害に苦しんでいます。

ちなみに現在記載されている「漸減法」は、ステロイドだけを使っていては不可能です。保湿ケアとの組み合わた時のみ、ステロイドを減らせる確率が増します。しかし成功するとは限りません。

>急に止めるとリバウンドします。
>薬剤師からもそのような服薬指導をしっかり行うべきですね。

既報の「リバウンド現象」には「皮膚に現れるリバウンドとしての湿疹の増悪」の記載は教科書にもガイドラインにもありません。リバウンドの症状とその原因として説明されているのは急性副腎不全による症状、つまり「全身倦怠感、消化症状(腹痛、悪心、嘔吐)、脱水症状、循環器症状(頻脈、低血圧、ショック)、体重減少、意識障害(傾眠から昏睡まで)、痙攣」です。これらの症状全てが揃わないことも少なくありません。それ以外の症状は正式にはリバウンドとして合意がなされていません。(何が既知で何が未知なのか、きちんと正確に理解しておくことは大切です。時には教科書の引用元が間違っていることもあるのです。孫引きの孫引きで世界中で信じられていた「舌のの味覚地図」の100年前の原著論文の結果が誤りであると証明されたのはつい最近のことです。)

しかし医師でさえ「リバウンド」という言葉を安易かつ不正確に使っている現状では、ステロイドを正しく評価し、使いこなすにはほど遠い状況であることがご理解いただけるでしょうか?
ましてや、そしてそれを患者さんに正確に伝えるのがどれほど難しいか、、、、

問題の所在は深く、そして複雑です。
すでにわかっている事実だけで患者を治せる訳ではありません。
臨床の現場のレベルを上げる、というタエ子さんの心意気はたいへん尊いと思います。しかし、それをなすためには科学的に深い理解が欠かせません。医科学は「完全」とはほど遠いのが現状です。発展途上の、限られた知識の中で何が最も真実に近いのか判断を下すためには常に調べ続け、考え続けることが必要です。終わりはありません。それは私自身も同じです。
by Luxel (2011-05-07 20:57) 

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