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"我が家の"経口免疫療法(準備編2)〜治療の流れ&ステロイドをどうするか?〜 [食物アレルギー対策]

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すいません、まだ「じゅんび編2」です。先に「実践編 その1(牛乳と小麦)」を公開してしまいましたので、記事が前後してしまいました。この記事が「Luxel家の経口免疫療法」の骨子です。ぜひお読み願います。

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経口免疫療法に欠かせないエピペンの効果と使い方の説明を、と前回書きましたが
その前に、書いておかなくては、と思ったことがあります。
(エピペンの使い方は次回にまわします。) m(_ _)m
"標準的治療法"(*)と"Luxel家版"の違いです。

*「標準療法」ではなく「標準的治療法」と書いたのは、いわゆるガイドラインが推奨する「標準療法」には経口免疫療法は今のところ入っていないからです。まだ研究段階だから、というのがその理由です。でも実際には巷にはすでに「食べて治す」経口免疫療法を取りいれている医師もたくさんいらっしゃいます。(ギャオとQくんが受診する医師は全部で4人いらっしゃるのですが、全員が(除去だけではなく)それぞれ少しずつ違う「経口免疫療法」を取り入れてらっしゃいます。)

以下に書くことはは"Luxel流"の経口免疫療法において重要なことなので、
必ず理解した上で、ご自身のお子さんをどうするか、決めてください。

"標準的療法"との違いは2つあります。
1つ目は、「準備編1」にも書いたように、
ステロイドを(極力)使わない
という点です。
2つ目は
「アレルゲン食品の食物負荷試験」の時期
について。
この2つはリンクしています。

食物負荷試験とは
①血液検査やプリックテストで割り出したアレルゲン候補食品をあえて食べさせてみて、「本当にアレルギー反応が起きるか」を確かめるとともに、
②一度、アナフィラキシーを起こした食品の許容量がどのくらいか(=どのくらいの量までならまでアナフィラキシーショックが起きないか)を調べるため
に行います。
(ガイドラインにある3つ目の目的:アレルゲン候補食品を食べさせて、皮疹が出るか?については外しました。理由は後述。)

さて、食物負荷試験ですが、
この検査は経口免疫療法においては重要で、エピペンの準備とも絡みます。

現在のところ、医学的に適切な方法として
「負荷試験によってアレルゲンに反応する量を求め」、その量をもとに「安全を十分に見込んだ、反応量よりかなり少ない量から経口免疫療法をはじめる」ということになります。

そして、
食物負荷試験も経口免疫療法も、アレルゲン食品をあえて直接食べさせてみる訳ですから、アナフィラキシーショックを起こす可能性はかなりあります。
少なくとも一度アナフィラキシーショックを起こした食品については、次に食べたとき、相当な確率でアナフィラキシーが起きますし、
「まだ食べたことがなく、アナフィラキシーを起こしていない食品」でもIgEが陽性の食品については、最初に食べたときに、アナフィラキシーを起こす可能性があります。
ですから、アナフィラキシーショックのほぼ唯一の治療薬であるエピペン(中身はアドレナリン)は必携です。

経口負荷試験では「アナフィラキシーはほぼ必発」と考えるべきなので、
エピペンが自宅用に処方されていようが(=体重15kg以上)、いまいが(=15kg未満)、
試験は医師の監督の元で実施される必要があります(※)
医師ならば、いざアナフィラキシーが起きた時にアドレナリン(エピペンの成分と同じ)を注射して確実に対処してくれます。

※ 現実には「誤食」が負荷試験がわりになってしまうことも、ままあります、、、f(- -;) 「人間はミスをする生き物」です。どんなに注意していても、親だって間違います(文字の小さな成分表を見誤る、とか)。起きてしまった誤食は仕方ありませんので、そこから有益な情報(摂取したアレルゲンの量や性状など)をとって次(=治療)に活かすわけで、、、、で、ふと思ったんです。「これって、負荷試験の簡易版じゃないの?」って。 違いは「(アナフィラキシー対策の)準備をしているか/していないか」だけ。 だったら、「準備してトライ」した方がいいですよね?

しかし、「医師の元で負荷試験を」と言っても、Qくんみたいに数十個のアレルゲン候補が血液検査で見つかっている場合、全ての食品について、入院 or 外来で負荷試験をすることは不可能。
それに、「負荷試験→経口免疫療法(緩徐法)」という流れで治療するのは、どうやら3〜5種類のアレルゲンを想定しているようなのです。実際、「(同一人で)どのくらい多種類のアレルゲンを治療できたか」という論文はありません。Luxel家も免疫療法で解除したアレルゲンは「牛乳・小麦・卵」の3つで、4年かかっています。残るは「そば、ナッツ類(ピーナッツ、カシューナッツ、アーモンド、クルミ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ)・・・」と、今でもまだまだたくさんあります。(うち、カシューナッツはアナフィラキシー起してます。orz)いったい何歳までかかるんでしょう、、、?
(準備編1)で見ていただいたQ君の検査結果にある、IgE陽性の食品なんて、いったい何十個あるのか?ってくらいで、「3才から一個一個順番に経口免疫療法やってたんじゃ、間に合わないよぅ〜〜 (T T)」てなもんでした。
なので、「安全だろう」と目される食品から順に、エピペンをされる前でも「見切り発車」で、自宅でトライしていきました。(これはLuxelの独断でやった訳ではありません。誤食が契機になったり、K先生と相談しながら、「次はこの食品を試してみようか?」と相談しながら食べさせていきました。この経緯や判断基準は、別記事に詳しく書きます。)

ちなみに、アレルギー学会のガイドラインにエピペンと食物負荷試験について記載があります。
ガイドラインは日本アレルギー学会のHPから、「食物アレルギー診療ガイドライン 2012年版」がみられます。
http://www.jspaci.jp/jpgfa2012/chap07.html
ぜひ、一度ご覧になってみてください。

<注釈>このガイドラインは日本アレルギー学会に所属する医師(実際には策定委員会などガイドライン制作部の医師)の総意(=合意を得られた内容)の結果としての治療法です。ガイドラインの治療(標準治療)というのは、データがきちんと出た内容のみになるので、経口免疫療法のような先進的な治療はまだ入ってきていません。が、その分、一般的な安全性は担保されています。ただし、食物アレルギーの場合、これまで長いあいだ標準治療=除去療法だったため、「除去は安全。ただし、誤食がない限り。」でした。現在、標準療法とされている「除去」よりも、研究中の経口免疫療法の方が「誤食による危険率は下がり」&「治癒率は上がる」と期待されており、それを証明する研究結果が続々と発表されてきています。なので、すでに一足早く経口免疫療法に取り組んでいる開業医のお医者さんもたくさんいらっしゃいます。こういう取り組みは、往々にして開業の先生方の方が早かったりします。ガイドライン側も、早く経口免疫療法を標準治療に落とし込むために、さらにデータを充実させるとともに、具体的な統一プロトコール作りの検討がなされていくことと思いいます。

その日本アレルギー学会や小児アレルギー学会が提唱するガイドラインの治療法を、
私はそのままには採用しませんでした。その理由は2つ。
ひとつには、上に書いたように、「アレルゲン除去よりも経口免疫療法の方が、根治を期待できること。すくなくとも誤食のリスクを下げることができる」と見込めること。
そして、もう一つは、
(上記のサイトの「診断と検査」の章を見ていただければわかると思いますが、)
ガイドライン治療は実質、ステロイド外用が必須となっているからです。

ガイドラインは、「アレルゲン候補食品を食べさせて、皮膚の症状の有無を見て診断できるように、
食物負荷試験の前に、まずはステロイドで皮膚をきれいにしてから来なさい」ということ言っているのです。

食物アレルギーの子はアトピー性皮膚炎を非常に高い割合で併発しています。特に乳幼時期の併発率は高く、9割という報告もあります。これでは「スキンケアをしてきれいに」ということは、「ステロイドを使ってでも、きれいに」ということを意味します。
実際の乳幼児の湿疹は、保湿や、このブログでご紹介している入浴調節法だけで
治癒する子もいます(ご報告をくださったママさん方、ありがとうございます!)
軽症のお子さんには、保湿と入浴調節だけで湿疹がなくなってもおかしくありません。
でも、中等度〜重症のお子さんは、保湿と入浴調節、それに消毒法(イソジン)だけでは
湿疹は治癒しないと思います。(逆に言うと、ステロイド以外の方法で治らなければ、中等度か重症だと考えて差し支えありません。イソジン消毒は感染などによって悪化させないために行います。)
このような子たちの皮膚を「0才できれいにしましょう」「1才できれいいしましょう」というのならば、ステロイドを使う以外に方法はありません。
(中等度ならば2才のあいだに、重症のお子さんは3才のあいだに治る、といった感じです。詳しくは後述。)

負荷試験準備のためのステロイドについては、Luxelも少々悩みました。

食物除去の必要があるのか、本当に食べられない食品はどれなのか知りたい。
負荷試験は受けたい。
でもギャオで痛い目をみたステロイドをQくんに使うことはしたくない。

乳児湿疹や乳幼児アトピーの治療にステロイドを使うとなると、かなり長期(=年単位)に渡り塗ることになるので、私の中に「アトピーを治すために、積極的に塗る」という選択肢はもうありません。
でも、
「負荷試験のために」期間限定で塗るか、塗らないか?
これは悩ましかったです。(悪魔の誘惑?)

「試験のために、数週間のあいだだけ塗る?塗らない?」

うーーーーん、、、、

ステロイドは使えば使うほど、Th2型の免疫(=アレルギーの一翼を担う免疫応答)を助長してしまう性質があります。(動物実験では、これはほぼ確実)
なので、「食物アレルギーを治す目的で検査のために使った」ら、「かえってアレルギーをひどくしてしまった」という可能性もあるわけで、、、、

それに、血液検査で検出されたIgE陽性のアレルゲンは1個や2個ではなく、たくさんありました。
なので、「負荷試験のために、皮膚をきれいに」と言われると、
「1つのアレルゲン候補の負荷試験」が終わったら次、それが終わったらまた次、、、となってしまい、「ステロイドずっと塗布」と同じになってしまう。。。。これではなんのために今までステロイドを使わず頑張ってきたのかわかりません。

で、結局、試験だけのためにステロイドを塗ってまでして皮膚をきれいにするのは、やめました
ちなみにガイドラインでは、「経口負荷試験は○才までにやれ」という指示はありません。、
ならば、「試験の時期を遅くして、試験のときに皮膚がキレイになっていれば、問題ない訳よね ♪」と結論。

それに、『アトピーが治っていない』ということは、『この子の体の中では、まだ Th2型・アレルギー型の炎症が治まっていない=アレルギー型の免疫が優勢』ということを意味しているのだから、下手にアレルゲンを食べさせるとかえってアレルギーがひどくなる可能性がある。
と考えました。(⇦あくまで「可能性」であって「実際に、危険かどうか」はわからないです。データないし。)
それに「どうせ15kgを超えないとエピペンを処方してもらえないのだから、 それまでは小児アレルギー専門医のところで食物負荷試験をしてもらう必要はまだない」
と判断しました。(判断後については、後で述べます)

ちなみに、アトピー/湿疹が出ていない、食物アレルギーだけのお子さんは普通に小児科に行って、負荷試験を受け、食べさせて治す方針の先生を選べばいいのです。現在、すでに経口免疫療法を治療に取り入れてる先生は結構大勢いらっしゃると思います。

でも、今、このブログを見に来られている方はQ君同様、お子さんにアトピーがある方ですよね?
(それにプラス、食物アレルギーが判明してどうしたら良いか困っている方)

みなさん、(ステロイドを使わない)アトピーの主治医はなんとか見つけられている、と仮定ますが、
「食物アレルギーを、ステロイド外用剤は使わずに、少しずつ食べさせて治」してくれる医師の数は非常に少ないと思います。(というか、皆無に近いのでは。。。。f(- -;)

たいていは「治すのはステロイドを使って皮膚を綺麗にしてからだね。じゃないと判定ができないから」と言われてしまいます。
でも、実際にはステロイドを長く使ってしまうと アトピーが治るのが遅くなってしまう。。。二律背反。

アレルギー専門医の先生方は、おもに成人のアトピー患者に起きている「ステロイドの依存性と断薬時のリバウンド」については全くご存知ありません。アレルギー学会のトップ層の方はっきり否定してらっしゃいます。その理由は皮膚科学会が否定しているからで、アレルギー学会はそれに追随しています。この2つの学会両方に入っている医師はかなりの数います。「皮膚科学会の判断」が「アレルギー学会の判断」として引用されることに不思議はありません。(むしろこの2つの学会の判断が異なったら、大きな論争になると思います。)
皮膚科学会は1990年代にステロイド裁判が起こった際に、原因を究明するのでなく、問題自体を黙殺しました。そのときの経緯が、今現在の「ステロイド薬害」の被害者と言える患者さんたちのことを不自然に無視する学会の態度につながっているように思います。
食物アレルギーを診る医師は大きくわけて、小児科医アレルギー専門医の2つです。(ここがアトピーと違います。小児アトピーを診るのは小児科医、アレルギー専門医、そして皮膚科医です。)小児科もアレルギー専門医も、成人に多いステロイド依存やステロイド皮膚症を見る機会は皆無と言っていいでしょう。彼らの眼中に、ステロイド外用剤の依存や超長期使用の副作用は入っていません。というのは、子供が成長して小児科の対象年齢(0〜15才)をはずれると、病院に来なくなるからです。フォローできなくなったその後の結果まで、彼らは責任を負えるでしょうか・・・?

ちなみに、ステロイド外用剤を44週間以上使用した場合の影響についての研究は、存在しません。未知数です。私は自分の目で見た我が子や弟のアトピーの経過と、他の小児・成人患者さんの脱ステしたときの話を総合して、「小児期のステロイドは成長後の皮膚に不可逆的な影響を与えるのでは、、、?」と考えています。脱ステ医によれば、「ステロイドに耐性を示し、脱ステを余儀なくされるのはおそらく患者のうち1割程度」とのこと。でも、私の弟のように「脱ステまではいっていないが、自分で工夫してステロイドの使用量を減らしている=治ってはいない」という人は「かなりいる」と思います。弟は中高大学生〜就職したばかりの時期(つまり15年間くらい)は痒みでたいへんそうでした。(中高生のときは毎日のようにステロイドを塗ってた。私は手の届かない背中塗り係でした。苦笑)
でも、(当時)三十路なかばの彼に「最近どう?」と聞いたら、「ステロイドはあんまりよくなかった。結局、どれだけ塗っても、またすぐアトピーでるし。今はステロイド以外でいろいろ生活の工夫(石鹸とか入浴とか)をしてる。そうすると、ステロイドの使用量はかなり減るし、肌の調子もいい。年に2、3回はステロイド使うけどね。」とのことでした。それでも彼曰く「僕の肌は、絶対、普通じゃないと思う。ちょっとした刺激や変化で、かゆみがぶり返してしまう」。ステロイドを塗ったからそんな過敏な皮膚になったのだ、と証明することはできない。アトピーでステロイドを使わずにきた成人患者は皆無。でも、多くの脱ステを試みた患者さんは、そう思っています。

<この件に関して、非常に参考になる成人アトピーの当事者の方のブログをご紹介します。>
http://atopysan.hatenablog.com/entry/2016/04/30/%E7%9A%AE%E8%86%9A%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6
この方のブログを読んで、私はものすごく感銘をうけました。 その簡潔かつ的を射た文章、そして美麗で詳細なサイト!なにより参考文献をきちんと明示しておられます。(私はけっこう端折りぎみでして、、、反省です。)
論理的・科学的な考証、という点においては、以前にご紹介した安藤直子さんのサイトと双璧だと思います。Luxelの考えはこの方の考えともほぼ同じです。というか、分子生物学を学んだ人間の見解は、一致せざるをえないのだと思います。これ以外の結論を、私は思いつきません。
私は我が子のアトピーで脱ステを、この方は自身の成人アトピーで脱ステを実践なさった方で、違いといえば「小児か成人か」です。でも、同じような現象を経験し、同じような結論に達しました。

話をもとの食物アレルギーにもどして、
「では、ステロイド外用薬を使わずに、負荷試験を受けるには、どうしたら?」
ですよね。。。。両者を両立させるためには
検査の「時期」が大事になってきます。

「ステロイドを使わなければ、ほとんどのお子さんのアトピー/湿疹は3歳までにほぼ治ります」
このことは脱ステロイドを支援する医師のお一人が持ってらっしゃるデータに端的に表れていました。(←講演会で拝見した、荒削りなデータで、このデータ一つだけで論文にするのは難しい、と感じましたが、非常に価値のあるデータだと思いました。n=300程度だったと記憶。まぁまぁな数です。)

そのデータを見ると、(全員とはいいませんが)8割弱くらいのお子さんは3歳の誕生日までに、残りの2割も3歳台でほとんど治るのです。(これは講演をメモした私のノートに記載の数字です。たぶん、それほど間違ってはないと思います。)
そして、そのデータはステロイド使用群/不使用群でどちらが早く治癒するか?の比較もしていました。
なんと。
ステロイド不使用群の方が、半年から1年ほど早く、使用群よりも早く治癒していたのです!
(逆に言うと、ステロイドを使っていても半年〜1年ほど遅れて治癒する、とも言えますが、、、
私としては「そうかな?」と思っています。「そうではなかった」人間(弟)が身内にいて、我が子(ギャオ)や知人の息子さんの経験などから考えて、「ステロイドを使っても、全員治るわけじゃない。」そのよう思えるのです。)

私にはこの結果は当然のことと思えました。

ギャオのときの経験があったからです。
ギャオは2歳前にステロイドを中止して、治癒するのに4年間(=6歳まで)かかりました。
これに対し、不使用のQ君は1歳半手前で治癒しました。
(サンプル数としては各群「n=1」なので何も言えないレベルですが、上記のデータには沿った結果です。)

もちろん、このデータはこの先生の病院に訪れた子のデータですから、治療開始年齢はまちまちで、前医の治療がどうだったか、どの程度のステロイドをどのくらいの期間使っていたか、など、細かく群わけされていたわけではありません。なので「荒っぽい=そのまま論文に載せられるレベルではない」と評価しました。
 でも、そのデータの示す傾向は真実だろう、と私は自身の経験に照らし合わせて評価しました。

ちなみにこのデータから、「どうしても、ステロイド無しじゃムリ!耐えられない!」というお母さんは、ステロイドを使われても。その判断は誤りではありません。だって、「ステロイドを使用しても、半年〜1年遅れてアトピーは治る」わけですから。「ステロイド使って、いったん湿疹を治した方がメリットがある」とお母さんがすれば、それは「間違い」ではないのです。
(乳児湿疹がひどい子は、そりゃもー酷いですから。。。このあたり、一概に「ダメ!ステロイドは!」とは私には言えませんし)
大事なのは、デメリット/メリットがあること、まだまだステロイドにはわからない部分があることをを知った上で「使う」。そして使ったことを「忘れない」ことだと思います。人間は、その時点でわかっていることだけで判断せざるを得ない、「その時点での最善」で判断するしかない生き物なのですから、、、。

最近、アトピーの「経皮感作」モデルが医師の間で流行してますね。
「だから、ステロイドを使って、皮膚のバリアを閉じなければ、アレルゲンに感作するよ」「喘息や食物アレルギーになっちゃよ」と医師は親を説得します。
でもそれは「嘘」です。それは「医師の予測」にすぎません。
なぜ「嘘」かというと、そんな研究結果は存在しないからなのです。
「ステロイドを使って、湿疹を治し、皮膚バリアを閉じてやれば、食物アレルギーや喘息にならない」ことを指し示すデータは、存在しません。
アトピーの子で「生まれてからずっとステロイドを使わない子」と「これまでステロイドを使ってきた子」で比較をしなくてはならないからです。前者はその数が極めて少ない(←Qくんは、珍しい「その一人」です。笑)。それゆえに、臨床試験が成立しない。

そもそも「経皮感作」説自体、「あれは、一種の流行だよ」とその医師自身が言っています。「新しいこと(=経皮感作モデル)を提唱すれば研究費が降りやすいから」だそうです。けっして「新しい発見」=真実、ではないのです。「新しい発見」イコール「比重論的に、重要」であることを意味しません。(新聞報道とか、よくこのあたりを誤解して報道してます。)
つまり
「経皮感作はおこるかもしれない。でも、それが大きな原因、というわけではない」ということです。おそらく経皮感作がアトピーの悪化の原因ではありません。(とLuxelは考えています。)
なぜならば。
「ハウスダスト=クラス6(=IgE振り切れ!)」のギャオが「アトピーだ」と傍目にわかるのは1年のうち3週間くらい。ちょうど今の時期です。逆にいえば、一年のほとんどは、アトピーだと見た目にはわからない程度。本人曰く「少し痒いときもあるけど、がまんできない痒さじゃないし。」とのこと。搔きむしることが年に1、2回ありますが、その程度です。亜鉛華軟膏かモクタールの残りを塗ると、1週間くらい良くなります。
「経費感作がアトピーや食物アレルギーの主因じゃないと思う」については、また別の記事を用意します。乞うご期待!)

上記の医師のデータが正しいとして、
ステロイドを(極力)使わずに乳児湿疹をやりすごすと、3歳ごろまでには治癒する。
エピペンを処方してもらえるのが丁度このくらいの年齢です。(体重15kg)

アトピーが治れば、負荷試験をするためにわざわざステロイドを塗らなくてもよくなります。
それに「アトピーが治った」ということは「アレルギー体質が軽快した」ということであり、これ以降、新たに経口投与した物質(食物)に感作したり、すでに感作している食品へのアレルギーをひどくする確率はかなり低くなっているはずです。(←Luxel予想ですが。)

※このあたり、つまり、「皮膚の状態と体内の免疫の状態」については
最近かなり論文が出てきていて、Luxelの予想「皮膚は免疫の窓(=免疫の状態をモニターできる)」は当たっていました。(^ ^)v

簡単にいうと、
Th2型のサイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13)は皮膚のバリア機能を弱める(皮膚を薄くするわけではなく、隙間があく=皮脂分泌⇩、細胞接着分子⇩)ことにより、アトピーをひどくします。
そのTh2型サイトカインはどの細胞が出すか、というと、Th2細胞だけでなく、好酸球、好塩基球、ILC2s(2型自然リンパ球; innate lymphoid cells, group 2)などです。
障害された角化細胞(にかぎらず上皮系の細胞)は"警告分子(alarmin)"としてIL-25やIL-33、それにTSLPを即座に放出し、上記の細胞にTh2型サイトカインを放出させます。
そのほかにも角化細胞はIL-33を受けて、TARCというTh2細胞を呼び寄せる分子を出し、、、

というふうに、2型炎症=アレルギー炎症が次々と拡大していき、アトピーを酷くしていってしまう、という悪循環があることがわかっています。
(ただし、それがいつまで続くか、というとIL-33は腸管においては制御性T細胞というアレルギーを抑える働きをする細胞を増やす機能があることが、最近報告されています。これが真実であるならば、「アレルギーは自然治癒傾向を持つ」ということになります。これは小児食物アレルギーの現実と符合します。)

逆にいえば、体内の免疫バランスのシーソーが、Th2側から他の方(Th1側とかTreg側)へと傾くと、乳幼児のアトピー性皮膚炎(infantile eczema, atopic eczema)は治るわけです。(⇦注、皮膚は治るけど、アレルギー体質自体が治ったわけではない。)

それと、経口免疫療法を「いつ始めるべきか」については臨床研究者の間でも模索中です。
逆に言えば、いつでもいいわけで、
Luxelは「3歳でも遅くない」と判断しました。

つまり
「3歳まではステロイドを(極力)使わずにアトピーが治るのを待って、 皮膚が治ってから食物負荷試験を行い、本格的に食物アレルギーの治療(経口免疫療法)を始める」
これならステロイドを使わずにすみます。
3歳というのは丁度、(おそらく)免疫学的な体質が変わる時期でもあるし、15kgに達してエピペンの処方が可能になる時期でもあります。

とはいえ、「3歳まで何もしない」というのは時間がもったいない。
何故かというと、「経口免疫療法(OIT)」には年齢制限があるかもしれないのです。
OIT(SOTI)急速法の大家・栗原先生によれば、入院しておこなう急速法の適応年齢は5・6才とのことです。
急速法でアナフィラキシーを起こすと、子供にとって苦痛が大きく、その食品が恐怖の対象となり嫌いになってしまい、治療継続ができなくなってしまいます。そこを言いきかせて理性で乗り越てもらわねばならないので、言って聞かせることができる5、6才になって、やっと治療に取り組めるそうです。

一方、成人になるとT細胞をつくる(正確には「教育する」)胸腺が萎縮して機能を失うとされています。つまり、胸腺からの新しいT細胞の供給はほとんど止まってしまいます。それまで体内にいなかった「アレルギーを抑えるタイプのT細胞」を新たに誘導する」というのができなくなります。おそらく。
何歳まで経口免疫療法が有効かを示すデータは多くはないのですが、上記ガイドラインのサイトのデータを見ればわかるとおり、アナフィラキシーの頻度や食物アレルギーの有病率からは、6歳を超えると食物アレルギーはかなり(自然には)治りづらくなってしまいます。(もちろん、成人にも経口免疫療法は有効かもしれないのですが、データが少ないので確たることはいえない、というのと、若干の論文から小児期よりは治癒しにくいと私は推定しています。)

上記のことを考えると、経口免疫療法で確実な治癒を目指すためは、開始は遅すぎない方がいい。

しかし、早すぎてもアレルギーを強める結果になるかもしれません。
上記にも書きましたが、アトピーが出ている子のほとんど(9割がた)がアレルギー体質なのです。
([↑] 保湿や入浴法でとことん皮脂を温存した上で、それでもアトピーが出ているならアレルギー体質である可能性が高い。血液検査すれば、アレルギー体質かどうか、一目瞭然です。ぜひ血液検査をお勧めします。)

少なくとも0才台はアナフィラキシーを起こしやすい時期ですので、「リスクのある食品は除去」し、
1才台はアトピーの治り具合を勘案して、リスクの小さい食品から離乳食として摂取にトライするのがいい、とLuxelは考えています。(消化管の専門家の先生によれば、「腸管が発達して、細胞と細胞の隙間が閉じるのは1才頃」とのことです。)

※もし1歳台になっても「アトピーがますます酷くなる」なら、すでに食べている食品がアトピーを引き起こしている可能性はあります。その時は「もしかしたらこの食品が、、、?」と疑っている食品を1〜2週間程度除去してもかまいません(卒乳している前提で。)
でも「アトピーが治癒傾向にある」「アナフィラキシーや腹痛、喘鳴がおこらない」ならば、今食べている食品はアレルゲンではありませんので、どうぞ気にせず食べさせてください。

医師の中には「検査しなくてよい。アトピーが出ていても、何も気にする必要はない。生後4ヶ月から離乳食でまんべんなく食べさせなさい」という方針の人もいます。でもこれではアナフィラキシーは防げないと思うのです。上記の医師の指導に従うのと、「検査をせず、0歳で食べさせたら、いきなりアナフィラキシーを起こして驚いた!」というケースって同じですよね?だったら、お医者さんにかかってる意味ないのでは?と思います。

とりあえず、超早期=生後4ヶ月〜0歳台でのIgE陽性のアレルゲン食品の摂取がオーケイかどうか(アナフィラキシーやアレルギーを起こさないか)は、「賭け」の要素が高くなる、と思います。
リスクの高いアレルゲン食品に対する本格的な経口免疫療法(緩徐法←自宅で行う)の開始は、エピペンを処方してもらえる3才前後(=体重15kg超え)から、とするのが安全、と考えます。

まとめると、
本格的な経口免疫療法は、3才から6才が最適」ということになります。
アトピーが治るのを待って(一部はまだアトピーが残っている年齢のうちから、早めに)、OITを計画的に、遅滞なく実施しなくてはなりません。

したがって、Luxel家版の対策はこうなります。

○ 血液検査を離乳食開始前の生後6ヶ月前半に実施。
(別に生後5ヶ月でもいいのですが、あまりに早い(3ヶ月とか)と、まだ抗体が少なく、検出可能な量に達していない可能性がある)

○ 結果が出るのをまって、離乳食の開始。(生後6ヶ月後半)
保育園に入園したので、これはもう仕方ありませんでした。(結果的に悪いことはありませんでしたが。)

○ 離乳食前の検査結果でIgEが陽性のものは(クラス1でも)いったん除去。
 それまで完全母乳でしたが、牛乳が陽性だったので、最初からミルクをアレルギー対応ミルクに変更。
(我が家は明治ミルフィーでした。今は森永も同じようなのを出してますね。それでも下痢をしたり吐いたり、ゼイゼイ言う子はもっと牛乳タンパクのサイズを小さくした特殊な医療用ミルクを使います。)

 でもたぶん、アレルゲン除去の離乳食に切り替えてもアトピーが治らない子の方が多いでしょう。アトピー、すなわちアレルギー性の乳児湿疹は生後1ヶ月ー3ヶ月頃から出始め、ピークは0才後半?1才前半までくらいです。(ステロイドを使わなければ。このピークをどう乗り越えるか、については記事をあらためます。)だいたいですが、早い時期に出始める子ほどアトピーとしては重症になります。

○ 母乳育児のお子さんでアトピーがひどい場合は断乳も視野にいれる。
 (Luxelのように、「お試し断乳」をしてもいいかもしれません。搾乳が大変ですが、、、メデラ社の自動搾乳器がオススメです。←情報古いかも。もっといい機種が出てるかも。)
 お母さんにアレルギー疾患がある場合には、断乳が有効な確率は高い、と予想しています。(今、アレルギー症状が出てるお母さんの場合は特に。)

 これはLuxelの勝手な予測ではなく、母乳育児とアレルギーの専門家である下条直樹先生(千葉大医学部)のご見解でもあります。(学会でお目にかかりました。)

○ 腸管の隙間が閉じる、とされる1才を超えたら、「 IgE陽性のため除去」とした食品のうち、
最もクラスの低いもの(=相対的にクラスの低いもの)から順に少しずつ食べさせて、増量していき安全を確認する。(=簡易な負荷試験、という意味合いもある。)
同じくらいのクラス(抗体量)ならば、使用頻度の高い食品を優先する。その方が調理の幅が広がって楽に。
もし不幸にしてアナフィラキシーが起きてしまったら、その食品は「除去」となります。(永久に、ではないのでご安心を。)
特に、「IgE陽性食品が1〜3個くらいしかない」状態なら、アナフィラキシーリスクはむしろ高い。こういうお子さんは、やはり3歳になるのをまって入院 or 外来で負荷試験を受けた方が良いと思います。

○リスクの高いアレルゲン食品(アナフィラキシーをすでに起こした食品 or IgE値が高い食品)については、アトピーが治ってから、ちゃんと「食物負荷試験(@外来 or 入院)」を受けて、許容量を確定してから経口免疫療法を初めてください。(結果的に負荷試験は3歳前後になると思います。)

サラっと書きましたが、この「相対的にクラスの低いIgE陽性食品」を最初に食べさせるときも、十分注意してください。エピペンが手元にない訳ですから、アナフィラキシーが起こったら非常に危険です。
一番安心なのはもちろん入院して試すことですが、入院負荷試験は通常、
(1)IgEのクラスが高い食品を試す場合、

(2) 一度アナフィラキシーを起こした食品を再トライするとき
に実施されることがほとんどなのです。

ですから、「初回から入院してトライ」というのはまずできません。
(それに、食物アレルギーの入院負荷試験を実施する病院は、皮膚に関しては確実に「標準療法」つまりステロイドを使います。使わないと入院を認めてくれません。)
かかりつけ医によっては「食品を持ってきて、病院の待ち合いで試していいですよ。」と言ってくれる先生もいます。それならぜひ、来院してトライさせてもらってください。

このあたりの、「アトピーが治る前に、IgE陽性食品をトライするか/しないか、どの食品からトライするか?」については別記事にします。(すみません、根性きれました。。。)
引き続きお待ちください。m(_ _)m 



=================================
<おまけ>
「乳幼児アトピーは3歳までに治る」というデータを出した医師の属する医師グループ(脱ステをサポートしてきた医師の方々)が最近、論文をまとめました。まだ雑誌に受理前の論文のデータのようです。(参考文献が挙げられているところをみると、投稿中なのでは? 論文のacceptまでは何年もかかることもあります。特にこれまでの常識を覆す論文にはその傾向があります。ですから先にデータを公開してくださったのでしょう。)ちなみに「ステロイド不使用」群とは「まったくステロイドを使用しなかった人」ではなく、「6ヶ月のみ使用を禁じた」群です。(試験開始前までは使っていた)

参考サイト1
http://steroid-withdrawal.weebly.com/1247312486125251245212489124342035129992123751239412356124501248812500125402461530382331782881412398320763694235519266191239832080265242257721578.html
参考サイト2(1の論文のわかりやすい解説です。atopysan様宅サイト)
http://atopysan.hatenablog.com/entry/2016/05/16/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%92%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%B5%8C%E9%81%8E


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aishaゆこ

今日は。初めてお便りします。

10歳の娘と2歳の息子がいます。
ほぼ完母で育て、私自身がアトピー&ステロイドで育ちました。

娘と息子は私が自分の食事をひたすら気遣い、離乳食を遅くしたためか、目立ったアトピーアレルギーは今のところありません。

息子は乳児期は私がマヨネーズでも大好きなチーズをとっただけでも不機嫌になったり、実際右目上まぶたが赤く腫れたりしたため、離乳食を始めるタイミングをものすごく迷っていました。
経口免疫寛容VS腸管の未成熟と言ったところで何度も何度も開始時期迷いました。結局上の子の経験に加えてLuxelさんの記事を何度も何度も読み返し、あげることが出来なかったというのが本音ですが、10ヶ月頃からの開始となりました。

今回Luxelさんが離乳食の開始期の方針を変えられたので、息子の遅らせたのが良かったのかどうかわかりませんが、Luxelさんに出会えて治療の現状を知り、ステロイド未使用で今まで来れたことに感謝は尽きません。

読解力が及ばず、理解不十分のところもありますが、これからも更新楽しみにしています。




by aishaゆこ (2016-07-15 22:44) 

aishaゆこ

今回の記事、特に「ステロイドを使わない群のほうが早く治癒する」という結果も衝撃的でした。
私自身の弱さを嘆きたくなりますが、いまさら誰かを恨んでも無意味ですね。

Luxelさん、Qくん、ギャオさん、皆様のご健勝をお祈りしております。

by aishaゆこ (2016-07-15 22:57) 

Luxel

>aishaゆこ 様

コメントありがとうございます!
すみません、離乳食の時期、実は私も迷いがあり、あまりはっきり明言できなかったのです。

というのは、自分でもそうだったんですけど、
6ヶ月くらいになると、完母、キツイんですよね。。。自分がそうでした。
母体が消耗する。。。栄養失調を招きそうで、「○月まで」とはっきり明言することができなかったのです。

おそらく人間の自然な離乳時期ってこのくらいだと思います。
食事にも興味を示しだしますし。
歯も生え始める。

ただ、そのあたりはフレキシブルなはずで
食料の少ない環境だと、完母で乗り切るでしょうし。
上下の前歯が生えそろうあたりが、動物だと離乳の時期となります。
人間だと10ヶ月くらい。(←たぶんマウスも痛くて授乳やめてる節が。。。笑)

なので、aishaゆこさんの「生後10ヶ月」あたりでよかったと思います。

ステロイドの件、日本ではなかなか前にすすみません。「弱い」だなんて、とんでもないですよ!?ご自身の経験を糧に、お子さんのために、こんな最果てのブログに来ていただいて、私の読みにくいブログを読んでまでして、勉強して、子育てに生かして、「ステロイドなし」を達成してらっしゃるではないですか。十分にお強いと思います。(私はたまたま知識があったにすぎません。)

私も、がんばってアトピー&アレルギーシリーズ更新しますね。

(今はちょっと「日本〜 シリーズ」に手が割かれていますが。。。こちらも子供にとって大事な情報、と思ってアップしてます。どうぞお読みいただけると嬉しいです。→もし違和感あるな〜、という点がありましたら、どうぞご指摘ください!そうやってはじめて記事もbrush upされますので。。。)


by Luxel (2016-07-18 01:13) 

こまつ

はじめまして。このブログに出会えたこと以上にインターネットに感謝したことはありません!5ヶ月になる娘が、4ヶ月頃からアトピーらしい症状が出ており小児科に行ったところ乾燥からくる湿疹ということでステロイドを処方されました。私なりに納得する答えが見つかるまでステロイドの使用は止めようと思い色々調べていました。そこで、こちらのブログに出会い読ませていただいています。アトピーについてはさまざまな情報が氾濫している中、正しい情報を見つけた!と思い読めば読むほど目から鱗でした!現在、不安に思うことがありLuxelさんに保湿についてアドバイス頂きたいと思いコメントさせていただきました。

《今の娘状態》
●肘の内側 → 1ヶ月前から湿り気のある赤みが発生。何度か皮が剥け、徐々に赤みが少なくなってきた(強い皮膚になってきたかも?)
●胸と背中 → 赤み、かゆみがありザラザラ。
●お風呂 → 1ヶ月前からぬるめのお湯をかけるのみ(新生児の頃から石鹸を使い、長風呂させてしまい皮脂が落ちたのが原因の一つだと思います)

※肘の内側、胸と背中以外に赤みはありません。赤みのない乾燥はところどころに少しあります。

《保湿》
お風呂から上がってお湯がついている状態で手作りローションを肘の内側と胸と背中に塗る。
成分:精製水、植物性グリセリン、にがり、ジャーマンカモミール(痒みを抑えるアロマオイル)

《合わなかった保湿剤》
ヒルドイド、ワセリン、スクワランオイル、アロベビーミルクローション→ 赤み、かゆみが出てすぐ中止

今までの経緯はこのような感じです。ここ1ヶ月、手作りローションを1日に4.5回塗っているのですが肌の状態が良くも悪くもなりません。たまに、赤みと痒みが増すこともありますが念入りに保湿をすると収まります。ただ、ザラザラは治らず以前のような正常な肌に戻らないのでこれから本当に良くなるか心配です。今のまま続けて良いのか。。。お時間のある時で構いませんのでアドバイスいただけませんでしょうか?また、今の段階で肘の内側と胸と背中のみですが顔なども同じようになる可能性はあると思いますか?長々と申し訳ありませんm(__)m
by こまつ (2016-07-29 21:28) 

Luxel

>こまつ様

こんにちは、当ブログを読んでくださってありがとうございます。
そして、ごめんなさい、個別相談には今はのっていないんです。
医師ではない私が、患部もみないで何か言うことはお子さんにとって危険を伴うので、、、

ただ、生後5ヶ月で上記のご様子だと、けして酷い方ではないと思います。(軽傷)
手作りローションとはどのようなものでしょうか。化粧品によくつかわれているアルコール類は厳禁です。(皮脂を奪います。)
保湿に関してはこららの記事をごらんください。基本的にほとんど変わっていません。
http://sibelius.blog.so-net.ne.jp/2009-03-04

肘の内側が赤いお子さんはアレルギー体質が疑われるので、それを把握するためにも来月くらい血液でアレルギー検査を受けてみるといいと思います。(「帰省先の皮膚科でアトピーかアレルギー体質っぽいから調べてみて、と言われた」などと小児科で伝えると、だいたいの先生はしぶしぶでも測ってくれると思います。こころよく測ってくれたなら、めっけものの先生です♪)

生後6ヶ月なら医師はおそらく7大食物アレルゲンあたりをいくつか項目でオーダーすると思いますが、注目すべきは「血中の総IgE濃度(RAST検査の値)」です。もし数値の見方や解釈がよくわからなかったら、またどうぞこちらでおたずねください。

正直、今でも0歳の赤ちゃん全員がスベスベ肌で一年間を過ごさせるのはムりだ、と思っています。ステロイドを使わない限りは、それは期待しない方がいいと。お子さんの場合は今より悪化してジュクジュクの湿疹がでてくるような気配がない限りはそれほど心配はいらないと思いますよ。

これはまだ記事にはしていないのですが、クリーム系の保湿剤が合わないお子さんにはシアバターのような油脂系の保湿剤が良いのでは、と思います。(うちの子はコレが今のところベストです。)アフリカの、シアバターがとれる地域の土着の人たちは、赤ちゃんが生まれてすぐからシアバターを塗りまくる習俗を持っています。アトピーの発生率も著しく低く、都市部でしか発症がない。(衛生的でもないし、お風呂もないから、免疫が早く発達するのかもしれませんが。)気候の違う日本でも同じように使えるかどうかはわかりませんが、とりあえず100%シアバターを少量購入してみて、関節内側や乾燥している部位に使ってみてはどうかな、と思います。そこにつけて大丈夫で、効果があるようなら、胸と背中に塗ってみてはいかがでしょうか。(←あくまで"提案"です。すみませんが、自己責任にてご判断ください。)

赤ちゃんの皮膚トラブルでうっかりステロイドを使わないために大事なのは「試行錯誤」です。これまでもしっかり、いろいろトライされてきているのはすごく良いと思います。0歳の間、めげずにあれこれ試してみてくださいね。(^ ^)/
by Luxel (2016-07-31 12:46) 

こまつ

ご丁寧なお返事、ありがとうございます!!
とても参考になりました!!昨日、今迄で一番ひどく悪化してしまい真っ赤+湿疹が出てしまいました。おそらく、蒸し暑い中ベビーカーで外を移動して汗をかいたまま放置してしまったのが原因だと思います。その後、手作りローション(アルコールは入れていません。成分は前のコメントに書かせていただいています^^)をたっぷり何度も塗ったら少しずつマシになってきました。やはり娘には合っているようです。そして、ジュクジュクの湿疹が出てくるような気配がない限りはそれほど心配いらない。というLuxelさんの言葉にとても救われました。幸い娘は今のところジュクジュクしている所はないので、1歳くらいまでキレイになってくれればいいかな。と長い目で見ていきたいと思います。

家の近くの小児科がアレルギー専門の小児科なので、離乳食前にアレルギー検査してきたいと思います。血中の総IgE濃度についても先生に聞いてみます!

シアバター、買ってみました!肘の内側に塗ると多少赤く反応しているようだったのでまずは赤くなっていない足などと乾燥している所から様子をみていきたいと思います。ありがとうございます!!

つい、効き目があるステロイドが頭をよぎってしまう時がありますがそんな時はこちらのブログを読ませていただき「試行錯誤」で頑張っていきたいと思います^^

暖かいお言葉、本当にありがとうございました。離乳食の進め方も参考にさせていただきます!これからもブログ、楽しみにしています。


by こまつ (2016-08-02 12:45) 

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