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どうしてステロイドは良くないのか? [アトピー余談]

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という、根本的な疑問をお持ちの方も多いと思います。

ステロイドを処方する医師はこぞって言います。「もうずっと使われてて、安全な薬だから」と。
薬剤師、助産士、ときには使って運良く治った患者までこぞって、医者の発信する日本国内の情報だけを鵜呑みに、他人に使うことをすすめます。

でも、本当に安全なの・・・?

皆さん、そう思うからこそ、このブログを見ていることと思います。

私が分析した、「ステロイドが乳児湿疹・乳幼児アトピーに良くない理由」を4点上げます。

(1)ステロイドのもつ2つの落とし穴
 1. 日本の医師の盲点「tachyphylaxis(効果減弱現象)」
 2. ステロイドのもつ「目隠し効果」
  a. 湿疹が治ったように見えるので、原因を放置し、湿疹を余計ひどくしてしまう。(抗炎症効果による)
  b. 免疫を抑えるので、感染に弱くなる。(免疫抑制効果による)
(2)長期使用(10年単位)の安全性が確立していない。未発見の副作用がある可能性がある。
  ステロイド依存性皮膚炎Red burning skin syndrome by corticosteroid addiction and its withdrawal)
(3)医師がうまく使いこなすのが難しい。
(4)患者(の親)が使いこなすのが難しい。


以下、詳しい解説です。学術的に正確を期するよう心がけたため、多少分かりにくいかもしれません。
どの辺がわかりにくいか、コメントくださると助かります。わかりやすくなるよう改訂版、解説版を検討させていただきます。

(1)ステロイドの2つの落とし穴

 1. 日本の医師の盲点「tachyphylaxis(効果減弱現象)」

 子どもの湿疹がステロイドをつけてもつけても治らなくなり、慌てて病院に駆け込むと、もう一段強いステロイドを処方される・・・・これは恐ろしいステロイド依存への階段の第一歩です。ですが、日本ではよくある光景です。うちのギャオのときもそうでした。luxelが「ステロイドが効かなくなった!」と告げると、最初から4番目の医師まではこう言いました。「そんなはずはない」と。でも実は、この現象は海外ではすでに良く知られている現象なのです。「tachyphylaxis」急性耐性 or 効果減弱現象、つまり、ステロイドを使い続けているうちに効き目が落ちてくるように見える現象です。細胞が、自前のホルモンより遥かに強いステロイドの存在に慣れて、反応が次第に弱くなってくるのです。ステロイドの血管収縮作用が連続使用により減弱することが報告されています。この作用だけが減弱し、免疫細胞抑制作用などの他の作用は減弱しない、と考える根拠は何もありません。この「tachyphylaxis」という言葉は、海外のガイドラインには普通に使われています。どうして日本の医師はこんなに知らない人が多いのでしょう?(ときに薬剤師も。)特にニュージーランドのガイドラインはしつこい程、このtachyphylaxisに注意を喚起しています。

http://dermnetnz.org/dermatitis/treatment.html

「ステロイドは数週間の連用によりその効果を失う。」と。さらに「この現象は、ステロイドの強さを減らしたり、使用の頻度を落とすことにより避けられる。」とも書いてあります。(実際には、私はこういう使用法は難しいと感じましたが。)ですが、日本の医師は、ただ単にステロイドの強さを上げて対処することがほとんどのように思います。なぜなら、ステロイドの強さを落としたり使用頻度を下げるためには、医師がステロイド以外の湿疹の苦痛の軽減方法を知らねばなりません。日本の大半の医師がこの「ステロイド以外の方法」をほとんど知らず、いたずらにステロイドの強さを上げ続けて、患者を「ステロイドが効かなくなる、ステロイド依存の状態」へと追い立てている、と言っても過言ではないと思います。いずれにせよ海外では、「ステロイドの数週間以上の連用は勧められない」とし、アトピーのような慢性の病気に使い続けるのに適した薬ではない、という認識が主流です。

一般の方が見る米国のサイトにも記述が。
http://dermatology.about.com/cs/medications/g/tachyphylaxis.htm
こちらのサイトでは副作用の記述のトップに tachyphylaxis が来てますね。
http://dermatology.about.com/cs/medications/a/steroideffects.htm

この言葉がほとんど知られてない日本とはエライ違いです・・・。

 2.ステロイドの2つの「目隠し効果」

  a. 湿疹が治ったように見せかけて、原因を放置し、湿疹を余計ひどくしてしまう。(抗炎症効果による)

 ステロイドには炎症を消し去る効果があります(抗炎症効果)。湿疹による炎症も抑えます。その仕組みは、ほぼ全ての種類の免疫細胞に「サイトカイン」「ケモカイン」を作らせなくする効果です。これらの物質は他の細胞を活性化させたり、他の細胞に情報を伝えたりする情報伝達物質であり、免疫細胞が遺伝子を読み起こして作るタンパク質なのです。ステロイドはこの「サイトカイン」「ケモカイン」の遺伝子を読み起こすのに必要な「遺伝子の転写因子」の邪魔をして、これらの物質を作らせなくするのです。その結果、免疫応答が強く抑えられてしまうのです。特に炎症において重要な役割を果たす好中球、マクロファージという免疫細胞が抑えられてしまうことの影響は重大です。好中球やマクロファージは細菌と戦って、これを貪食してやっつける大切な細胞です。これらの免疫細胞が活性化して集まってきて出す様々なサイトカインによって、血管が拡張して皮膚が赤くなったり(これは、さらに免疫細胞の援軍を血管から、皮膚に呼び込むためなのです)、細菌をやっつける為に出す活性酸素のために自分の皮膚組織もある程度破壊され、痒みや痛みが起きたりします。これが炎症です。でも炎症は細菌(や真菌やウィルス)をやっつけるのに必要な反応なのです。ステロイドは好中球やマクロファージのこういった大切な働きを抑えつけてしまうのです。つまり、これらの細胞が細菌と戦うことを強制的にやめさせる訳で、戦いに伴って起こる炎症や痒みや痛みを起こすのもやめさえることができるのです。その結果、人の目には炎症が消え、湿疹が治ったように見えます。これがステロイドの「目隠し効果」なのです。

ですが、その結果どうなるか、というと・・・・・
①化膿菌(細菌、真菌、ウィルスなど)をやっつけられない。そいつらは、まだまだその場所(湿疹のあった皮膚)にいて、戦う相手(=免疫細胞)がステロイドによって押さえつけられている間、元気に増殖します。そして・・・ステロイドの効果が切れたときには、以前よりもっと増えているため、余計にたくさんの免疫細胞が集まってきます。これが、湿疹が再燃し余計に酷くなったように見えることの実態です。

②ステロイドをつけると湿疹や炎症が無くなったように見えるので、そこで治療をやめてしまう。その結果、湿疹を起こしている本当の原因(=皮脂欠乏による乾燥や、細菌の付着による化膿、など。)がとりのぞかれないままになり、ステロイドの効果が切れたとき、湿疹が再発する。つまり、ステロイドにより、根本的な治療がなされず、放っておかれるケースが多いのです。
 ただしこのケースなどは、医師がちょっと注意すれば、ステロイドが効いている間に根本原因を取り除く保湿や消毒などの治療をすればいいのですが、ステロイドだけを処方する医師が現実には何と多いことか!そういう処方の医師の多さにただもうあきれるばかりです。

  b. 免疫を抑えるので、感染に弱くなる。(免疫抑制効果による)

 ステロイドの長期使用により、好中球・マクロファージなどの自然免疫だけでなく、T細胞やB細胞による獲得免疫が抑えられっぱなしになるので、感染に対し無防備になります。
 皮膚の免疫がずっと抑えられているので、皮膚感染(=化膿)が起こりやすくなります。往々にして、アトピー性皮膚炎の患者は年単位でステロイドを処方されます。でも、そんな処方に疑問をもたないのは日本だけなのです・・・他の先進国でステロイドを長期連用することは、慎重に避けられています。(欧米のアトピーの方と話してみると分かります。)日本で重症のアトピー患者が増えていることの原因は、ステロイドの長期使用なのではないか、とluxelは推測しています。ステロイドを使えば使うほど、免疫が抑えられ、皮膚構造が変化し(=皮膚が薄くなります)、感染に極めて弱い状況を作り出しているのです。

ステロイドを一瞬だけ使い、湿疹の原因を取り除いてしまえるなら、ステロイドの害もそう心配するものでもないのかもしれません。でも、そういう名人芸を持つ医師にはluxelは生憎、会ったことがありません。そういうすばらしい腕を持つ医師をご存知の方、是非、教えてください!


(2)長期使用(10年以上)の安全性が確立していない。未発見の副作用がある可能性がある。

 医者はこぞって言います。「ステロイドはきちんと使えば怖い薬ではない。」と。使ったことのある子の親も言います。「塗らないと長引くし、子どもにも可哀想だ」と。もちろん医師はステロイドに副作用があることはちゃんと知っています。でも、彼等が知っているのは、皮膚科学の教科書に載っている、目立つ副作用だけなのです。医師は「今分かっている副作用が全てだ」だから、「教科書にある副作用さえ注意すれば、副作用を避けて使用することは可能だ」と思い込んでいるのではないでしょうか。
<ステロイド外用剤の副作用>http://www.osk.3web.ne.jp/~medinet/steroid2.html
でも、実は、ここに列挙されていない副作用は「未知」なのです。当然ならら、教科書は既知の知識しか載せません。副作用がここに記されているものだけである保証はどこにもないのです。

 実は外用ステロイド剤の安全性、特に長期の安全性は確立されていないのです。長期の使用で「副作用がない」ということを証明した研究はない、ということです。「今のところは見つかっていない」に過ぎません。何故かと言えば、誰も大規模な長期のフォローアップ研究を行っていないからです。莫大なお金と時間がかかります。
別にステロイドに限らず、数十年に渡るフォローアップ研究というのはなかなかありません。

 脱ステロイドを行う医師が使うことの多い「ステロイド依存性皮膚炎(ステロイド皮膚症)」という言葉があります。患者側で言う「脱ステのリバウンド」です。ステロイドをやめた途端にでることの多い、浸出液を伴う凄まじい皮膚炎のことです。この皮膚炎を観察した医師たちは、この皮膚炎の皮疹の出る場所に順番があると言います。医師がどんなに抗生物質などの感染対策を施しても消えないことから、無菌性であろうと推測されています。他にもこの凄まじい皮膚炎がステロイドそのものせいであることを間接的に示唆する論文があるのですが、ステロイド皮膚炎の患者は化膿を含む湿疹の患者よりも、血中のNO(一酸化窒素)の濃度が高いのです。NOは血管を拡張させる物質で、血管内皮細胞が出します。このデータから何が言えるかというと、自然界でおこる化膿などの感染現象ではありえない程の強い血管拡張現象が、ステロイド(を中止した)せいで起きている、ということです。血管が拡張すると皮膚が赤く見えます。これが "red burning skin"(リバウンド中の、異常な赤さの皮膚)の正体です。

これに関連して「ステロイド依存(性皮膚)」という考え方があります。「ステロイド支持派」の医師は「そんなものはない」と言いますが、ステロイド離脱時の症状をつぶさに見ている医師達は「ある、と思う」と言います。Luxelは、彼等の観察や、細胞学的な考え方からも「依存性はある」と思います。観察したことのある医師の記述からまとめると、こういう経過をたどります。

ステロイドを塗っておらず、湿疹がある状態

   ↓
ステロイドが効いて、湿疹がでない状態 = ステロイドなしには皮膚を正常に保てない「ステロイド依存状態」

   ↓
ステロイドを塗っても、湿疹が消えなくなる。

   ↓
脱ステロイド(患者はステロイドの離脱に踏切り、一時湿疹が悪化する。)


なぜ途中からステロイドが効かなくなるかは「tachyphylaxis」で説明可能ですが、離脱時になぜ劇症化するのかはそれでは説明できません。ここから先はちょっとややこしくなりますが、Luxelの想像はこうです。皮膚や免疫の細胞がステロイドへの反応が鈍くなって見えるとき、その1個の細胞の中のではおそらく次のようなことが起こっています。ステロイドは脂溶性で、細胞膜をそのまま通過します。ステロイドの受容体は副腎皮質でつくられるグルココルチコイド(GC)というホルモンとの受容体と同じもので、これは細胞の中にあるタンパク質の一つです。ステロイドからのシグナルを弱めるためには、「このGC受容体の発現量をぐっと減少させる」あるいは「GC受容体のシグナルを遺伝子発現にまで伝達する途中の分子の発現(もしくは機能)をぐっと減少させる」ことによって対処します。そのためには、これらの発現を抑える機能をもつ別の分子が大量に発現しているはずなのです。ほとんどのホルモンでもそうですが、細胞内外にはホルモンシグナルの過剰を補正するためのネガティブフィードバック回路が存在します。その回路の全貌はまだほとんど明かになっていません。ともかく人間の体が生産するグルココルチコイドよりも遥かに強い人工ステロイドが、遥かに大量に存在するような状況下では、細胞の中のシグナル伝達物質のバランス(存在比率)も相当に変化していることは想像に難く有りません。それが一挙にステロイドを抜いた場合・・・・無理なバランスを保っている細胞内の分子状況は大きくゆさぶられます。まず、副腎が産生しているグルココルチコイドのシグナルの大きさは通常よりはるかに小さくなります。どういうことか、というと、皮膚局所だけで「副腎不全」が現れるのです。ということは、通常は体内のグルココルチコイドが抑えている細胞の機能が一挙に噴出することになります。免疫系の細胞は通常、炎症で出すようなサイトカイン類を一気に出して、そこに細菌などの敵がいないにも関わらず、ひどい炎症を作り出します。皮膚の細胞もおそらく炎症型(=非常事態型)に変化します。これが浸出液がでているような皮膚の状態です。これがステロイド離脱時の劇症型の皮膚炎のおおまかな仕組みです。つまり、ステロイド離脱以前は、強力なステロイドが常に豊富に存在する環境に、細胞もなんとか適応していたのです。しかも、しばらくするとtachyphylaxisを起こし、ステロイドの濃度は変わらなくても、実質的なシグナル量としては少なくなっていきますから、どんどんステロイドを強力なものに変えシグナルの不足を補ってやらなくては元のレベルに達しないのです。この状態を「ステロイド依存」と表現するのは妥当だと思います。アルコール中毒患者はどんどん酒量を増やさずには居られないのですが、それによく似ています。ステロイド依存を表す英語は「Steroid Addiction (ステロイド嗜癖)」と言います。その状態で、急にステロイドがなくなってしまうと、細胞も一気に不適応状態に陥る(=禁断症状がでる)訳で、これがステロイド皮膚炎なのですが、しばらくステロイドを抜いていると、ステロイドが少ない状態(=体内のグルココルチコイドしかない状態)に細胞も慣れてきて、症状が落ち着くのです。

 もう一つの懸念は、思春期頃の湿疹の再発が劇症化する可能性です。私はこれがギャオに起こるのを恐れています。
 アトピーにおけるステロイドの問題に携わる医師たち(俗に「脱ステ医」と呼ばれますが)は口々に言います。
「幼少時にステロイド使用歴のある患者の多くが小学生になった頃いったん治るが、思春期以降の好再発年齢で再発した場合、どうもステロイドの効果が出にくく、普通の医師には治療しにくいようだ」と。
このデータは私自身は見た事がありませんが、現場に携わる先生方の臨床経験が言わせているのだと思います。現場の医師のこういった勘はとても大切なものです。少なくとも「患者の皮膚に、何か,変な事がおこっている」のは確かでしょう。
一般的治療(=ステロイド治療)を行う大学病院のHPにも次のように掻かれています。
「思春期・成年期はアトピー性皮膚炎が悪化しやすい時期です。乳児期や幼小児期にいったん治った患者さんが思春期以降に再発するケースもよくみられます。発疹は顔面、上胸部、上背部、肘窩など上半身に強くあらわれる傾向があり、特に顔面はいわゆる「アトピー性皮膚炎の赤ら顔」などと呼ばれます。一般に再発例は治りにくいといわれています。」
http://www.kyudai-derm.org/atopy/body/03_2.html

(幼少時にステロイドを全くしようしなかった、という日本人も珍しいのでは。
それほど日本ではステロイドはバンバン処方されてますからね・・・無医村とかじゃないといないのでは、そんな人。)

現に強い外用ステロイドの長期使用でひどい副作用(顔が溶ける、と表現するほどの)のために裁判になった事例は存在します。現存する外用ステロイドでも十分深刻な副作用が出るような処方をする医師がいる、ということです。その責任が医師側にあることは明確です。

さらに、まだ未発見の副作用の存在を示す研究成果もあります。
「たった3日のステロイド塗布で、角質細胞のセラミドの産生量が減少し、皮膚の透過性が増し、integrity(=皮膚の丈夫さ)が減少する」のだそうです。これが長期間続くとどういった症状となって現れるか、興味深いところです。

さらに長期の、不可逆的な影響を伺わせる現象への言及もあります。
幼少時に一度ステロイドを使って治ったアトピー性皮膚炎の思春期・成人期での再発例が増えている、と皮膚科医自身が述べています。再発例は治りにくい、と大学のHPにもあります。
<参考>
九州大学皮膚科のアトピー性皮膚炎のHP
くろさか小児科アレルギー科のHP
・吉沢皮膚科のHP(すみません、リンクフリーではないので。)

神経細胞などでよくいわれるような不可逆的な変生が、合成ステロイドホルモンで起きない、という保証は何もありません。一度でもホルモンを浴びると細胞の性質が変わってしまうことは、生物ではよくあることで、このことは何も不思議な現象ではありません。例えば、思春期の性ホルモンシャワーにより第二次成長を遂げること自体、生物としても細胞としても不可逆的な変化です。2度と子どもの体には戻れないのですから。医師はみな、生物学を大学で習得しているはずです。それに私たち母親も、2度目のホルモンの効き方が違うことをしばしば経験します。俗な例えかもしれませんが、2人目の子を妊娠した経験のある方は、子宮の大きくなるスピードや、おっぱいが大きくなる時期が、一人目より数ヶ月は早いことに気づいていると思います。(luxelは一人目のギャオの時は大きめのブラなんか買う必要なかったのに、2人目妊娠中の今はもうすでに授乳サイズのブラです。f(- -;) )
 つまり、2度目にホルモンのシャワーを浴びる時、細胞は一回目とは違う反応をする、反応しやすくなる、ということです。しかも、数年経っても細胞は「ホルモンを浴びた」ことを記憶していたことになります。でも逆も当然あると想像できます。ステロイドという強すぎる人工ホルモンを一度浴びた細胞は、2度目には反応しにくい性質に変わっている・・・そんな変化をしていてもおかしくありません。治癒から数年経った再発例でステロイドが効きにくいのは、そんなことが起こっているせいではないか・・・? 「肌の記憶」とDr.Kligmanは例えましたが、きっと細胞は「ホルモンの記憶」を持っている・・・luxelにはそのように思えるのです。


(3)医師がうまく使いこなすのが難しい。

現実に、日本の医師たちのほとんどは、産科や小児科はもちろん、皮膚科医であっても、外用ステロイドをうまく使いこなせていません。
ステロイドをうまく使いこなそう、と思えば
(1)ステロイドの2つの落とし穴
 1. 「tachyphylaxis(効果減弱現象)」
 2. ステロイドのもつ「目隠し効果」
  a. 湿疹が治ったように見せかけて、原因を放置し、湿疹を余計ひどくしてしまう。
  b. 免疫を抑えるので、感染に弱くなる。
をよく理解し、さらに
(2)長期使用の危険性を避けるために、
極力、使用量と使用期間を短くしようとするでしょう。
ですが、ステロイドに目隠し効果ある、と理解しつつ、見えなくなった湿疹の原因を診断し、適切な処置を施すのは神業ではないでしょうか。もしステロイドを使いつつも湿疹が治り、2度と再発しない治療が出来ているという先生を見つけられた方、是非教えてください。その人は「本当の名医」だと思うのです。
 ステロイドの良い部分だけをうまく利用できたら、どんなに良いでしょう。だけど、アトピーは体質であり、再発は宿命のようなものです。ステロイドを使う医師にかかっていれば、必然的に、再発の度にステロイドを使うことになります。ステロイドの使用量や使用期間は嫌でも伸びていくのです。

(4)患者(の親)が使いこなすのが難しい。

医師でさえ、ステロイドを使いこなせている人を見たことがありません。(医師本人は「あの患者はステロイドでうまく治った」と思っているかもしれませんが、うまく治らなかったうちの子を連れて、私はそういう医師の元を脱走し、別の医師の元へ走る、というのを繰り返してました。)ギャオを治せたのは、アトピーにはステロイドを使わないようにしている先生だけでした。医師でさえ使いこなせていない薬を患者や私たち患児の親が使いこなせるでしょうか? 少なくとも私には無理です。皆さんはいかが思われますか?


それでも、luxelはステロイドは「悪魔の薬」であるとは思いません。適切に使えば、結構便利な薬なのです。ギャオのかかった先生も他の病気、例えば虫さされには使う、と公言しています。感染や慢性の病気に使うべき薬ではないけど(その場合には、ただの目くらまし、その場しのぎ以外の意味はありません。ステロイドしか対処法がない、という場合に仕方なく使う薬です。)、急性の病気には結構使い出がある薬だと思っています。それに、窒息死の危険のある喘息などは使うべきでしょう。でも、アトピーでは死にませんから。



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