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日本の民主主義が死んだ日 [日本の子どもの未来に、大切なこと]

<すみません、この記事はペンディング中です。(2016.7.13)>
内容的には間違っていないのですが、国民投票までに、やるべきことは、まだありました!!
↓の記事をご覧になってください。
http://sibelius.blog.so-net.ne.jp/2016-07-12

===============ここから、記事本文===================

(このブログを見に来られる方になら届くかな、、、、と思って書いています。)

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選挙直前(2016.7.10参院選)から連載を書いています。
まだの人はコチラからお読みください。

だまされないで!! 〜最後の選挙〜 (2016.7.4)

右翼に乗っ取られる日本 (だまされないで!! その2)(2016.7.7)

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2016年の7月10日は

日本の民主主義を国民自らが殺した日として歴史に記憶されるでしょう。

しかも、
投票率75%で僅差のBrexitとちがって、

昨日の「改憲がかかった」参院選の投票率は54.7%と、
戦後4番目の低さです。
これが日本人の「民度」なのです。

しかも、
国民ははっきりと
憲法改正が可能な議席数(全議席の3分の2)を
どのような憲法にしたいのかを表明している与党へ投票しました。

昨日、たまたま会ったママ友2人が「選挙にいかなかった」と言うのを聞いたとき、
「あぁ、この国は、ダメだな、、」
と。
子供を守る意識が一番強いはずの母親達が この程度の政治認識では
もう流れに抗うことなどできるはずがありません。

福島で人類史上に残るほどの原発事故をおこして、子どもの命が危険に晒されたのに、
政治に原発を放棄させることができなかったのは、
偶然ではなかったのです。
母親達の危機感が政治に結びつかなかったが故の必然です。
母親の、いえ、国民全体の民度(レベル)が低すぎるのです。

私は、自分の属する民族が、歴史に学ばず、
もう一度、戦争をする道を自ら選んでしまうのを
指をくわえて見ている他りません。
そのことが今日、決定的になりました。

なるほど、
戦前のドイツのワイマール憲法は
民主主義の下、こうやって国民が合意を与えたも同然の選択をした結果、
骨抜きにされ、ドイツは戦争への道を突き進んでいったのだなぁ、、、、と実感しました。

3年前も衆議院選挙の際、
仕事でたまたま言葉を交わした60代の、それなりにきちんとした学歴&職歴のおじさんが
「まさか、徴兵制なんてありえないよ」と笑って、選挙で自民党に投票する、と言ったのです。
私はそのあまりの平和ボケさ加減に、目眩をおぼえました。
(その人は「経済的徴兵制」という概念を知りませんでした。)
と同時に、世代間や性別による意識の大きなギャップを感じました。

「民主主義」というシステムは
きちんと「民主主義とは何か」を教育された国民達でないと
支えることができないのです。

(エジブトの「アラブの春」でも、イラク戦争のその後でも
民主主義が根づかなかったことからわかるように。)

そのことがはっきり、昨日わかりました。

私もこの方↓の意見に賛成です。
http://blogos.com/article/182788/


もう日本人は世界のどこへ行っても安全ではなくなりました。
安倍首相がイスラエルでISに敵対することを表明したために、
後藤さんは殺されました。
(国民を人質をとられた状態で、わざわざ声高に全世界にそのことを表明する必要はなかったはずです。)

その後おきた、2015年3月18日のチュニジアの博物館襲撃(日本人3人死亡)、
同10月におきたバングラデッシュの日本人殺害、
つい先日おきたバングラデシュの襲撃事件(日本人7人死亡)、
と、
日本人は確実にテロに狙われる対象となりました。
<チュニジアでは、日本人を選んで殺した↓古賀茂明氏のサイトより>
http://ameblo.jp/arte-geijitsu/entry-12178711225.html
これって、メディアが一切報じてないですよね。。。コワイ。。


日本をそういう国(有志連合の国)であるとアピールするような人物(安倍首相)を、私達はまたしても選んでしまったのです。

(日本は安倍首相のイスラエルでの演説以来、ISに「敵対国」として認定され、ISの機関紙DABIQにもそのように掲載されています。
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-3431.html
ここを見てくださったみなさんにお伝えしておきますが、
外務省の海外安全情報はあてにはなりません。
みなさん、海外旅行の際はくれぐれも日本人とバレないように注意しましょう。←脅しで言っているのではありません。裏情報ありです。)


私は、子供達を海外に逃がす方向で
教育の舵を切ります。
そのために経済的にも私は何がなんでも頑張って稼がなくてはなりません。

男のお子さんをお持ちの方は、特に気をつけてくださいね。
10年、20年後に20代を迎えるお子さんをお持ちの方は。
「戦争にとられる」将来が待っているかもしれません。
(そのリスクは昨日、飛躍的に高まりました。)

うちの下の子は受験はさせないで
公立に行かせるつもりだったのですが、そうすると「物を考えない若者」になりそうです。
なので、中学受験で海外大学進学に強い学校に行かせます。
(私立中の教育が素晴らしい、と言いたいのではありません。お金を払って、手段として利用します。)

この後、しばらくの間
今回の選挙を巡って考えたことと今後の予測を
ここのブログにぼちぼち記録しておこうと思います。
それが終わったら、
今後、更新頻度は落ちると思います。(←「中学受験は親が9割」は本当。orz)
ここのブログのアレルギー情報を見にきてくださる方には本当に申し訳ないですが、、、。
「アトピーさえ治れば、幸せになれる国」ではなくなってしまいました。

みなさん、
私の話を「オーバーだなぁ、、、」とお感じになりますか?
もし「自分の周りには誰もそんなふうに政治のことを話題にする人はいないわ」と思ったのなら、
あなたは自分の「社会的クラス(階層)」を意識した方がいい。

少なくとも私の同級生女子(子持ち)の何割かは、私と同じ危機感を共有しています。
(県でトップの公立進学校でした。←当時。皆それなりの大学に進学し、職を得ました。
その職を継続しているか/いないかは、子持ちかそうでないか、によりわかれますが。
子どもの海外進学をめざすのはこういう母親達なのかもしれません。)

情報は同じ階層の者同士でしか回らないものです。
こう書くと、私のことを経済的/知的差別主義者のようにお感じになり
不愉快になる方がいらっしゃると思いますが、
これが現実です。
(もちろん、高卒でもきちんと考えている方もママ友にいるし、
のほほんと関心を示さない大卒ママもいます。学歴にはそれほど相関していません。
やはり一番相関するのは、自分の育った家庭の政治リテラシーの高低だと思います。)
それに、私自身、自分より上の階層の情報にはアクセスできていないと思います。

それでも子供を守っていく必要に迫られて「社会の行く末を読む」ためには、
政治リテラシーは欠かせません。
ドイツから脱出できたユダヤ人は「歴史の動きを読む能力」を持った階層だったように思います。

このブログを見に来られる方は
「子供の健康を、医師に頼りきりにせず、
自分の力で守ろう、という意識のある人」だと思います。
そういう方になら届くかな、、、と思って
書きました。

私の予測が当たるかどうかが判明するには今後10年、20年かかります。
その証拠に、このブログは
更新しなくなっても残しておくつもりです。

(前回の選挙のときに書いた、「日本人は世界中でテロの標的になる」は当たってしまいましたね。。。あ、もちろん私だけの予言ではありませんが。そういう予測をしている識者は複数いました。)

このブログが閉鎖されるのは、
旦那がso-netを解約するときか、
当局が目をつけて「反社会的」と認定し、圧力がかかった時です。
もしこのブログが予告なしに閉鎖されていたら、後者だと思ってください。

どうぞ皆さま、Good Luck!!
自分の子どもを守りぬいてください。
お互い、現実世界で頑張りましょう!



右翼に乗っ取られる日本 (だまされないで !!  その2) [日本の子どもの未来に、大切なこと]

ついさっき放送された、TV朝日系「報道ステーション」が異様でした。
国政選挙前日とは思えないほど、明日の選挙の扱いが少ない。
というか、ほとんどなかった。。。と思う。私が見過ごした??と思うほど。
こんなこと、いままでありえなかった。

もうここまで、報道は抑え込まれてしまっているのでしょうか、、、?

いよいよ明日。

日本の、国としての大転換を決定づける日かもしれません。

明日の参院選は、過去2回の国政選挙よりも
はるかに重要です。

もし選挙で転換が起こってしまったら。
自民党単独、あるいは自民党と公明党で、全議員の3分の2以上を占めてしまったら、

「英国のEU離脱」以上の、方向転換になるでしょう。

今から不安で、今夜は眠れそうにありません。

戦後の「民主主義教育」を受けてきた人間にとって、
明日の選挙の結果次第では
受け入れがたい世界がこの日本に現出してくることになるのかも、、、と私は怯えています。

(戦前までの「皇統教育」(=天皇を中心とした国家観)を受けてきた人の中には、
あるいはその流れを汲む人にとっては
「懐かしい」「嬉しい」と感じる人もいるのかもしれませんが。)

前の記事でみなさんに、
「よく考えてご投票ください」とお伝えしました。

でも、もっとはっきり言います。
自分たちで自分たちの社会のあり方を決められる「民主主義」国家でありたいと願うのなら。
自民党と公明党、おおさか維新、日本のこころ、の4党には入れないでください。
野党共闘の候補(民進、共産、社民、生活)にお願いします。
はっきり言います。
改憲に反対する候補なら、どんなに頼りなく見えても、入れてください。
それが「よりましな」選択なのです。
野党の質を問うている余裕はありません。
なりふりかまってはいられないのです。

これで改憲されるようなら。
日本人に「民主主義」という制度は、「身の丈に過ぎた宝」「猫に小判」な制度だったのです。
残念ながら、私たちは、これを維持するだけの民度に達しなかった。
民主主義は、家庭の内外で、高度な政治教育を受けた人々だけの集団でしか維持できない。
日本人は戦後の教育に政治的偏向を注意深く排除しすぎました。
私たちは「民主主義とはいかなるものか」を子供達に教育しなくてはならなかったに、
それを怠った。民主主義は、教育を怠る民族には維持できるようなシロモノでは、ありません。

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安倍政権・自民党と右翼団体「日本会議」の癒着

安倍首相とそのとりまき議員たちはいまや、表の世界からは想像もつかないほど
右翼団体とどっぷり&べったり依存しています。

その名は「日本会議」。

彼ら自民党議員は当選するために日本会議の支援をうけています。
ご存知でした?

その右翼団体というのは
いわゆる、「街宣車でがなりたてながら公道を走るアレ」ではありません。(あれを「古典的な右翼」と称しましょう。彼らは見るからに「異端」なので、私たち普通の人にとって脅威ではありません。)

古典的右翼団体とは違って、「日本会議」(その前身は宗教関連団体「日本青年協議会」)は、地道に署名活動や地方議会に請願書を提出する右派市民団体がその正体です。男女共同参画的な行政のうごき(代表的なのが「選択的夫婦別姓」の流れ)やTV番組にネットや電話で匿名の個人としてクレームをつけたりもします。地道に。(←これって、かなり怖いですよね。。。ボディーブローのように効いてくる。。。)

でも、私がこの団体のことを詳しく知ったのはつい2ヶ月ほど前でした。
(遅いですね。。。「日本会議」の名は新聞にさえ広告を出していたので、1年ほど前から知っていたのですが、、、調べることしませんでした。)

実は、新聞報道にのったこの事件↓も、日本会議がらみだったのです。
「上野千鶴子氏(東大社会学元教授。専門は女性学)の山梨市講演会の中止撤回」
http://blogos.com/article/83724/
(私も数日前に知りました。
最初のクレーム10本って、「日本会議の一般メンバーが匿名で?もしかして市長とグルで?」って考えてしまいます。)

私が安倍氏とその取り巻き(日本会議に入っている議員)をまったく信用しないのは、
彼らが、民主主義というシステムの土台となる「基本的人権」や「平等」、「平和の尊さ」というものを、どうやら わかっていない、というよりは
それらに価値を置いていない、と私が思うからです。
(米国のトランプ氏も、おそらく価値をおいてない。)

なぜこういった考え(人権、平等)が大切か、簡単に記します。 (「そんなの自明よね!」と思う方は飛ばしてください。) 「人権」や「平等」は純粋に観念的なものであって、 人々の頭の中にしか存在しません。

こういった概念抜きに人間という種を生物として眺めると、 人間は全然平等ではないし(→様々な能力の優劣、うまれつきの障害、等) 通常、生物は弱い個体は強い個体に駆逐される「弱肉強食」。 それが動物の世界のルールです。

そこに「侵すべからざる 人権」と「平等」という概念の導入に成功して、やっと、 人間は「強い個体が弱い個体を駆逐する」だけの世界から解放され、 たくさんの人が集まって、国家を作っても 争いなく平和に暮らしていけるようになったのです。(いちおう) (そういう意味では、暴力は「人権を侵害する行為」であるので、すべて反社会的であると断罪されます。) その流れで、「男女平等」という考え方も生まれてきました。


安倍首相は自著「美しい国へ」で、「(拉致を放置しない)国民を守れる国へ。毅然とした国へ」と熱意を語っています。(「だから軍備を増強して、戦争のできる国にして、他国の侵攻に備えよう!』というのは、あまりに短絡がすぎます。それを否定はしませんが、やるべきことのごく一部です。)

ですが、そのほかのことを、彼はあまり言及していませんでした。
それが第二次安倍政権になってから、彼とその取り巻き議員がどういう社会を望んでいるのかが
明らかになってきました。
「特定秘密保護法」「安保関連法」の議決の影に隠れた感がありますが、
「3年抱っこし放題育休」(←共働きにはエラく不評。女だけかい!それよりはパパ育休義務化の方がよっぽどうれしい。)
とか
「三世代同居促進でジジババに育児手伝ってもらおう」(←じっさい、ジジに子供面倒を見るスキルはほぼ無いので、ババにしわよせ。育児が終わらないうちに介護が必要になる可能性も。)
とか、
「はぁ? 時代錯誤もいいかげんにしろ!!」
と言いたくなるような政策が、何故でてくるのか?

これらの政策案の根底には古典的な「家族主義」「父権主義」があります。
そのしわよせを受けるのは主に女性でした。(介護の負担と絶望にたえかねた「介護殺人」が多発し、それをうけて介護保険ができた、という経緯があります。)

なぜ女性に「あれも、これも、それもしろ」的な、およそ先進国とは思えないような政策を、政府が打ち出すのか、本気で不思議でなりませんでした。
(仕事も、育児も、家事も、介護も、なんて無理ですっっ、てば!!)

「オッサンはともかく、なんで女性議員まで(山谷えり子氏とか片山さつき氏とか稲田朋美氏とか)
安倍さんのお取り巻きはそろいもそろって価値観が復古調なの?」と
と不思議に思っていました(=今どきこんな「オジサン的価値観に迎合する女性議員が、よく生き残ってるなー、と。)。。。


「なんか、安倍首相のお取り巻きの人って、変な人、なんでは?」

と思い始めた私ですが、
はたして、この「勘」は当たりだったことが
最近わかりました。

彼女らは「日本会議」という右翼団体に入っているのです。

「自民党と日本会議」の関係は、いわば、「公明党と創価学会」のような関係です。
そして日本会議所属のメンバーの投票率は100%。
そして、署名活動も、地方議会請願も、メディアへのクレームも、
組織的に、あるいは個々に行う。
こういった強固な支持団体を持つ政党は
気まぐれで移り気な無党派層を基盤とする大衆政党よりも、はるかに選挙に強い。

ではその、日本会議とはどういった団体なのか?
どんな人たちが構成しているのか?
と疑問に思っていたら、ちょうど良い本が!

<参考図書>
「日本会議の研究」(著)菅野完(扶桑社新書)
http://honto.jp/netstore/pd-book_27822872.html
なんと、発売当日に、当の右翼団体「日本会議」から
出版差し止めの申し入れ書が届いた、話題の本です。
(それだけ図星をついていた、ということでしょう。
著者の調査資料は段ボール12箱分に及んだ、という力作です。
「内容が真実ではない」という日本会議に対して、全て反論できる根拠がある、と著者がインタビューに答えていました。新聞にはできない仕事って、こういうものなんだなー、と思いました。)

今は日本会議についての書が何冊か出てますが。5月の時点で発売されていたのはこれだけでした。
(修正歴史観の検定教科書を子会社から販売している扶桑社が、この本を出版するとは!
・・・吹きましたよ。)

とはいえ、今からこの本を選挙前までに全部読むのは無理でしょうから、
こちらに完結な記事。(私の筆力では無理なので、、、ぜひこちらだけでもお読みください。)

<現代ビジネスの記事>
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48784

いかに、教義が異なる宗教ごった煮団体なのかがわかる記事。
<バーバービジネスオンラインの記事(上記の本の著者の連載記事)>スポンサーは扶桑社
http://hbol.jp/28320

この団体(日本会議)は公式には1997年、「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が合併してできた民会団体ですが、中枢に座る人物・椛島有三(事務総長)は宗教法人「生長の家」(←明治期にできた、いわゆる「新宗教」の一つ。)を母体として、学生運動のときにできた学生団体を立ち上げた人物です。
ずっと右翼の世界を渡り歩いてきたこの人と、その周辺の人(実はこの人の後ろに、最奧の人物がいるのですが、詳しくは上記著作を読んでください。)たちが日本会議という宗教混成団体を牛耳っているのです。
宗教団体の特徴は、イベントの動員率、選挙の投票率が非常に高いことにあります。
つまり、全体の投票率が低ければ低いほど、彼らの割合が高くなり、有利なのです。
そして、宗教指導者(創始者や神父さん、神主さん)が信者に呼びかければ、まず拒否する、ということはありません。大多数を占める(私を含む)無宗教な人間からは想像もつかない社会関係がそこにはあります。(オウム真理教を思いだしてください。麻原の、信者に対する影響力は信じられないほど強大でした。)

この人たちの理想とは
明治期の(民主主義ではなく、天皇を頂点とする)「日本らしい日本」を取り戻すこと。
その点ではブレがありません。

--------------長くなるので、ここでいったんUPします。-------------------

だまされないで!! 〜最後の選挙〜 [日本の子どもの未来に、大切なこと]

今回は、食物アレルギーとは関係ないことを書きます。

「目の前の育児で精一杯だわ」という人も、
子供の未来に大きな影響のあることです。
「アトピーは治っても、子どもがこの国で大人になったときに、幸福になれない国」では、ダメですよね?
そんな国にするのも、しないのも、大人である私たちの責任ではないか、とLuxelは思います。

もし、私のブログの情報が少しでもみなさんのお役に立てたのなら、
どうか、この記事も読んでください。
そして、今度の日曜日(7月10日)、必ず投票所に行ってください。
私は、この国で母親・父親であるあなたに期待を託します。

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7月10日の参院選が近づいてきましたね。
私の認識では、今回の参議院議員選挙は「最後の選挙」です。

なんの?

それは、私たちが
「日本国憲法」を、
さらに「私たちの子どもの自由や人権」を守れるかどうか、が決まる
最後の選挙だから。

だから
私は選挙日が近づいてきて、とても緊張しています。

もし安倍自民が勝てば、
この選挙の後、日本国憲法は跡形もなく改悪されてしまうでしょうから。

安倍氏の政治目的は、言うまでもなく、改憲です。
これは絶対、間違いない。

自民も安倍も、CMを見ればわかるとおり
いまは一生懸命「争点隠し」をやっていますが、選挙の目標は改憲に必要な議席数3分の2を獲得することです。


(このブログの過去記事をお読みいただければ、私が過去に書いた日本の将来見通しがかなり当たったことがわかっていただけると思います。)

今回選では、もはや失敗であることが明らかとなったアベノミクスを争点にすることはできないから、今回選の自民CMのキャッチコピーは「この道を、前へ」などと具体性なく歯切れが悪いのですが。)

すべての社会福祉的政策や公約は国民の機嫌を取るため。
支持率を下げず、議席を増やすためだけに、
空手形を乱発しているだけです。
それらはすべては改憲のためのエサです。

(ですから、本気で公約を果たす気はないと思います。
数値目標がどれも中途半端なのはそういうことです。)

どうか、だまされないでください。

自民党が、安倍氏が
どんなに社会に役立つような政策を公約したとしても、票をいれてはいけない。
個人の自由の制限、基本的人権の制限ほど、恐ろしいことはない。

例えば「言論の自由」。
これはすでに侵害されつつあります。
政権与党により、あからさまなTV・大手新聞に対する圧力があり、
私達はもはやこういったソースの情報だけに頼ることはできなくなった。(もっとも読売・産経は従来から政権寄りでしたから、ソースになりませんでしたが。)
もっと権力やスポンサーから自由な報道組織(例えば、独立系のネット報道等)にアクセスしなくては、真実が何か、見えなくなってしまいました。
(そういう認識を、みなさん持ってらっしゃるでしょうか?)

こういう政府周辺の動きが何を意味するのか。

戦前・戦中の日本では言論の自由はありませんでした。
少しでも政府に批判的な思想活動は縛っていました。
戦争に反対しようものなら特高(特別高等警察)にしょっぴかれ、拷問され、死んだ人もいました(「蟹工船」の著者・小林多喜二だけではありません)。
http://www.asahi.com/articles/ASH89747GH89PTIL01D.html
「疑惑」程度で拷問され、自白を強要される人も多かったのです。(妹尾河童・原作の「少年H」に出てるお父さんのように。)

「基本的人権」という概念のない国とはこういうものなのです。
私は「○○さんが官憲に連れていかれた」というような話を祖母から聞いていました。
こうやって、戦争に反対する声は徐々に圧殺されていったのです。

もし、この選挙の結果、
日本民族が安倍自民に権力を委ねてしまうような判断をする民族ならば。

日本人には、民主主義を維持する力はなかった、ということになります。
そうなったら。


もう、私は日本を諦めます。


そしてもう脇目もふらず、子ども達を海外に押し出す準備を、全力で始めようと思います。
(実際に、もうすでにその方向に舵をきりつつありましたが、さらに「全力で」後押します。もう日本の大学への進学は考えません。)


安倍自民がどんな憲法に改憲したがっているかはわかっています。
(→自民党憲法草案)
http://constitution.jimin.jp/draft/

その解説(現行憲法との比較サイト。)
↓こちらが簡潔でわかりやすかったです。
http://www.news-pj.net/news/2013/0413-sugiura.html
<ニュースサイト・The PAGE>
https://thepage.jp/series/374/

時間がなければ、せめて下記の森永卓郎さん(経済評論家)のコラムをお読みください。
http://www.magazine9.jp/morinaga/120523/
これは4年前に書かれた文章ですが、このとおりのことがまさしく今、起こっています。

そしてできたらこちらも。
気鋭の憲法学者・木村草太氏の解説。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49029?page=5
(記事の5ページ目にリンクしてます。できたら1頁から7頁まで、通しで読まれてみてください。)

自民党政権はメディアに圧力をかけ、情報を奪い、私たちの権利を狭めにかかろうとしています。
安倍氏はNHKの理事長や理事に自分のお取り巻きを送り込んで、NHK内部に圧力をかけ、今やNHKは公正な情報ソースではなくなってしまいました。
(参考↓)これっていじめ!?って唖然としました。結構新聞沙汰になったから、あわてて辞表を返還したようです。じゃ、新聞沙汰にならなかったら・・・?
http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/25/mom_n_4851423.html

↓なるほど安倍自民はこうやって、権力の内外からメディアに圧力をかけるのですね。。。あの池上彰さんが証言。
http://lite-ra.com/2016/07/post-2389.html


今でさえ、こんな風に情報にフィルターがかけられているのだから、
自民党憲法草案のような「国のためには個人の権利を制限して当然」との考えが根底にある憲法の下では、私の子ども達がこの先、日本に住み、日本で働き、結婚し、子どもを産み育て、、、という幸せな未来を期待することが、私にはできません。
将来があまりにも心配で、子ども達を日本には置いておけない。

そう考える理由は
自民党の憲法が軍の設置や集団的自衛権を認めるものになるであろう、というだけでなく
その憲法の根本にある「人権を守る」「個人の自由を尊重する」「平等を重んじる」という基本姿勢が後退してしまう内容だからです。

(いまや、徴兵制も現実味を帯びてきました。外国との対立を煽る政府と徴兵制。、、、実際には経済格差を拡大させて「経済徴兵制」にするかもしれませんね。「奨学金を返せないのならば、自衛隊でインターン」(東京新聞報道)そうすれば向学心のある真面目で優秀な若い子を自衛隊にゲットできますものね。)


このようなことを心配する識者は大勢います。
でも、大勢の、「普通の、日本人」にこの懸念が届かなければ、何にもなりません。
一票に反映されなければ。

このブログをお読みくださったみなさま。
Luxelは過去2回の選挙よりも、今回の選挙の方が
はるかに重要で、日本を後戻りできない道に追い込む選挙だと思っています。

巷では、「そうはいっても、野党が全然たよりにならないから、自民党に入れるしかないよ」
という声を聞きます。
でも、そんなことを言っている場合じゃないんです。
頼りになろうがなるまいが、自民党に、安倍氏に憲法まで好き勝手にいじれるフリーハンドを与えてしまってはダメです。
日本が民主主義国家であることを諦めるか/否か、の瀬戸際なのですから。

それを避けるためなら、この際、どの政党でもかまわない、とLuxelは考えています。
比例票を入れるのは野党共闘を決めている5つの政党(民進党・共産党・生活の党、社民党、維新)どこでも構いません。
もちろん個人候補の「1人区」なら上記の野党。
上記の5党から複数候補者出ている区(つまり、3人区以上)なら、「自公議席2」を阻止するために、あえて「絶対に勝てる野党候補」より「当落線上の候補」に入れる、という判断もあるかと思います。

ぜひ、みなさま
投票所に行ってください。
もちろん、なんとなく〜、で投票しないでくださいね。
私の言っていることも鵜呑みにするのではなく、情報ソースをあたるなど検証して
ご自分の考えとあわせて、投票する候補者を決めてくださいね。


もちろん、たくさんの人が投票に行ったらからといって、必ずしもベストな結果が得られる訳ではありません。
「民主主義はベストの政治体制ではありえない。」

はからずも、日本の選挙直前に、その事実をつきつけられる出来事が英国で起こりました。
英国は国民投票の結果、EUを離脱することになってしまいました。
(離脱派のオピニオン・リーダー達が投票後、次々と逃げてしまいましたね。。。投票前の彼らの情報は誤りだ、と投票後に言われてもね。。。離脱に賛成票を投じた国民は、彼ら政治家に裏切られたのです。全国民がEUの外に放り出されてしまいました。スコットランドはEU残留を希望して独立の動きを見せています。UK崩壊か!?)

英国民がどれほど後悔しても、歴史の巻き戻しはできません。
(英国経済にとって正しい選択だったのかどうかは長い時間がたたないと判断できないと思います。 しかし、現時点で「国民投票に行かずに後悔した」残留派、投票した離脱派の人の後悔の大きさを見ると、どうやら彼らの意図せぬ結果になってしまったようです。果たして離脱派に「騙された」国民が悪いのでしょうか? )


国民が愚かな決定を下す可能性は、常にある」のが民主主義です。
ましてや、日本は今、「小選挙区制度」での選挙です。
ほんのちょっとの票数の差が、針小棒大に引き伸ばされてしまう危険性のある制度です。
「民意を正しく反映しない」とされ、世界的にも採用の極めて少ない選挙制度をとっています。
このような選挙制度のもとで、日本は今一度、まともな道へ引き返してこられるでしょうか。。。?

「またまたLuxelさんが、極端なことを言い始めたわね〜〜」と呆れる人もいらっしゃることでしょう。

実は、私はここ3年、喉もとを掻きむしりたい衝動に耐えながら、
この国内問題に、自分なりに向き合ってきました。
いったいどうしたら、私の、私たちの、願う方向に社会が向いてくれるだろうか。
どこに、子どもを育てる私たちの声を届けたら聞いてくれるのだろうか?
メディア? 議員? 政党? それともネット?

この乏しい頭が思いつく限り、時間の都合のつく限り、働きかけてきました。(某新聞系週刊誌の取材も受けました。議員に質問状を出したりもしました。)

「心配性ね〜〜」と思われるでしょうか?

でも、考えてもみてください。
ナチスドイツは暴力で政権を奪取したわけではありません。
民主主義の原則にのっとって、選挙で選ばれて
穏健に、合法的に権力を手にしたのです。
ドイツ国民もまた、時間を巻き戻し、忌まわしい歴史を、自らがくださいた判断を、どれほど「なかったこと」にしたかったことでしょう。ですが、それは不可能なのです。

民主主義国家も、歴史的判断を誤る。
そういうものなのだ、と了解するしかありません。
(それでも、なんのために私たちが歴史を学んできたか、といえば、まさしく今のような政治状況を歴史的に理解し、権力を預ける人を間違わないため、のはず。)

来週の総選挙は、英国のEU離脱(Brexit)投票ほどの派手さはないかもしれません。
でも、日本にとって、英国のそれに匹敵する大事な選挙です。
この選挙が、日本の歴史の決定的な転換点だと私は捉えています。

もし安倍首相が勝って、自民が衆参両議院で3分の2をこえる議席数を有したならば、
憲法改正は思いのまま、です。

実際、今、衆院単独過半数を占める自民党は
「特的秘密保護法」や「安保法制関連法案」など、党の、いえ、安倍氏の思うままの政策を可決してきてました。

私には3年前の選挙結果が出た時点で、こうなることはほぼ読めていました。
安法法制も、ごり押しで通すだろう、と。
彼がそういう政治家であることはわかっていたはずです。
その彼に、権力を渡したのは私たち日本人なのです。

(あの時、政治リテラシーに乏しい日本国民に向け、「これで"ねじれ国会"が解消されましたっ!」と喜ばしいことのように報道していたメディアの記者たちに、私は思いっきり「バカか!?」と言ってやりたいです。1990年代のTV番組「ニュースステーション」で久米宏さんが、選挙の投票率の低さ=棄権した人の多さを「有権者にそっぽを向かれましたね」と評したのを聞いて、私は「局の看板番組の司会者の政治リテラシーはこの程度なのか!とガッカリしたのを覚えています。)

だから私は、秘密保護法案可決のときも、解釈改憲のときも、安保法制のときも、もうすでに流れに逆らう努力をすでに放棄していました。諦めていたのです。
だって、安倍自民に権力を渡したのは、私たち国民の総意なのだから、何をどう勝手に決められても仕方がないのです。
私は、日本人に対してもう愛想が尽きかけていました。
だから、国会前のデモにも、黙って、短時間参加しただけでした。
(頭数を増やすだけでも、意味はある、と考えて。デモは政権の人間に対してだけ行うものではない、と思っています。ただの観客になって、ニュースを聞くだけの、その他大勢の人に向けての意味もある、と思って、デモに参加しにいきました。)

歴史的変化は、必ずしも劇的には訪れない。
少しずつ、少しずつ、社会が変化していく。
流されているうちに、ふと、気がつくと、もとの岸に引き返せないところまできてしまった。。。。と愕然する。
でも、気づいてから慌てても、もう遅いのです。
私たち国民が、権力を間違った相手に渡してしまうと、そういう手合いほど簡単には返してくれません。
権利を手放すのは簡単です。
でも、それを取り戻そうとするのは、ものすごく大変なのです。


「Luxelさんったら、オーバーね。すぐに戦争が始まる訳でもないでしょうに」
そう思う人も多いでしょう。

でも、覚えておいてください。
戦争が始まってしまったら、その時にはもう、確実に遅い。
子どもの命は、家族の命は諦めてください。

例えば、
アインシュタインは、反ユダヤ運動のきつくなったドイツから、第二次世界大戦前の1935年にすでに米国に亡命しています。(ドイツはその頭脳を欲しがった。が、逃げられてしまい、アインシュタインに「国家反逆者」の烙印を押した。もし捕まっていれば、ドイツに引き戻され、原爆の研究をやらされていたでしょう。現に、アインシュタインは米国亡命後、米政府に「ドイツに対抗するために、原爆開発を」と進言しています。なぜならドイツは原爆を開発する意図を、すでに持っていたからです。)

ドイツを追われたユダヤ人の亡命に尽力した杉原千畝・駐リトアニア大使の活動は有名ですが、この時のユダヤ人は、第二次世界大戦開戦(1939年)前には「逃げる」ことができず、生命の危険が差し迫ってからやっと腰をあげ、命からがらドイツ・オーストリアから逃げてきた人達です。(千畝氏も、彼ら全員に渡航証を発行することはできませんでした。残された人々はどうなったのでしょう?)

そして、「アンネの日記」の作者・アンネ, F.は「危険を察知するのが遅れて」ドイツから脱出しそこねたユダヤ人一家の子どもです。その結果、ゲシュタポに捕まり、強制収容所送りになり、1944年に殺されています。(アンネの家族8人のうち、生き残ったのはお父さんだけでした。)

アインシュタインは国外に出ても、その誰にも真似のできない圧倒的な数学的能力ゆえに、祖国を離れても生きていくことが可能でした。そういう人は、危険を察知すればさっさと出ていきます。
「会社がリストラすると、能力の高い人材から辞めていってしまう」のと同じです。

お金持ちも出ていきますね。(富裕層ほど、危険を察知する能力が高い)
ユダヤ人はもともと「頼るべき自国をもたない民族」ですから、蓄財している人は多かったようですが、貯蓄やとりたててこれといった能力の人々はどうだったでしょう?
祖国を離れて生計を立てていくのは、はっきり言って、たいへんです。
少々迫害されたくらいでは、祖国を出ていく判断はできないものです。
(命がかかる事態になって始めて、人は祖国を離れ、難民となる決心をする。)

私たち日本人は、
逃げ遅れたユダヤ人や、
ヒトラーを「民主主義の手続きにのっとって」選んでしまったドイツ国民を
「なんと愚かな・・・」と笑うことができるでしょうか?

大多数の国民が気づいた時には遅いのです。

現在、尖閣諸島領域で、接近してくる中国軍機に、航空自衛隊が連日のようにスクランブル発進して牽制していることは皆さんもご存じかと思います。
(近くの海域で日米印で行っている洋上共同演習を中国が意識しての行動だ、と言われています。)
つい最近も航空機の危険な接近があったようです。はっきり言って、一触即発です。
両国の為政者が開戦を意図しなくても、
血気にはやったパイロットが挑発にのって、あるいは一発ミサイルを放ち、偶発的に死人が出れば、そこから全面戦争へと拡大する可能性があります。(自衛隊がそんなタイプの隊員を外交上微妙な空域に投入するとは思えません。冷静なる精鋭を投入しているはずだと思いますが、中軍の方はわかりません。中国の中央政府は軍部を完全に掌握しきれていないようなのです。)

5月の熊本大震災のとき、初動の鈍かった安倍政権は
激甚災害の指定はなかなか出さなかったくせに、
「こういう時のために憲法に『緊急事態条項』の制定が大事である」と言い出しました。
なにをいわんかや、の噴飯ものです。
ナチスドイツはその「緊急事態条項」をつかって、社会を取り締まり、
市民の反戦の口を封じ、戦争へとなだれ込んでいったのです。

それに、領土問題の絡みでなくとも、
集団的自衛権を認めてしまえば、アメリカという、ずっと戦争を続けている日本の同盟国の要請に応じて、世界中に自衛隊(もはや「自衛」ではないですね。日本軍です。)を派兵しなくてはならなくなります。そして日本が米国に汲みすれば、自ずと敵対国/敵対勢力ができてきます。
現に、先日のバングラデシュでのテロの犯人はIS(イスラム国)の同志であることがほぼ確実のようですつまり「ISの敵と認定された日本」人を狙ったものです。(犯行現場となったレストランは日本人がオーナーの日本料理店)

J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/tv/2016/07/06271722.html
NHK「クローズアップ現代+」
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3832/6.html

このように、「他国に派兵する」「世界のある陣営に加担する」ということは「敵対勢力をつくる」ということを意味します。
そしてテロに国境やハードな軍備は無力なのです。
そういう意味では「安倍のイスラエルに加担する外交」によって、日本はすでにいつ敵対勢力のテロに狙われてもおかしくないのです。

日本と日本人は今までなんとか「憲法9条」の存在に守られてきました。
日本は「平和国家」として、どんな国でも日本人は信頼してもらえた、というだけではありません。
湾岸戦争時のイラク派遣までは、どの国も憲法に「不戦条項」のある日本に「派兵しろ」とは(面と向かっては)言わなかったのです。
(米国は朝鮮戦争を境に姿勢を変え、以後一貫して日本に改憲させたがっています。特に9条を。自分たちの負担が楽になりますから。日本軍を傀儡として使うこともできますし。ただ、自分たちも策定に関わった憲法だけに、表立って改憲を迫ることはできなかったのです。)

とはいえ、私は「永遠に9条を護持できる」とは思っていません。(意外ですか?これはまた別の記事で書きます。)
平和を維持できるかどうかは、日本だけでなく、周辺国がどのような国かにもよるからです。
ただ、政府に自分たちの全権を預けるような「緊急事態条項」の設置を画策している現政権に
選挙でフリーハンドを与えてしまってはいけない、と強く思います。

みなさんはいかが思いますか?
よく考えて、10日(日)投票してください。

(ご意見ありましたらコメント欄にどうぞ♪
今回、コメント欄解放します。)



"我が家の"経口免疫療法(準備編2)〜治療の流れ&ステロイドをどうするか?〜 [食物アレルギー対策]

すいません、まだ「じゅんび編2」です。先に「実践編 その1(牛乳と小麦)」を公開してしまいましたので、記事が前後してしまいました。この記事が「Luxel家の経口免疫療法」の骨子です。ぜひお読み願います。

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経口免疫療法に欠かせないエピペンの効果と使い方の説明を、と前回書きましたが
その前に、書いておかなくては、と思ったことがあります。
(エピペンの使い方は次回にまわします。) m(_ _)m
"標準的治療法"(*)と"Luxel家版"の違いです。

*「標準療法」ではなく「標準的治療法」と書いたのは、いわゆるガイドラインが推奨する「標準療法」には経口免疫療法は今のところ入っていないからです。まだ研究段階だから、というのがその理由です。でも実際には巷にはすでに「食べて治す」経口免疫療法を取りいれている医師もたくさんいらっしゃいます。(ギャオとQくんが受診する医師は全部で4人いらっしゃるのですが、全員が(除去だけではなく)それぞれ少しずつ違う「経口免疫療法」を取り入れてらっしゃいます。)

以下に書くことはは"Luxel流"の経口免疫療法において重要なことなので、
必ず理解した上で、ご自身のお子さんをどうするか、決めてください。

"標準的療法"との違いは2つあります。
1つ目は、「準備編1」にも書いたように、
ステロイドを(極力)使わない
という点です。
2つ目は
「アレルゲン食品の食物負荷試験」の時期
について。
この2つはリンクしています。

食物負荷試験とは
①血液検査やプリックテストで割り出したアレルゲン候補食品をあえて食べさせてみて、「本当にアレルギー反応が起きるか」を確かめるとともに、
②一度、アナフィラキシーを起こした食品の許容量がどのくらいか(=どのくらいの量までならまでアナフィラキシーショックが起きないか)を調べるため
に行います。
(ガイドラインにある3つ目の目的:アレルゲン候補食品を食べさせて、皮疹が出るか?については外しました。理由は後述。)

さて、食物負荷試験ですが、
この検査は経口免疫療法においては重要で、エピペンの準備とも絡みます。

現在のところ、医学的に適切な方法として
「負荷試験によってアレルゲンに反応する量を求め」、その量をもとに「安全を十分に見込んだ、反応量よりかなり少ない量から経口免疫療法をはじめる」ということになります。

そして、
食物負荷試験も経口免疫療法も、アレルゲン食品をあえて直接食べさせてみる訳ですから、アナフィラキシーショックを起こす可能性はかなりあります。
少なくとも一度アナフィラキシーショックを起こした食品については、次に食べたとき、相当な確率でアナフィラキシーが起きますし、
「まだ食べたことがなく、アナフィラキシーを起こしていない食品」でもIgEが陽性の食品については、最初に食べたときに、アナフィラキシーを起こす可能性があります。
ですから、アナフィラキシーショックのほぼ唯一の治療薬であるエピペン(中身はアドレナリン)は必携です。

経口負荷試験では「アナフィラキシーはほぼ必発」と考えるべきなので、
エピペンが自宅用に処方されていようが(=体重15kg以上)、いまいが(=15kg未満)、
試験は医師の監督の元で実施される必要があります(※)
医師ならば、いざアナフィラキシーが起きた時にアドレナリン(エピペンの成分と同じ)を注射して確実に対処してくれます。

※ 現実には「誤食」が負荷試験がわりになってしまうことも、ままあります、、、f(- -;) 「人間はミスをする生き物」です。どんなに注意していても、親だって間違います(文字の小さな成分表を見誤る、とか)。起きてしまった誤食は仕方ありませんので、そこから有益な情報(摂取したアレルゲンの量や性状など)をとって次(=治療)に活かすわけで、、、、で、ふと思ったんです。「これって、負荷試験の簡易版じゃないの?」って。 違いは「(アナフィラキシー対策の)準備をしているか/していないか」だけ。 だったら、「準備してトライ」した方がいいですよね?

しかし、「医師の元で負荷試験を」と言っても、Qくんみたいに数十個のアレルゲン候補が血液検査で見つかっている場合、全ての食品について、入院 or 外来で負荷試験をすることは不可能。
それに、「負荷試験→経口免疫療法(緩徐法)」という流れで治療するのは、どうやら3〜5種類のアレルゲンを想定しているようなのです。実際、「(同一人で)どのくらい多種類のアレルゲンを治療できたか」という論文はありません。Luxel家も免疫療法で解除したアレルゲンは「牛乳・小麦・卵」の3つで、4年かかっています。残るは「そば、ナッツ類(ピーナッツ、カシューナッツ、アーモンド、クルミ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ)・・・」と、今でもまだまだたくさんあります。(うち、カシューナッツはアナフィラキシー起してます。orz)いったい何歳までかかるんでしょう、、、?
(準備編1)で見ていただいたQ君の検査結果にある、IgE陽性の食品なんて、いったい何十個あるのか?ってくらいで、「3才から一個一個順番に経口免疫療法やってたんじゃ、間に合わないよぅ〜〜 (T T)」てなもんでした。
なので、「安全だろう」と目される食品から順に、エピペンをされる前でも「見切り発車」で、自宅でトライしていきました。(これはLuxelの独断でやった訳ではありません。誤食が契機になったり、K先生と相談しながら、「次はこの食品を試してみようか?」と相談しながら食べさせていきました。この経緯や判断基準は、別記事に詳しく書きます。)

ちなみに、アレルギー学会のガイドラインにエピペンと食物負荷試験について記載があります。
ガイドラインは日本アレルギー学会のHPから、「食物アレルギー診療ガイドライン 2012年版」がみられます。
http://www.jspaci.jp/jpgfa2012/chap07.html
ぜひ、一度ご覧になってみてください。

<注釈>このガイドラインは日本アレルギー学会に所属する医師(実際には策定委員会などガイドライン制作部の医師)の総意(=合意を得られた内容)の結果としての治療法です。ガイドラインの治療(標準治療)というのは、データがきちんと出た内容のみになるので、経口免疫療法のような先進的な治療はまだ入ってきていません。が、その分、一般的な安全性は担保されています。ただし、食物アレルギーの場合、これまで長いあいだ標準治療=除去療法だったため、「除去は安全。ただし、誤食がない限り。」でした。現在、標準療法とされている「除去」よりも、研究中の経口免疫療法の方が「誤食による危険率は下がり」&「治癒率は上がる」と期待されており、それを証明する研究結果が続々と発表されてきています。なので、すでに一足早く経口免疫療法に取り組んでいる開業医のお医者さんもたくさんいらっしゃいます。こういう取り組みは、往々にして開業の先生方の方が早かったりします。ガイドライン側も、早く経口免疫療法を標準治療に落とし込むために、さらにデータを充実させるとともに、具体的な統一プロトコール作りの検討がなされていくことと思いいます。

その日本アレルギー学会や小児アレルギー学会が提唱するガイドラインの治療法を、
私はそのままには採用しませんでした。その理由は2つ。
ひとつには、上に書いたように、「アレルゲン除去よりも経口免疫療法の方が、根治を期待できること。すくなくとも誤食のリスクを下げることができる」と見込めること。
そして、もう一つは、
(上記のサイトの「診断と検査」の章を見ていただければわかると思いますが、)
ガイドライン治療は実質、ステロイド外用が必須となっているからです。

ガイドラインは、「アレルゲン候補食品を食べさせて、皮膚の症状の有無を見て診断できるように、
食物負荷試験の前に、まずはステロイドで皮膚をきれいにしてから来なさい」ということ言っているのです。

食物アレルギーの子はアトピー性皮膚炎を非常に高い割合で併発しています。特に乳幼時期の併発率は高く、9割という報告もあります。これでは「スキンケアをしてきれいに」ということは、「ステロイドを使ってでも、きれいに」ということを意味します。
実際の乳幼児の湿疹は、保湿や、このブログでご紹介している入浴調節法だけで
治癒する子もいます(ご報告をくださったママさん方、ありがとうございます!)
軽症のお子さんには、保湿と入浴調節だけで湿疹がなくなってもおかしくありません。
でも、中等度〜重症のお子さんは、保湿と入浴調節、それに消毒法(イソジン)だけでは
湿疹は治癒しないと思います。(逆に言うと、ステロイド以外の方法で治らなければ、中等度か重症だと考えて差し支えありません。イソジン消毒は感染などによって悪化させないために行います。)
このような子たちの皮膚を「0才できれいにしましょう」「1才できれいいしましょう」というのならば、ステロイドを使う以外に方法はありません。
(中等度ならば2才のあいだに、重症のお子さんは3才のあいだに治る、といった感じです。詳しくは後述。)

負荷試験準備のためのステロイドについては、Luxelも少々悩みました。

食物除去の必要があるのか、本当に食べられない食品はどれなのか知りたい。
負荷試験は受けたい。
でもギャオで痛い目をみたステロイドをQくんに使うことはしたくない。

乳児湿疹や乳幼児アトピーの治療にステロイドを使うとなると、かなり長期(=年単位)に渡り塗ることになるので、私の中に「アトピーを治すために、積極的に塗る」という選択肢はもうありません。
でも、
「負荷試験のために」期間限定で塗るか、塗らないか?
これは悩ましかったです。(悪魔の誘惑?)

「試験のために、数週間のあいだだけ塗る?塗らない?」

うーーーーん、、、、

ステロイドは使えば使うほど、Th2型の免疫(=アレルギーの一翼を担う免疫応答)を助長してしまう性質があります。(動物実験では、これはほぼ確実)
なので、「食物アレルギーを治す目的で検査のために使った」ら、「かえってアレルギーをひどくしてしまった」という可能性もあるわけで、、、、

それに、血液検査で検出されたIgE陽性のアレルゲンは1個や2個ではなく、たくさんありました。
なので、「負荷試験のために、皮膚をきれいに」と言われると、
「1つのアレルゲン候補の負荷試験」が終わったら次、それが終わったらまた次、、、となってしまい、「ステロイドずっと塗布」と同じになってしまう。。。。これではなんのために今までステロイドを使わず頑張ってきたのかわかりません。

で、結局、試験だけのためにステロイドを塗ってまでして皮膚をきれいにするのは、やめました
ちなみにガイドラインでは、「経口負荷試験は○才までにやれ」という指示はありません。、
ならば、「試験の時期を遅くして、試験のときに皮膚がキレイになっていれば、問題ない訳よね ♪」と結論。

それに、『アトピーが治っていない』ということは、『この子の体の中では、まだ Th2型・アレルギー型の炎症が治まっていない=アレルギー型の免疫が優勢』ということを意味しているのだから、下手にアレルゲンを食べさせるとかえってアレルギーがひどくなる可能性がある。
と考えました。(⇦あくまで「可能性」であって「実際に、危険かどうか」はわからないです。データないし。)
それに「どうせ15kgを超えないとエピペンを処方してもらえないのだから、 それまでは小児アレルギー専門医のところで食物負荷試験をしてもらう必要はまだない」
と判断しました。(判断後については、後で述べます)

ちなみに、アトピー/湿疹が出ていない、食物アレルギーだけのお子さんは普通に小児科に行って、負荷試験を受け、食べさせて治す方針の先生を選べばいいのです。現在、すでに経口免疫療法を治療に取り入れてる先生は結構大勢いらっしゃると思います。

でも、今、このブログを見に来られている方はQ君同様、お子さんにアトピーがある方ですよね?
(それにプラス、食物アレルギーが判明してどうしたら良いか困っている方)

みなさん、(ステロイドを使わない)アトピーの主治医はなんとか見つけられている、と仮定ますが、
「食物アレルギーを、ステロイド外用剤は使わずに、少しずつ食べさせて治」してくれる医師の数は非常に少ないと思います。(というか、皆無に近いのでは。。。。f(- -;)

たいていは「治すのはステロイドを使って皮膚を綺麗にしてからだね。じゃないと判定ができないから」と言われてしまいます。
でも、実際にはステロイドを長く使ってしまうと アトピーが治るのが遅くなってしまう。。。二律背反。

アレルギー専門医の先生方は、おもに成人のアトピー患者に起きている「ステロイドの依存性と断薬時のリバウンド」については全くご存知ありません。アレルギー学会のトップ層の方はっきり否定してらっしゃいます。その理由は皮膚科学会が否定しているからで、アレルギー学会はそれに追随しています。この2つの学会両方に入っている医師はかなりの数います。「皮膚科学会の判断」が「アレルギー学会の判断」として引用されることに不思議はありません。(むしろこの2つの学会の判断が異なったら、大きな論争になると思います。)
皮膚科学会は1990年代にステロイド裁判が起こった際に、原因を究明するのでなく、問題自体を黙殺しました。そのときの経緯が、今現在の「ステロイド薬害」の被害者と言える患者さんたちのことを不自然に無視する学会の態度につながっているように思います。
食物アレルギーを診る医師は大きくわけて、小児科医アレルギー専門医の2つです。(ここがアトピーと違います。小児アトピーを診るのは小児科医、アレルギー専門医、そして皮膚科医です。)小児科もアレルギー専門医も、成人に多いステロイド依存やステロイド皮膚症を見る機会は皆無と言っていいでしょう。彼らの眼中に、ステロイド外用剤の依存や超長期使用の副作用は入っていません。というのは、子供が成長して小児科の対象年齢(0〜15才)をはずれると、病院に来なくなるからです。フォローできなくなったその後の結果まで、彼らは責任を負えるでしょうか・・・?

ちなみに、ステロイド外用剤を44週間以上使用した場合の影響についての研究は、存在しません。未知数です。私は自分の目で見た我が子や弟のアトピーの経過と、他の小児・成人患者さんの脱ステしたときの話を総合して、「小児期のステロイドは成長後の皮膚に不可逆的な影響を与えるのでは、、、?」と考えています。脱ステ医によれば、「ステロイドに耐性を示し、脱ステを余儀なくされるのはおそらく患者のうち1割程度」とのこと。でも、私の弟のように「脱ステまではいっていないが、自分で工夫してステロイドの使用量を減らしている=治ってはいない」という人は「かなりいる」と思います。弟は中高大学生〜就職したばかりの時期(つまり15年間くらい)は痒みでたいへんそうでした。(中高生のときは毎日のようにステロイドを塗ってた。私は手の届かない背中塗り係でした。苦笑)
でも、(当時)三十路なかばの彼に「最近どう?」と聞いたら、「ステロイドはあんまりよくなかった。結局、どれだけ塗っても、またすぐアトピーでるし。今はステロイド以外でいろいろ生活の工夫(石鹸とか入浴とか)をしてる。そうすると、ステロイドの使用量はかなり減るし、肌の調子もいい。年に2、3回はステロイド使うけどね。」とのことでした。それでも彼曰く「僕の肌は、絶対、普通じゃないと思う。ちょっとした刺激や変化で、かゆみがぶり返してしまう」。ステロイドを塗ったからそんな過敏な皮膚になったのだ、と証明することはできない。アトピーでステロイドを使わずにきた成人患者は皆無。でも、多くの脱ステを試みた患者さんは、そう思っています。

<この件に関して、非常に参考になる成人アトピーの当事者の方のブログをご紹介します。>
http://atopysan.hatenablog.com/entry/2016/04/30/%E7%9A%AE%E8%86%9A%E3%81%AE%E8%A8%98%E6%86%B6
この方のブログを読んで、私はものすごく感銘をうけました。 その簡潔かつ的を射た文章、そして美麗で詳細なサイト!なにより参考文献をきちんと明示しておられます。(私はけっこう端折りぎみでして、、、反省です。)
論理的・科学的な考証、という点においては、以前にご紹介した安藤直子さんのサイトと双璧だと思います。Luxelの考えはこの方の考えともほぼ同じです。というか、分子生物学を学んだ人間の見解は、一致せざるをえないのだと思います。これ以外の結論を、私は思いつきません。
私は我が子のアトピーで脱ステを、この方は自身の成人アトピーで脱ステを実践なさった方で、違いといえば「小児か成人か」です。でも、同じような現象を経験し、同じような結論に達しました。

話をもとの食物アレルギーにもどして、
「では、ステロイド外用薬を使わずに、負荷試験を受けるには、どうしたら?」
ですよね。。。。両者を両立させるためには
検査の「時期」が大事になってきます。

「ステロイドを使わなければ、ほとんどのお子さんのアトピー/湿疹は3歳までにほぼ治ります」
このことは脱ステロイドを支援する医師のお一人が持ってらっしゃるデータに端的に表れていました。(←講演会で拝見した、荒削りなデータで、このデータ一つだけで論文にするのは難しい、と感じましたが、非常に価値のあるデータだと思いました。n=300程度だったと記憶。まぁまぁな数です。)

そのデータを見ると、(全員とはいいませんが)8割弱くらいのお子さんは3歳の誕生日までに、残りの2割も3歳台でほとんど治るのです。(これは講演をメモした私のノートに記載の数字です。たぶん、それほど間違ってはないと思います。)
そして、そのデータはステロイド使用群/不使用群でどちらが早く治癒するか?の比較もしていました。
なんと。
ステロイド不使用群の方が、半年から1年ほど早く、使用群よりも早く治癒していたのです!
(逆に言うと、ステロイドを使っていても半年〜1年ほど遅れて治癒する、とも言えますが、、、
私としては「そうかな?」と思っています。「そうではなかった」人間(弟)が身内にいて、我が子(ギャオ)や知人の息子さんの経験などから考えて、「ステロイドを使っても、全員治るわけじゃない。」そのよう思えるのです。)

私にはこの結果は当然のことと思えました。

ギャオのときの経験があったからです。
ギャオは2歳前にステロイドを中止して、治癒するのに4年間(=6歳まで)かかりました。
これに対し、不使用のQ君は1歳半手前で治癒しました。
(サンプル数としては各群「n=1」なので何も言えないレベルですが、上記のデータには沿った結果です。)

もちろん、このデータはこの先生の病院に訪れた子のデータですから、治療開始年齢はまちまちで、前医の治療がどうだったか、どの程度のステロイドをどのくらいの期間使っていたか、など、細かく群わけされていたわけではありません。なので「荒っぽい=そのまま論文に載せられるレベルではない」と評価しました。
 でも、そのデータの示す傾向は真実だろう、と私は自身の経験に照らし合わせて評価しました。

ちなみにこのデータから、「どうしても、ステロイド無しじゃムリ!耐えられない!」というお母さんは、ステロイドを使われても。その判断は誤りではありません。だって、「ステロイドを使用しても、半年〜1年遅れてアトピーは治る」わけですから。「ステロイド使って、いったん湿疹を治した方がメリットがある」とお母さんがすれば、それは「間違い」ではないのです。
(乳児湿疹がひどい子は、そりゃもー酷いですから。。。このあたり、一概に「ダメ!ステロイドは!」とは私には言えませんし)
大事なのは、デメリット/メリットがあること、まだまだステロイドにはわからない部分があることをを知った上で「使う」。そして使ったことを「忘れない」ことだと思います。人間は、その時点でわかっていることだけで判断せざるを得ない、「その時点での最善」で判断するしかない生き物なのですから、、、。

最近、アトピーの「経皮感作」モデルが医師の間で流行してますね。
「だから、ステロイドを使って、皮膚のバリアを閉じなければ、アレルゲンに感作するよ」「喘息や食物アレルギーになっちゃよ」と医師は親を説得します。
でもそれは「嘘」です。それは「医師の予測」にすぎません。
なぜ「嘘」かというと、そんな研究結果は存在しないからなのです。
「ステロイドを使って、湿疹を治し、皮膚バリアを閉じてやれば、食物アレルギーや喘息にならない」ことを指し示すデータは、存在しません。
アトピーの子で「生まれてからずっとステロイドを使わない子」と「これまでステロイドを使ってきた子」で比較をしなくてはならないからです。前者はその数が極めて少ない(←Qくんは、珍しい「その一人」です。笑)。それゆえに、臨床試験が成立しない。

そもそも「経皮感作」説自体、「あれは、一種の流行だよ」とその医師自身が言っています。「新しいこと(=経皮感作モデル)を提唱すれば研究費が降りやすいから」だそうです。けっして「新しい発見」=真実、ではないのです。「新しい発見」イコール「比重論的に、重要」であることを意味しません。(新聞報道とか、よくこのあたりを誤解して報道してます。)
つまり
「経皮感作はおこるかもしれない。でも、それが大きな原因、というわけではない」ということです。おそらく経皮感作がアトピーの悪化の原因ではありません。(とLuxelは考えています。)
なぜならば。
「ハウスダスト=クラス6(=IgE振り切れ!)」のギャオが「アトピーだ」と傍目にわかるのは1年のうち3週間くらい。ちょうど今の時期です。逆にいえば、一年のほとんどは、アトピーだと見た目にはわからない程度。本人曰く「少し痒いときもあるけど、がまんできない痒さじゃないし。」とのこと。搔きむしることが年に1、2回ありますが、その程度です。亜鉛華軟膏かモクタールの残りを塗ると、1週間くらい良くなります。
「経費感作がアトピーや食物アレルギーの主因じゃないと思う」については、また別の記事を用意します。乞うご期待!)

上記の医師のデータが正しいとして、
ステロイドを(極力)使わずに乳児湿疹をやりすごすと、3歳ごろまでには治癒する。
エピペンを処方してもらえるのが丁度このくらいの年齢です。(体重15kg)

アトピーが治れば、負荷試験をするためにわざわざステロイドを塗らなくてもよくなります。
それに「アトピーが治った」ということは「アレルギー体質が軽快した」ということであり、これ以降、新たに経口投与した物質(食物)に感作したり、すでに感作している食品へのアレルギーをひどくする確率はかなり低くなっているはずです。(←Luxel予想ですが。)

※このあたり、つまり、「皮膚の状態と体内の免疫の状態」については
最近かなり論文が出てきていて、Luxelの予想「皮膚は免疫の窓(=免疫の状態をモニターできる)」は当たっていました。(^ ^)v

簡単にいうと、
Th2型のサイトカイン(IL-4、IL-5、IL-13)は皮膚のバリア機能を弱める(皮膚を薄くするわけではなく、隙間があく=皮脂分泌⇩、細胞接着分子⇩)ことにより、アトピーをひどくします。
そのTh2型サイトカインはどの細胞が出すか、というと、Th2細胞だけでなく、好酸球、好塩基球、ILC2s(2型自然リンパ球; innate lymphoid cells, group 2)などです。
障害された角化細胞(にかぎらず上皮系の細胞)は"警告分子(alarmin)"としてIL-25やIL-33、それにTSLPを即座に放出し、上記の細胞にTh2型サイトカインを放出させます。
そのほかにも角化細胞はIL-33を受けて、TARCというTh2細胞を呼び寄せる分子を出し、、、

というふうに、2型炎症=アレルギー炎症が次々と拡大していき、アトピーを酷くしていってしまう、という悪循環があることがわかっています。
(ただし、それがいつまで続くか、というとIL-33は腸管においては制御性T細胞というアレルギーを抑える働きをする細胞を増やす機能があることが、最近報告されています。これが真実であるならば、「アレルギーは自然治癒傾向を持つ」ということになります。これは小児食物アレルギーの現実と符合します。)

逆にいえば、体内の免疫バランスのシーソーが、Th2側から他の方(Th1側とかTreg側)へと傾くと、乳幼児のアトピー性皮膚炎(infantile eczema, atopic eczema)は治るわけです。(⇦注、皮膚は治るけど、アレルギー体質自体が治ったわけではない。)

それと、経口免疫療法を「いつ始めるべきか」については臨床研究者の間でも模索中です。
逆に言えば、いつでもいいわけで、
Luxelは「3歳でも遅くない」と判断しました。

つまり
「3歳まではステロイドを(極力)使わずにアトピーが治るのを待って、 皮膚が治ってから食物負荷試験を行い、本格的に食物アレルギーの治療(経口免疫療法)を始める」
これならステロイドを使わずにすみます。
3歳というのは丁度、(おそらく)免疫学的な体質が変わる時期でもあるし、15kgに達してエピペンの処方が可能になる時期でもあります。

とはいえ、「3歳まで何もしない」というのは時間がもったいない。
何故かというと、「経口免疫療法(OIT)」には年齢制限があるかもしれないのです。
OIT(SOTI)急速法の大家・栗原先生によれば、入院しておこなう急速法の適応年齢は5・6才とのことです。
急速法でアナフィラキシーを起こすと、子供にとって苦痛が大きく、その食品が恐怖の対象となり嫌いになってしまい、治療継続ができなくなってしまいます。そこを言いきかせて理性で乗り越てもらわねばならないので、言って聞かせることができる5、6才になって、やっと治療に取り組めるそうです。

一方、成人になるとT細胞をつくる(正確には「教育する」)胸腺が萎縮して機能を失うとされています。つまり、胸腺からの新しいT細胞の供給はほとんど止まってしまいます。それまで体内にいなかった「アレルギーを抑えるタイプのT細胞」を新たに誘導する」というのができなくなります。おそらく。
何歳まで経口免疫療法が有効かを示すデータは多くはないのですが、上記ガイドラインのサイトのデータを見ればわかるとおり、アナフィラキシーの頻度や食物アレルギーの有病率からは、6歳を超えると食物アレルギーはかなり(自然には)治りづらくなってしまいます。(もちろん、成人にも経口免疫療法は有効かもしれないのですが、データが少ないので確たることはいえない、というのと、若干の論文から小児期よりは治癒しにくいと私は推定しています。)

上記のことを考えると、経口免疫療法で確実な治癒を目指すためは、開始は遅すぎない方がいい。

しかし、早すぎてもアレルギーを強める結果になるかもしれません。
上記にも書きましたが、アトピーが出ている子のほとんど(9割がた)がアレルギー体質なのです。
([↑] 保湿や入浴法でとことん皮脂を温存した上で、それでもアトピーが出ているならアレルギー体質である可能性が高い。血液検査すれば、アレルギー体質かどうか、一目瞭然です。ぜひ血液検査をお勧めします。)

少なくとも0才台はアナフィラキシーを起こしやすい時期ですので、「リスクのある食品は除去」し、
1才台はアトピーの治り具合を勘案して、リスクの小さい食品から離乳食として摂取にトライするのがいい、とLuxelは考えています。(消化管の専門家の先生によれば、「腸管が発達して、細胞と細胞の隙間が閉じるのは1才頃」とのことです。)

※もし1歳台になっても「アトピーがますます酷くなる」なら、すでに食べている食品がアトピーを引き起こしている可能性はあります。その時は「もしかしたらこの食品が、、、?」と疑っている食品を1〜2週間程度除去してもかまいません(卒乳している前提で。)
でも「アトピーが治癒傾向にある」「アナフィラキシーや腹痛、喘鳴がおこらない」ならば、今食べている食品はアレルゲンではありませんので、どうぞ気にせず食べさせてください。

医師の中には「検査しなくてよい。アトピーが出ていても、何も気にする必要はない。生後4ヶ月から離乳食でまんべんなく食べさせなさい」という方針の人もいます。でもこれではアナフィラキシーは防げないと思うのです。上記の医師の指導に従うのと、「検査をせず、0歳で食べさせたら、いきなりアナフィラキシーを起こして驚いた!」というケースって同じですよね?だったら、お医者さんにかかってる意味ないのでは?と思います。

とりあえず、超早期=生後4ヶ月〜0歳台でのIgE陽性のアレルゲン食品の摂取がオーケイかどうか(アナフィラキシーやアレルギーを起こさないか)は、「賭け」の要素が高くなる、と思います。
リスクの高いアレルゲン食品に対する本格的な経口免疫療法(緩徐法←自宅で行う)の開始は、エピペンを処方してもらえる3才前後(=体重15kg超え)から、とするのが安全、と考えます。

まとめると、
本格的な経口免疫療法は、3才から6才が最適」ということになります。
アトピーが治るのを待って(一部はまだアトピーが残っている年齢のうちから、早めに)、OITを計画的に、遅滞なく実施しなくてはなりません。

したがって、Luxel家版の対策はこうなります。

○ 血液検査を離乳食開始前の生後6ヶ月前半に実施。
(別に生後5ヶ月でもいいのですが、あまりに早い(3ヶ月とか)と、まだ抗体が少なく、検出可能な量に達していない可能性がある)

○ 結果が出るのをまって、離乳食の開始。(生後6ヶ月後半)
保育園に入園したので、これはもう仕方ありませんでした。(結果的に悪いことはありませんでしたが。)

○ 離乳食前の検査結果でIgEが陽性のものは(クラス1でも)いったん除去。
 それまで完全母乳でしたが、牛乳が陽性だったので、最初からミルクをアレルギー対応ミルクに変更。
(我が家は明治ミルフィーでした。今は森永も同じようなのを出してますね。それでも下痢をしたり吐いたり、ゼイゼイ言う子はもっと牛乳タンパクのサイズを小さくした特殊な医療用ミルクを使います。)

 でもたぶん、アレルゲン除去の離乳食に切り替えてもアトピーが治らない子の方が多いでしょう。アトピー、すなわちアレルギー性の乳児湿疹は生後1ヶ月ー3ヶ月頃から出始め、ピークは0才後半?1才前半までくらいです。(ステロイドを使わなければ。このピークをどう乗り越えるか、については記事をあらためます。)だいたいですが、早い時期に出始める子ほどアトピーとしては重症になります。

○ 母乳育児のお子さんでアトピーがひどい場合は断乳も視野にいれる。
 (Luxelのように、「お試し断乳」をしてもいいかもしれません。搾乳が大変ですが、、、メデラ社の自動搾乳器がオススメです。←情報古いかも。もっといい機種が出てるかも。)
 お母さんにアレルギー疾患がある場合には、断乳が有効な確率は高い、と予想しています。(今、アレルギー症状が出てるお母さんの場合は特に。)

 これはLuxelの勝手な予測ではなく、母乳育児とアレルギーの専門家である下条直樹先生(千葉大医学部)のご見解でもあります。(学会でお目にかかりました。)

○ 腸管の隙間が閉じる、とされる1才を超えたら、「 IgE陽性のため除去」とした食品のうち、
最もクラスの低いもの(=相対的にクラスの低いもの)から順に少しずつ食べさせて、増量していき安全を確認する。(=簡易な負荷試験、という意味合いもある。)
同じくらいのクラス(抗体量)ならば、使用頻度の高い食品を優先する。その方が調理の幅が広がって楽に。
もし不幸にしてアナフィラキシーが起きてしまったら、その食品は「除去」となります。(永久に、ではないのでご安心を。)
特に、「IgE陽性食品が1〜3個くらいしかない」状態なら、アナフィラキシーリスクはむしろ高い。こういうお子さんは、やはり3歳になるのをまって入院 or 外来で負荷試験を受けた方が良いと思います。

○リスクの高いアレルゲン食品(アナフィラキシーをすでに起こした食品 or IgE値が高い食品)については、アトピーが治ってから、ちゃんと「食物負荷試験(@外来 or 入院)」を受けて、許容量を確定してから経口免疫療法を初めてください。(結果的に負荷試験は3歳前後になると思います。)

サラっと書きましたが、この「相対的にクラスの低いIgE陽性食品」を最初に食べさせるときも、十分注意してください。エピペンが手元にない訳ですから、アナフィラキシーが起こったら非常に危険です。
一番安心なのはもちろん入院して試すことですが、入院負荷試験は通常、
(1)IgEのクラスが高い食品を試す場合、

(2) 一度アナフィラキシーを起こした食品を再トライするとき
に実施されることがほとんどなのです。

ですから、「初回から入院してトライ」というのはまずできません。
(それに、食物アレルギーの入院負荷試験を実施する病院は、皮膚に関しては確実に「標準療法」つまりステロイドを使います。使わないと入院を認めてくれません。)
かかりつけ医によっては「食品を持ってきて、病院の待ち合いで試していいですよ。」と言ってくれる先生もいます。それならぜひ、来院してトライさせてもらってください。

このあたりの、「アトピーが治る前に、IgE陽性食品をトライするか/しないか、どの食品からトライするか?」については別記事にします。(すみません、根性きれました。。。)
引き続きお待ちください。m(_ _)m 



=================================
<おまけ>
「乳幼児アトピーは3歳までに治る」というデータを出した医師の属する医師グループ(脱ステをサポートしてきた医師の方々)が最近、論文をまとめました。まだ雑誌に受理前の論文のデータのようです。(参考文献が挙げられているところをみると、投稿中なのでは? 論文のacceptまでは何年もかかることもあります。特にこれまでの常識を覆す論文にはその傾向があります。ですから先にデータを公開してくださったのでしょう。)ちなみに「ステロイド不使用」群とは「まったくステロイドを使用しなかった人」ではなく、「6ヶ月のみ使用を禁じた」群です。(試験開始前までは使っていた)

参考サイト1
http://steroid-withdrawal.weebly.com/1247312486125251245212489124342035129992123751239412356124501248812500125402461530382331782881412398320763694235519266191239832080265242257721578.html
参考サイト2(1の論文のわかりやすい解説です。atopysan様宅サイト)
http://atopysan.hatenablog.com/entry/2016/05/16/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%92%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%B5%8C%E9%81%8E


【お詫び】土下座!! m(_ _;)m ーーコメント欄ーー [お知らせ]

ここ1年半ほどの間にコメントくださった方に土下座でお詫びします!! m(_ _;)m

ここ2年ほど、政治ネタっぽい記事を書くこともあり、
コメント欄を承認制にしていたのですが、
いただいたコメントを「承認→表示」にする方法を、実は自分がわかっていなかった!!

・・・ということに昨日、気づいたのでした。。。。orz

チーーーンン・・・・・・(沈没)




ログインした画面のコメント設定の横っちょに「+」マークがあって、
「ん?そーいえば、これは何のマークぞや?」とポチッとすると
コメント一覧が出てきました。
そしたら、どうも見慣れない未読のコメントがたくさん。。。
「あれっ?もしかして、、、、」
と、スクロールしていくと下の方に「選択されたコメントを承認する」コマンドが。[がく~(落胆した顔)]

、、、やっと今になって、あわてて「承認」とさせていただきました。
(ついでに、記事ごとに承認/許可を選べることも、昨日わかりました。orz)

コメントくださった皆様、たいへんすみませんでした!! m(_ _;)m[あせあせ(飛び散る汗)]


中には長文の丁寧なコメントくださった方もあり、、、誠に申し訳ありません!!
(書くのにかかった時間を返せ![むかっ(怒り)]ですよね。。。。[ふらふら]私でもそう思いますもん。)

身の程知らずなITの使い方はやめることにします。
よほどこのブログが荒れない限り、今後の記事については基本的にコメントは承認制にはしないことにします。
(すでにアップした記事は、コメント欄の設定を一つ一つ変えていかねばならないので、お時間ください。)

TwitterもほとんどやっていないLuxelなのですが
その理由は、純粋に「使い方がわからない」だったりします。<殴!

いい加減、IT音痴を治さねば
世情に疎くなって、いつのまにか置いていかれるんだろうな〜
(我が父母のIT音痴っぷりは酷いのですが、日頃それを嗤ってる私も彼らの大差ない。。。のかも。)

と、今回 反省したのですが、
最近のアプリとかブログサイトはいちいち取説がないので、やっぱりわからない。。。
たぶんLuxelのIT音痴の改善は遅々としたものとなると思われます。
申し訳ありませんが、
皆様、生あったかく見守っていただけると幸いです。。。うぅ[もうやだ~(悲しい顔)]

それと、
プロフィール欄のメアドを変えました。
「どうしても連絡とりたい!」という方はどうぞこちらへ。
Luxelが書いているやり方で副作用が出た、という方は是非こちらのメアドにお知らせください。
もちろんコメント欄でも構いません。

ただ、個別の「うちの子○○なんですが、どうしたら良い?」というご相談に応じるのは難しいのが現状です。
コメント欄に書き込んでくださったものは読みますので(これから必ず読みます!!すみませんでしたぁっ!汗)、皆様のほぼ共通して持つような疑問には近々記事にてお答えしたいと思います。
(後からこのサイトにいらした方が、コメント欄を遡るのはたいへん、という事情もあり、記事の方でお答えする、ということにさせてください。)

以前のように頻繁には更新できないとは思いますが、
できる限り、早く記事にしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

取り急ぎ、お詫びとご連絡まで。

Luxel(2016.6/9)


食物アレルギーシリーズ 目次 [食物アレルギー対策 目次]

アトピー・乳児湿疹の目次とは別に、食物アレルギー関連の目次を設けました。(随時更新)


我が家の経口免疫療法(oral immunotherapy; OIT)

 準備編1 (2016.5.24)

 準備編2 (2016.7.4)

 準備編3 (負荷試験の順番 & エピペンの使い方)予定

 実践編その1 ( 小麦 & 牛乳 ) (2016.6.6)

 実践編その2 (卵 編) (2018.1.24)

我が家の経口免疫療法(実践編 その1)〜牛乳&小麦〜 [食物アレルギー対策]

(少し手直しして、再投稿です。2016.6.6)
(再更新 2016.6.7)
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長文しか書けないのは、頭が悪い証拠だよなぁ〜、と思い
常々「なんとかスッキリした文章が書けないものだろうか?」と煩悶しているLuxelです。(本業の方でも同様です。f(_ _;) でもこれが中々。。。)

なので、一番先にみなさんが一番お知りになりたいであろう我が家の経口免疫療法の成績を出します。

<Qくんのアナフィラキシー歴>

① 牛乳(2才9ヶ月頃)、② 小麦(1才11ヶ月)、③ 卵(4才3ヶ月)

<Qくんの現在(経口免疫療法の結果)>

①牛乳、②小麦、③卵
の全てが完全解除

牛乳と小麦は「完全寛解」(=完全に治癒)と言って良いと思います。ここ2年、普通に食べていますが症状は何もおきていません。
ただし、卵については除去を解除はしていますが、「完全寛解」とは言えないと思います。
加熱卵は完全にOKですが、生卵はこれから検討です。
学校給食では、まだ大事をとって解除していません(除去の完全解除は家庭でだけ)。(←主治医のDr.MTの指示で。)
たまに体調が悪かったり、しばらく食べるのをサボってたりすると、まだ口腔に痒みが出たりしています。お腹が痛くなることはなくなったようです。


ちなみに寛解と判断した量(=主治医が設定したゴール)は、
牛乳:200 mL
小麦:半束(約180本、ゆでて約90g、乾麺の状態で25g)
卵:全卵1個(今では目玉焼き1個ぺろり、です。大好物。)

============================================
<本編の前書き(必ずお読みください)>

前の記事が「準備編1」となっていたので、この記事は「準備編2」か!と思われたと思いますが、ふふふ、違います。
「準備編」の説明は後回しにして、「実践編(実施記録)」に突入します。

というのは、公開を待ってくださってるお母さん方が多いようなので。。。
お母さん方のニーズは「理屈はともかく、方法と結果を知りたい!」だと思うので。

とはいえ、「万人に有効な治療法」を考案できるような膨大なデータをLuxelは持ちません。
あくまでも「我が子に実施した方法と結果」、つまりこの記事は「Luxel流の治療の実施記録」であり、試行錯誤や失敗もそのまま書きます。
(自身の経験や失敗を総括して、「第三子目が生まれるとしたら、自分だったらこうする」という「まとめ」記事を書くつもりです。)

以下、このブログで、再々書いている注意書きです。
みなさんには、以下のことを念頭に、私のブログをお読みいただきたいのです。

(これは毎回、悩むところなのですが、、、)
Luxelは医師ではないので、皆さんに「こうしなさい」と言うことは基本的にはありません。
でも、できたら苦しい思いをする人が少しでも減ればいいなぁ、とは思っていて、このブログを公開しています。もし有益な情報を提供できているならば、幸いです。

基本、医師でない自分は他人に「○○しなさい」という資格はない、と思ってます。
医師ならば、独自の見解に基づき、患者さんに「こうしなさい」と指導/指示をするのは職務のうちです。
(たまに「これってトンデモ療法だよな〜?」とか「学術的な裏付けはあるのか?」と思うような、医師の手による本を見かけることがありますが、あれとて違法ではありません。ただし、そのトンデモ療法に従った結果、被害を被った場合はその治療をした医師を訴えることは可能です。そういう治療法はまず間違いなくガイドラインに外れているので。ただ、勝てるかどうかはこれまた別の話。)

でも、私に「医師としての資格」はないけど、そこそこ生物学(免疫学)&医学の知識はある(優秀とはとても言えないとは思いますが)というのと、自分が「母親の立場」でもあることから、「おそらく、私の(子供での)経験を、自分の専門知識を加味して書くことは、専門外の普通の人に対して有益な情報発信になるのではないか」と思い、このブログを書いています。(ちなみに、学位は博士(医学)です。)

でも、私のブログの情報を元に何かをしたらかえって悪化した、という人がいたとしても、私は責任の取りようもない。(でも、そういう方は、多くの場合、私には直接言ってこないのですよね。。。)
そんな微妙な、綱渡りのような心境で、このブログを公開しています。

もちろん、アトピーやアレルギーの症状は一人一人異なるのが当然で、すべての人に有益な情報となり得ているか、と言われると甚だ心もとありません(→※)。みなさまもそのつもりでどうぞこのブログをご覧になってください。
(※)だから、私の当ブログは成人のアトピー性皮膚炎は対象にしていないのです。ときどき間違われることがあるのですが、、、、小児アトピー&食物アレルギー限定です。Luxel自身には成人型アトピーの経験がなく、また、成人型アトピーの症状は小児のそれに比べて非常に多様であり、ほぼ全員がステロイド使用経験有り、ということもあって、もう全然私に語れるようなものではないのです。明らかにLuxelの守備範囲を超えています。それにくらべたら、小児の場合はほぼ「自然発症」ですし、ステロイドの使用歴があったとしても、多くの場合、それほど対した期間ではありません。

Luxelは、ここではあくまで一人の母親として自分の経験談を書いています。そして、自身の経験と専門領域の知識を総合して発展させて考え、「こうした方がいい、とLuxelは思う」とお伝えすることはあると思います。
私がこれだけはどうしても伝えたい!と思ったときには「こうしたら良いと思う」より強めの「○○するべき」という書き方をすることもありえます。
しかし、それとて何ら強制力を有するものではありません。というのは、その結果について何ら責任をとれる立場にはないからです。

Luxelのやり方を真似したり、意見を採用したりするかどうかは、皆様ご自身がさまざまな情報と照らし合せて考え、判断なさってくださるようお願いいたします。(つまりは「自己責任でお願いします」ということなのです。。。。この言葉、好きではありませんが。)

Luxelにとって自分の子どもの食物アレルギーは「どうしても直したい病気」であるように、皆さんにとっても自身のお子さんはかけがえのない存在だと思います。日本のたいていの家庭では、母親が子供の健康管理を預かっていますが、子どもにアトピーやアレルギーがあると、その責任は格段に重くなります。これは子どもという存在を背負ったことのある人でないと分からないと思いますが、私がここに我が家の情報や科学情報を公開しているのは、そういった重責を少しでも軽くしたい、お母さんたちに判断のよすがを提供したい、という気持ちからです。

(だから、是非、有害情報もお寄せください。「Luxelさんのブログの方法でやったけど、うまくいかなかった、悪化した」という情報です。危険性は少しでも知っておきたいのです。お手数ですが、お知らせいただけたら感謝します!)

どんな治療法も、「実施第1号」は存在します。(←つまり、うちのQくんは「我が家の民間療法の第1号」)
特に、ミリグラム単位の極微量に反応する重度のアレルギーの子どもの治療については、まだ論文はでていません(そのはずです。調査不足だったらすみません。)。ですので、当然、治療法も確立していません。これから開発されるべき治療法です。Luxelの取り組みは、いわば「今の時点では治療法が確立してない」けれど、「このままじゃ、うちの子には間に合わない!」という溝(ギャップ)世代に向けての情報発信です。

そもそも、
医学史を紐解けば、治療法というのは必ずしも医師により考案されたものばかりではありません。
逆に、医師が民間療法に着想を得て開発した治療法は多々あります。(ゲッカーマン療法とか。)
医師の方がここに記すQくんのケースに興味を持たれて、治療法として確立していただけるならば、それが最も望ましい成果です。
(実は、すでに某大学の小児科教授にお話しました。笑われるか、怒られるかするかなー、と思ったのですが、意外にも「へぇーーー、本当ですか!?」と興味を持っていただけた様子でした。この教授も免疫学をバックボーンに持つ方です。実際に新しい治療法として、治験なぞ組んでいただけるとありがたいんですが。。。f(^ ^)

それと、
この記事「実践編1」を参考に、さっそく始めよう!と思っている方はいらっしゃるでしょうか??
もしそうでしたら、ちょっと待ってくださいね。
次の記事でエピペンの使い方をご紹介します(リンク集貼ります)ので、
くれぐれも使用説明書を読むか、ご自身で使い方を確認&準備してから、開始されてください。
Luxelはエピペン完備の状態で経口免疫療法に臨みました。

==============================================


それではいよいよ、本編です。


<経口免疫療法の記録>

① 牛乳
 生後6ヶ月でのRAST検査でIgEが出ていることが判明。この頃はLuxelも当時の主治医のK先生も食物アレルギーのせいでアトピー性皮膚炎が出てると考えていたので、とりあえず牛乳は除去。明治のアレルギーミルク「ミルフィー」(←軽度の牛乳アレルギーの子に使われる商品)を使用。
 3歳間近に体重が15kgに達し、エピペンを処方してもらえたので、当時の主治医S先生の指導のもと、牛乳の経口免疫療法を開始。

 最初の負荷は入院しなくてもよくて、病院の待合室でヨーグルト(←生乳よりもアレルギーを起こしにくい)を試しに小さじの先端にちょん(0.1〜0.2gくらい)と載せ、食べさせて30分。その後また小さじひとさじ(2gくらい)を食べさせ30分経過。何事もなかったので、S先生から「1gから段階的に増やしてみましょう。一週間は同じ量を維持すること。増量の幅は2割以内。」と言われました。

(ヨーグルトの測り方)
※スプーンは毎回同じものを使いました。
1さじ分を測るには、電子秤の上に皿をのっけ、その上にスプーンを載せてゼロ点合わせ(calibration)、そうしてヨーグルトを救って計測。
量が2さじくらいより多くなるとなってきてからはガラスカップを載せてゼロ点合わせして、その後ヨーグルトを入れて秤量、という方法で計測しました。

このとき使った電子秤。
コンパクト 精密 電子 はかり デジタル スケール 0.1g~3000g
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88-%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%82%8A-%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB-%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%AB-0-1g%EF%BD%9E3000g/dp/B00EB24J5K/ref=sr_1_22?ie=UTF8&qid=1464221639&sr=8-22&keywords=%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%82%8A

今はタニタからも出てますね。
タニタ デジタルクッキングスケール 2kg(0.1g単位/200gまで) グリーン KD-192-GR
http://www.amazon.co.jp/dp/B0047BATEU/ref=sr_ph?ie=UTF8&qid=1464221795&sr=1&keywords=%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%80%80%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%AB+%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%82%BF

いやーー、電子天秤が二千円で手に入る時代になったなんて!
(中国製はご自身で正確かどうか確認してからご使用ください。1円玉≒1gです。
もし正しく測れないときは返品交換に応じてくれることが多いようです。)

 1.2、1.5、1.8gと毎週増やしていって、意外なくらい何も起こらなかったので、「これは無症状のアレルゲン=血中に抗体はあっても反応しないアレルゲンじゃないのか?」と思い、調子にのって、毎日1〜2さじずつパカパカ増やしていった結果、、、30gを超えたところ(1週間目くらい)で、腹痛を起こし。。。。
「あーー、やっぱり本当に牛乳アレルギーなんだーーー(←アホか。。。)」orz
(幸い腹痛はひどいものではありませんでした。)

その後は10gに戻し、おそるおそる、(毎日ではなく)週に1回、2割ずつ、地道に増量していきました。(つまり、1週間は同じ量を維持。)それからはアナフィラキシーを起こすことなく無事に31g(=アナフィラキシーを起こした時の量)もクリア。3ヶ月後くらいにはカップ1杯(=約100g)を食べられるようになったので(そして飽きてしまったので f(^_^;)、次は生乳でならすことに。

※ヨーグルトを正確に計り取るには限度があるので、誤差があってもあまり気にしませんでした。
そもそも生体ってファジーだし。毎日のように許容量だってかわる。調子が悪いときは閾値(=反応する量)も変わってしまいます。昨日と同じ量でも、今日はダメ、ということがあって、一定していません。
(季節などの変動する外界の環境に左右されないで、なんとか一定の調子を維持しようとがんばって調節しているのが私たちの体の恒常性維持システム homeostasis 。その結果、誰にでもゆるやかな「揺らぎ」があるのです。)

さて、牛乳の摂取ですが、これは就寝前のミルクを少しずつ牛乳を混ぜて置き換えていく、という方法をとりました。
最初10mLから初めて1週間後に10mLずつ増量していき、6カ月後くらいに200mL全量を生乳で飲めるようになり、牛乳は完全解除、となりました。解除まで9カ月か10カ月くらい(3才半)でした。

 後から考えると、牛乳は非常にスムーズに解除が進んだアレルゲンでした。アナフィラキシーの腹痛もひどいものではなく、許容量も30g前後と大きかったので、寛解に至るまで短期ですみました。アナフィラキシーを起こすタイプのアレルギーとしては軽症だと思います。


② 小麦
 治療前にはアナフィラキシーを起こしたことのない牛乳と異なり、小麦ははっきりと、激烈なアナフィラキシーを起こしたことがあります。急な義母のお葬式のときに、自宅から遠方で到着が夜間だったため、アレルゲン除去対応の離乳食を入手できず、「何か食べさせるものは?」と困り果て、お通夜で出たお弁当の麦ごはんの「米だけ」の部分を選り分けて与えたのです。そしたら、、、
 摂取1時間くらいで嘔吐&下痢でグッタリ。Q君を抱っこしていた旦那の喪服は吐瀉物で惨憺たる有様に。。。orz
この時はエピペン処方前だったので、焦りまくりました。まさか小麦への反応がこんなに厳しいだなんて、、、!

 除去していると普通に健康に生活できてしまうので、つい「このくらい、大丈夫なんじゃないか?」と楽観的になってしまっていたのですが、「安全だろうと思い込むのは危険」なのだ、と思い知らされました。

 そんな、前途多難が予想されるアレルゲン・小麦ですが、S先生と話し合いの結果、「そーめん 0.5cm」から始めることになりました。(ちなみに、「通常はうどん 0.5 cm から始めるのよ」とS先生。やっぱり重症なんですね!?うちの子。。。orz)
牛乳が寛解になってすぐ、小麦の経口投与に入りました。(3才6ヶ月)

 増量方法は、ゆでたそーめんを5cmまでは0.5mmずつ、1週間ごとに増量。5cmを超えたら約2割ずつ増量。約6.5cm、8cm、10cm、、、、と増やして、1本に達したら(←計算してみてちょっと気が遠くなりかけた。。。)、次は1本半、2本、3本、と増やして20本まで(ここまで来るのに1週間分を数えて、ラップに小分けして包んで冷凍庫へ。でも20本あたりで本数で数えるのは労力的に限界に。

 そこで、重量割にしようと、そーめんの一束が何本にあたるか数えたら365本!(根性です!←メーカーさん、わざとこの本数ですか!?)で、乾燥状態で50gであることが判明。
茹でると何グラムになるのか計ったら、180gくらいだと。
なので、茹でた状態で5g(約10本弱相当の重量)からまた2割ずつ1週間ごとに増量してき、
とうとう1年後に100gに。最後の1ヶ月は食パン1枚にトライしました。(といっても、3才児にとって一枚は大量です。なかなか1枚全部は食べてくれない[あせあせ(飛び散る汗)] 期間中、2回くらい1枚丸ごと食べてくれたのでヨシとしました。)

それと、大事(かもしれない)なポイント。
これはLuxel独自の方法なのですが、
毎晩(←ホントは夜じゃない方がいいかも。)、そーめんを食べさせたあと、先に寛解したアレルゲンである牛乳100mLをグィッと飲ませてました。
その狙いは
(1)口中に残った小麦アレルゲンは痒みを誘発してしまう可能性があるので、急いで腸管に洗い流し込んでしまう。
のはもちろんですが、それだけなら水やお茶でもいいはず。あえて牛乳、としたのは
(2)牛乳の経口免疫療法により誘導した経口免疫寛容を強固にし、寛解状態(=治った状態)を恒常的に維持するため。
(3)もし牛乳によって誘導された寛容の仕組みがTreg(制御性T細胞)の誘導であるならば、"bystandar suppression"(=寛容抗原と同時に存在する抗原に対しても、免疫抑制が誘導される現象)が誘導され、より小麦に対する寛容が積極的に誘導されるのではないか、
と期待したためです。

(1)(2)の効果は確かにあると思います。今、Qくんは牛乳については何も気にしない生活です。(まだ卵の後にぐぃっとは飲ませてますが。卵ももう仕上げの時期です。)

これ、大事なことなんですが、
「経口免疫療法(OIT、SOTI)で寛解に達した後、アレルゲン食品の摂取をやめてしまう(=間があく)と、またアレルギーの状態に戻ってしまう」とされています。(これを示唆する論文が出ています。)寛解状態の維持のためには、定期的な摂取(週一摂取、とか)が必要なのです。
幸い、小学校にあがると給食で牛乳が出ますが、我が家では(3)の効果も期待しているので、そーめんや卵の摂取後、かならず牛乳を飲ませてます。

(3)について、効果があったかどうかは証明不能ですが、たくさん過去の論文(動物実験)の結果が人にも当てはまるとすれば、多いに期待できる、と考えています。いずれにせよ、「アレルゲン摂取後の牛乳1杯」は寛容の誘導に益することはあっても、害はないはずです。


そして……
いよいよ手強い敵・卵との長い戦いが始まる。。。!!
次章、乞うご期待!

すいません、やっぱりここまでで長文化してしまったので f(_ _;)
卵編は次回にまわします。

<追記>
「経口免疫療法」についてはご質問受け付けます。
というか、一番助かるのは「読んだ方に、質問してもらうこと」なんです。
本文中には余計なことは書かないで、
読み手が疑問に思ったことを質問してもらう。
私がそれに対する答えを書く。
そうすると他の読者の方にも読みやすいもになるかと思います。

ただし、過去にしていたような「コメント欄にて回答」ではなく
記事中でまとめてご紹介&回答、とさせていただきます。
(個々のコメントにお返事する方式だと他の方が見づらいようなので。)


<アレルゲン食品の写真>
Q君は皮膚症状はでなかったので、地味〜にアレルゲン食品の写真です。

そーめん 12cm = 4cm x 3本
そうめん12cm.jpg

凍結保存用そーめん(3週間分)
3週間分のそうめん.jpg

そーめんカップ(30g程度)
そうめんカップ.jpg

我が家の経口免疫療法(準備編1) [食物アレルギー対策]

すみません、下書き段階で、まちがって「公開」にしてしまったので、再度書き直しての公開です。公開直後に読まれた方はどうぞお読み直しください。

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たいへんお待たせしておりますっ! m(_ _;)m[あせあせ(飛び散る汗)]

最初にLuxel家の現食物アレルギー治療の指針を書いておきます。
これが現時点でのLuxelのベストな結論です。
医師の考えるベストではないと思います。(いちおう)生物系の研究者であるLuxelが、母親として考えた場合のベストです。

[1]離乳時期:普通(4ー6ヶ月頃)で良い。←以前記事に書いた見解と異なります。ありからず。m(_ _)m 根拠は後日、詳述します。

[2]乳児に慢性湿疹やアトピー性皮膚炎が出ているなら、離乳食の開始前に血液検査をする。(←RAST値、総IgE濃度、好酸球(%))
  ●検査で陽性が出ている食材も、離乳食としてごく微量から試して良い。
  ●ただし、アナフィラキシーショックのリスクがあるので、万全の体制をとった上
   で導入する。(=かかりつけ病院を決めておき、開院時間と通院時間・通院経路をあらかじめ
   決めておく)。
  ●もしアナフィラキシーが起きたら、そのアレルゲン食品に関してはしばらく除去。
   エピペンが処方された後に経口免疫療法に取り組む。
   (処方は体重15kg以上で可能=2、3才頃)

[3]ステロイドによる湿疹治療は(極力)行わない。←ここがアレルギー学会の方針とは大きく違います。

現時点で、私が経験と頭を総動員してまとめるとこうなります。
Luxel家に3番目が生まれてアトピーだったらこうする、という対処の内容として書いています。つまりは「Luxel家の覚書」です。(いやもう、3番目はありえない年齢になってしまいましたが。。。)
読んだみなさんがどうなさるかは、これをご参考にした上で、どうぞご自身の頭で考え、取り入れるかどうかをご判断ください。
というのは、Luxel自身は結果について何ら責任を持てないからです(→※)。「このLuxelっていう人はどういう人?」「信じていいの?知識は確かそう?」という視点で検討も行った上で、どうぞご判断ください。

なお、離乳時期については、以前に記事を書いた時点からたくさんの論文が出ており、ほぼ結論がでたので、私も見解が変わりました。(このブログは私的ブログなので、こういう可能性があることを踏まえつつお読みください。)

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さて、本論。

Qくんに施した経口免疫療法の説明をする前に
まずQくんのデータを。
(クリックすると別窓で開きます。)

綸のIgEデータ.jpg


調べたアレルゲンが多くて、見にくいと思いますが、どうぞご勘弁を。。。

このデータを見れば一目瞭然ですが、

非常〜に多くのアレルゲンに感作しています。

※感作=免疫系が抗原を認識して排除に働く、つまりこの場合は、抗原特異的なIgEが作られていることを指す。

こんな感じで、できるだけ多くのアレルゲンについて検査してきました。
毎回同じアレルゲンを検査している訳ではありません。

というのは、検査にひっかかってこないアレルゲンに感作している場合には、「誤食死」の危険があるからです。
でも、1度調べてそのアレルゲン食品に特異的なIgEがでていないことが確認できれば、もう2度と調べることはしません。
「あーよかった!これで安心して食べさせられる。次回の検査では[新月]?[新月]?(=別の食品)を検査しよう!」となります。

しかしアナフィラキシーショックを起こした食品については、残念ながら、当分除去します。(=体重15kgを超えてエピペンが処方されるまで。)
保育園で原因が不明なアナフィラキシーを起こしたことがあったのですが(←血圧性ショックまで起こしててヤバかった!エピペンをうつべき症状でしたが、保育園の先生たちにはその見分けがつかなかったのです。爪が白くなったら血流が落ちて血圧が下がった証拠です。エピペンを即座に打ってください!)
このときは、保育園で当日に出された食事(除去食)の食材について、しらみつぶしに検査しました。

セルの背景が赤くなっているのは、アナフィラキシーを起こした時点から直近の検査値です。
数値が低めでもアナフィラキシーを起こしていることがわかると思います。
Qくんは小麦と牛乳と卵とカシューナッツにアナフィラキシーを起こしたことがあります。
(幸いどれも呼吸困難になることはなく、主症状は腹痛(←かなり激しい。悶絶、という感じ。)でした。)

裏をかえせば、たくさんの種類のIgE抗体(抗原特異的IgE抗体)が検出されても、その多くはアナフィラキシーを起こすわけではない、と言えます。
近年、血中に特異的IgEが出ていても「即・除去を指示」とはならないのは、こういうケースがたくさんあるからです。

「じゃぁ、検査しても無駄なの?」「検査せずに食べさせても、結果的には同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
血液検査をすれば、「アナフィラキシーを起こすかもしれないアレルゲン食品の候補」を見つけることができます。
血中に、どの食品にくっつくIgEが血中にあるかがわかるので、その食品をはじめて食べさせる時には万全の準備をしておくことが可能となります。
「もしも、の場合の準備」をしておき、しばらく赤ちゃんの様子を注意深く見守っておくのです。
このような準備とか心構えができる、というのは結構重要なメリットだと思います。

というのは、アナフィラキシーは重篤であればあるほど経過も早く、心停止に至るようなケースでは数分からわずか30分以内に心停止します。(もっと軽くてすむケースのほうが圧倒的に多いわけですが。。。。)
なので、「何かあったときに、ダッシュで対応できる!」ようにしておく心の準備は意外に大事だと思います。本当に急激なアナフィラキシーが起きた場合には気が動転してしまいますが、迷う時間的余裕は、「無い」ですから。

ちなみに、
日本では毎年50ー70人ほどがアナフィラキシーショックにより亡くなっています。
http://allergy72.jp/anaphylaxis/what.html
最も多い原因は蜂毒と薬物。食物アレルギーによる死亡は5人程度と少なくはありますが、食物でも死亡することがない訳ではない。食物アレルギーを舐めてはいけません。
最悪の結果である死亡例が5人、ということは死に至らなかったアナフィラキシー自体はもっとたくさん起こっているわけです。(残念ながら、このようなニアミスというか、ニアデス事例の統計は存在しません。)

アナフィラキシーショックによる直接の原因は、
①気道が腫れて閉塞することによる窒息死

②過度の血管拡張による血圧の低下→意識喪失&心停止(=ショック症状)
です。
2年ほど前に東京の多摩市で給食による小学生の死亡事故がありました。あれは誤食によるアナフィラキシーショックが原因です。アナフィラキシーショックは食物アレルギー反応の中でも最も恐るべき症状です。

ちなみに経口免疫療法(OIT)においても、アナフィラキシーショックは当然、ある確率で起こることが想定されます。特に数週間のうちに摂取量をMaxまであげる「急速法」の場合、アナフィラキシーは必発である、とさえいえます。だから「急速法」は必ず入院して実施します。

「急速法」に比べてゆっくりと摂取量を増量する「緩徐法」はアナフィラキシーを起こす確率は低いですが、ゼロではありません。
OITでは食べるアレルゲンの量が徐々に増えていきますから、どこかでアナフィラキシーが起こる量に達することは想定内なのです。(←必ず起こる、という意味ではありませんが、起きるのは全然不思議じゃ無いです。)
(追記)現に、Q君もエピペンのお世話になるか?迷うくらいの腹痛は2、3度起こしています。もちろん「緩徐法」に分類されるプロトコールに沿っていますが、それでも、です。

実際のところ、自宅で実施が可能のは「緩徐法」です。
「緩徐法の方が安全なので、低年齢から実施が可能です」と医師からも言われます。「急速法」は「緩徐法」ではどうしても治癒しなかった難しい子が対象になるそうで、実施可能な施設も限られます。
(関東だと「神奈川県立子ども病院」の栗原先生が「急速法」の先駆的な取り組みをなさっています。)

なので、私はQくんの体重が15kgを超えて(=3歳間近)エピペンが処方されるのを待ってから、経口免疫療法「緩徐法」を自宅で開始しました。
※エピペン注射はアナフィラキシーショックが起きた時にはほぼ唯一かつ最強の治療薬です。ステロイドの投与は効果が現れるのが遅く、全然間に合いません。それに、気道閉塞には効かないし。

ただし、「緩徐法」と一口に言っても、現在のところ「統一プロトコール」はありません。今、各施設でそれぞれ別個に「最適なプロトコール」を求めて、治験が行なわれている最中です。ですから、そういった治験(臨床試験)に入れてもらって、治療を実施するのも一つの手です。(ただし、治験に入れてもらうにも、近くに治験を実施している病院がないとできません。また、治験の対象となっているアレルゲン食品のアレルギーでないと、治験に参加できません。運良く治験を行っている病院が近くにあるようなら、是非、直接かお電話で参加可能か問い合わせてみてください。

治験に参加することのメリットは、医師に安全を担保してもらいつつ、経口免疫療法が実施できることです。一方、デメリットは、治験がランダムトライアル(RCT)の場合、非治療群(OITの場合は、除去継続群)に割り振られてしまう可能性がある、ということです。治験の場合、詳しい説明がなされますが、その時に遠慮せずに質問し、「やっぱり参加したくない」と思えば、きっぱり断っても全然構いません。患者の同意なしに治験を実施することは御法度なのです。説明不足でも医師は罰せられることがあります。

ただし、医師の指導のもと、経口免疫療法を行うには「入院しての負荷試験」が必要となります。これは、自宅でいきなり食べさせて、アナフィラキシーなどの不測の事態を防ぐためです。
ところが、「負荷試験」で食べさせる最低量をクリアできない(=アレルギーやアナフィラキシーを起こしてしまう)と、経口免疫療法やその治験に参加すらさせてもらえないのです。つまり「門前払い」されてしまうのです。
そしてのこの「最低量」は、施設ごとに異なります。

この最低量は「施設側で調節可能な量のなかの最低量」であることが多く、負荷試験の最初のハードルとなります。これがQ君にとっては超絶、高いハードルでした。Qくんのかかっている病院では卵の最低量は0.5g(←スクランブルエッグで)。

実はLuxelは負荷試験前に、自宅でこっそりQ君の限界量を計っていました。
結果、なんと、約3mg!!(←単位に注意。ミリグラムです。グラムではありません。)
こんな極極微量に反応してしまうなんて、重症もいいところです。
ほんのわずかの誤食でも死んでしまうやないけ!![むかっ(怒り)](←もちろん、このトライはエピペン片手に、ドキドキしながら実施しました。結果、かゆみと腹痛が。。。orz)

このままでは絶対に負荷試験のハードルをクリアできない。。。経口免疫療法をやれない。。。
経口免疫療法をやらなければ、Q君は一生、卵を除去する生活 & 誤食による命の危険にさらされる生活が続くかもしれない。
Luxelは、それは嫌でした。せっかく途中まで育てても、給食で死亡、、、とかいう悲しい結末には耐えられない。そこで「賭け」に出ることにしたのです。

これは、医師ではないけど、研究者としての「勘」による決断でした。(けっして褒められることではありませんが、一般に提供される医学の限界を超えていた場合、決断できるのは親だけだと思います。)

「我が子の成長に、医学の進歩が間に合わない」
そういうことはよくあります。
(ガンの患者さんでも似たようなことが起こっています。「海外では使用できる抗がん剤が、日本ではまだ認可されない」「証拠の乏しい新しい治療法を試したいが、主治医が標準治療以外はYESと言わない」などです。)

私はたまたま専門が「免疫学」でした(人間で実験したことはもちろんありませんが)し、動物でアナフィラキシーを起こす実験は常日頃からやっています。
だから、Q君がアナフィラキシーを起こしたとき、「見逃さない」という自信はありました。
エピペンも揃っています。

実際に、「生活の途上でたまたま「誤食」してしまった。でも、大丈夫だった。誤植した量は○○gくらい」と親が医師に伝えると、「では、○○gよりちょっと少ない量から経口負荷をしてみましょうか。」と勧められることがあります。
医師も、自分から「食べさせて、トライしてみましょう」というのはなかなか言いにくいのですが、誤食により「許容できる量」が分かれば、これを指標に、経口免疫療法を導入してみるのは妥当、という考え方があるようです。

でも「誤食」と「テスト」、どっちが安全か、といえば、同じ量を食べるのならば、用意周到に行う「テスト」の方が安全ではないでしょうか。
そう考えて、Luxelは「テスト」に踏み切りました。

詳細は次章に続きます。

(追記2)
Luxelパパより指摘。この記事だけ読むと「卵からトライしたみたいに見える」そうで。
実際には、
生活史上、アナフィラキシーを起こしたことのなかった牛乳からはじめ、
牛乳→小麦→卵、の順で解除していきました。


お知らせ(2016.4.6) [お知らせ]

過去記事 UP しました。
「お医者さん同士のミゾ。〜アトピー医療は宗教!?〜 そして、ガイドラインとは。」
http://sibelius.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300448197-1

描いたのがかなり前なのですが、なかなかまとまらず 熟成 発酵させてしまいました。。。。

ただ今、記事「経口免疫療法(準備編)」執筆中です。
近日中にupします!(←無謀な予告!?)



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