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我が家の経口免疫療法(実践編 その2)〜 卵 編 〜 [アトピー・アレルギー軽減法]

「わが家の経口免疫療法」(準備編1)(準備編2)(準備編3)ときて
いよいよ卵編です。
「食物アレルギーの免疫療法」シリーズの中核となる記事です。
「アナフィラキシーをすでに起こした子の治療は、絶望的なのか?」が焦点です。

[↑]あくまで「わが家の」やり方です。標準治療とかとはかけ離れていますので、そのつもりでお読みください。現代の医療からすると「フライング」に等しいことを、うちはやってしまいました。危険も承知で。「医学の進歩」を待っていられなかったのです。(「医学の遅れ」で命を落とした子がこれまで何人もいた訳ですから。)

 私の個人的な推測ですが「幼い頃から除去一辺倒」の予防法はやめた方が良いだろうと考えています。←証明されるのは、きっとずっと先の未来でしょうが。でも、同じように感じている臨床医はいます。この、「なんとなく、、、〜じゃないか?」から研究は始まるのです。それに、"memory B cellの寿命"についての基礎研究からも、上記の推測を示唆する研究結果が上がってきますので、私が上記の仮説を支持する根拠はあるにはあるのです。それゆえ私は自分の子に経口免疫療法を採用しました。もちろん、アナフィラキシーショックを起こす危険は承知の上で。他人がわが家のやり方を真似する場合は各家庭責任となりますので、よくよく考えてください。
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Qくんの卵アレルギーに対する経口免疫療法は2年以上前に取り組み始めて、一昨年4月にようやく結論がでました。
この「卵のトライアル」の結論が出ないことには、このブログ記事にはできない、と考えていました。

先に書いておきますと、
我が家の卵(加熱卵)の経口免疫療法(緩徐法)は現在のところ成功した、と思っています。というのは、最初の反応量(アナフィラキシーを起こす量)わずか 3 mg(ミリグラム。←グラムじゃないことに注目!)だったのが、現在、加熱卵であれば何個でも(といっても全卵2個までしか試したことはないですが。)食べられるようになったからです。

以下、具体的に。
アナフィラキシーを起こした量:約 3 mg(森永ムーンライト約30mg相当)←mg = ミリグラム。1グラムの千分の1。

スタート量:卵換算で約1 mg(ムーンライト約10mg)

終了時:約40 g(全卵1個を目玉焼きにした量)

かかった期間:2年4ヶ月弱(119週)

これほど微量から始めた経口免疫療法の報告(論文)は世界的に見ても例がない、つまり
臨床試験報告はもちろんのこと、ケースリポート(症例報告)としてもまだないと思います。
(と、私がお話しした某国立大学の小児科の教授はおっしゃってました。)

Luxelは医師ではないので、ケースリポートは書けないのですが、医師だったら書いてますね。間違いなく。
ええ。医師でなくて残念です。まったく[ダッシュ(走り出すさま)]
誰か医師の方がこのブログをヒントに、ご自身で臨床研究を実施して、論文にしてくれたらいいな、と思います。(この教授が正式に臨床試験としてやってくれないかなー、と期待してお話ししたわけですが。。。。)

一昨年の4月初めにゴールの量(40g=全卵1個)に達した後は、「慣らし期間」というような意味で、
2日に一度は加熱全卵(オムレツとか目玉焼き、卵焼き。よく火を通すのがミソ)を食べさせています。
生卵には反応して、かゆくなったりお腹が痛くなったりするので、原則して除去ですが。生卵が入っているマヨネーズなどを試して(慣らして)いる最中です。(←初めはちょこっとから。今、ポテトサラダ1人前くらいは大丈夫なことを確認しています。)

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私は次のような仮設
超微量からの経口免疫療法は、かなり重症の食物アレルギーでも治癒しうる
をたて、自分の子でトライ(というか、実験です。苦笑)したわけで、この実験は n=1(nは試験数。Qくんのこと)です。でも、誰かがやってみて、結果を書くことには意味がある、と思っています。
臨床研究は、どんな研究も最初の観察、つまり「n=1」の結果に医師が「おやっ?」と思うことから始まるもので、この我が家の結果も、医師の目に止まることを期待して書いています。

 逆に言うと、一般の方に「真似しろ」と言っているわけではないことをわかっていただきたいです。
何度でも書きますが、リスクのあることだし、私に責任はとれません。ただ、現代医学が追いついていないせいで、みすみす治せる機会を逃してしまうのが私には耐えられませんでした。だから自分の子でトライしたのです。自分の子だからできる実験です。

さて、その経口免疫療法の医療における位置付けと現状について。

<おさらい>アレルギー学会は、「経口免疫療法はまだ研究途中の治療法」として位置付けています。経口免疫療法には、2ー4週間入院して実施する「急速法」と、在宅で医師の指導のもとに実施する「緩徐法」があり、現在、臨床試験が進行中です。しかし残念ながら、「急速法」については去年11月に退院後3ヶ月目に牛乳を摂取して(おそらくアナフィラキシーショックを起こして)心配停止になり、低酸素脳症に陥った結果、脳に障害が残ってしまった事例がありました。(元記事:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017111502000125.html)、そのため現在、「急速法」の臨床試験の新規受け入れは中止されています。


わが家が「緩徐法(超緩徐法と言うべき)」の方を採用した理由は、「急速に導入した免疫寛容は短期間でとけるのではないか?維持が難しいのではないか?」という疑いを以前から持っていたためです。(わが家の「卵の経口投与」の開始は4年ほど前です。)研究の面では、基礎研究(=動物実験の系)において「免疫寛容の維持期間」についての論文が、1960年ー1980年代に散髪的に出ていたと記憶しています。多くはありません。)ちなみにヒトの経口免疫療法の作用機序(仕組み)については、ほとんど不明です。

なぜ、私がそんな「論文も出ていない、超微量からの経口免疫療法」を実施したのか? 
まずは、Q君の卵アレルギーの経緯をご説明します。

Q君の卵アレルギーがかなり酷い(=微量で反応してしまう)ということは、
偶然にも牛乳を解禁して1年ほどたった4才3ヶ月のとき(9月頃)、ある市販品のチーズを食べさせたときにわかりました。
まさかの誤食!! (> <)
チーズで卵にあたるとは!!

こちらの商品
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2012/detail/20120822_01.html
(現在は既に販売終了)

同じメーカーの同じブランド品で、超有名キャラクターのついた商品には入っていない卵白が、
この商品には入っていたのです。
たぶん、つなぎ成分として卵白が使われていたのでしょう。

「同じブランド品だから~」と、成分表をよく見ないで買って与えたLuxelがもちろん悪いのですが、
(当時の)主治医のS先生によれば、同じ製品であたってしまった(アナフィラキシーショックを起こした)子がすでにいたそうで、
「これ、要注意の製品なんですよ」とのことでした。
(この製品が早々に販売終了になったは、同様のクレームがあったのかもしれません。)

とにかくこのチーズボールを1個食べて猛烈な腹痛を催したQ君、「当分の間、卵は除去」ということになりました。
それから3ヶ月くらい経った頃、小麦が解禁になった4歳半の冬、とうとう卵にトライする日が来ました。

S先生は「卵は微量でも反応してしまうくらい酷いようですから、経口免疫療法が可能かどうかをみるために入院負荷試験をする必要があります。でも、この病院ではできないので、負荷試験ができる病院を紹介します」と、少し遠方の大きな病院を紹介してくれました。

ところが、その病院にお電話で確認すると、「卵の経口負荷試験の最低量は0.5グラムです。これを食べれないと経口免疫療法に入ることができません。」とのこと。

卵0.5グラム(=500 ミリグラム)なんて
超・大・量
やないけ!!

と愕然としたLuxel。
たった1個(数グラム)のチーズボールのつなぎに使われてる(たぶん微量の)卵白に反応してしまうQ君には
絶対にクリアできないよ、こんな量。。。。
そしてたぶん、Qくんの卵アレルギーは、「年齢が上がれば0.5gを食べれるようになる」というようなレベルではない。。。。

うーーーーーん。。。。

と悩んで、とりあえず、
まずは実際の反応量をきちんと割り出すことにしました。
(病院ではできなくても、家ではできるので。笑)
医師ではないので、完璧なリスク管理、とはいきませんが、
最悪、重度のアナフィラキシーショックが起きても、エピペンがあるのでなんとかなる!と
腹を決めました。(注射なら動物にしなれてるし。)

ちなみにアレルゲン食品(森永ムーンライトの粉)を計量した電子秤はこういうの。Amazonで購入。
同じ品は今はないので、後継機と思われるこちらをご紹介。

https://www.amazon.co.jp/Simerst-%E6%90%BA%E5%B8%AF%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97-%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB-0-01g-500g%E7%B2%BE%E5%AF%86-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E5%8F%96%E6%89%B1%E8%AA%AC%E6%98%8E%E6%9B%B8%E4%BB%98%E3%81%8D/dp/B0734THR14/ref=sr_1_2_sspa?ie=UTF8&qid=1516666369&sr=8-2-spons&keywords=%E9%9B%BB%E5%AD%90+%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%82%8A&psc=1

精度確認については1円玉を4、5枚測ってみましょう。1円玉=ほぼ1gです。
(機械によっては「0.7g」とか、大きくはずれた値が出る場合があります。運悪く調整不良品にあたった、ということだと思いますので、買ったところに送り返します。重さの表記がいろいろ選べますが、もちろん「g」を選択します。

食べさせる材料は
森永製菓から出ている「ムーンライト」ビスケット。
HPの記載から卵の含有量は11%であることがわかっています。(ただし、卵白と卵黄の比率は不明。)
ちなみにこのビスケット、卵アレルギーっ子の親にとっては有名な存在のようです。
(除去しなくてはならない対象であり、負荷摂取に使える商品でもあり。)

このビスケットをジップロックの袋に入れて、麺棒で粉々に。
エピペンと抗ヒスタミン剤(アレロック)、水の入ったコップをすぐに手の届くところに用意し、
まずは、マイクロスパーテル(小型薬さじ。耳かき大)1杯分(測ると10mg相当=卵として1.1mg!)を
何気なく食べさせてみる。(ビクビクもの)で、1日目終了。何事もおこらず。

翌日、2杯分。無事終了。

翌々日、3杯分。ーーーーーーでました、アナフィラキシー! 

食べて数分後に「喉がかゆい〜」と言い始め、抗ヒスタミン剤(アレロック)を服用させるも、10分後くらいにお腹痛い〜と始まり、
じっとしていられないくらい痛い、でもウンチはでない、という状態。
エピペンを打つかどうか迷いましたが(今の基準だったら打たねばなりませんが)、エピペン片手に待っていると、20分くらいでなんとか治まったのでホッ。

しかし。

判明した最小反応量は
卵に換算して(約)3mg !!
(超・ 重症やんけ。。。冷汗)

どうすべぇ。。。

正直、悩みました。
「こんな微量にも反応するなんて、、、負荷試験(=500mg摂取)どころか経口免疫療法も無理なのでは?」
「毎日の経口摂取に持ち込めるのか?」
と迷いましたが、それだと一生、卵は食べられない公算が「大」。。。
さいわい、電子秤で測れない量ではなかったので心を鬼して「LET'S TRY!」

とりあえずミクロスパーテル1杯(約10mg)に戻して1週間この量を維持することができたら先に進もうと決めました。
(さすがに)鎮静期間1週間を置いて、再度挑戦。
マイクロスパーテル1杯分を与え、
摂取直後すぐに牛乳100mLくらいを飲ませます。(←おまじない、じゃなくて、"bystander suppression"を期待してのことです。)
いやードキドキしましたが、
幸い、痒さは出ませんでした。

なので、粉状のムーンライト、マイクロスパーテル1杯分(約10mg)を1週間、毎日与えました。
結果、何も起きませんでした。

ほっと胸を撫で下ろし、
次の週はミクロスパーテル2杯(約20mg)
これも無事、クリア。

いよいよ3週目。
ミクロスパーテル3杯(アナフィラキシーを起こした量です)。
毎日、あげる度にドキドキです。

ついに1週間、何事もなくクリアできた!!

もしかしたらダメかも、と思っていたので、何事も起こらず、嬉しかったです。
その前の2週間、微量から慣らすうちに、「慣れ」が生じたのでしょうか。(機序はわからないのですが)
牛乳と一緒に摂取したのがよかったのかわかりませんが、
かつての反応量をクリア。

以後、7日ごとに4杯分、5杯分、、、と増やしていき、10杯分=100mgに達するまで3ヶ月弱はかかりました。
100mg(=0.1g)に達したところで普通の小さじを電子秤に置いて測るようにし、
110mg、120mg、130mg、、、、
と、200mg(=0.2g)までは10mgずつの増加率で毎週増やしていき、
200mgの次は220mg、240mg、260mg、280mg、300mg、
330mg、360mg、390mg、420mg、
460mg、500mg

500mgを超えたら

550mg、600mg、、
と、およそ1割増で増やしていく計画でしたが、
実際にはこの通りにはいきかず、1、2度、前の量にもどしたり、増量幅を狭くしたり、でした。
(痒みの出現したら、量は臨機黄変に。)
それで10mg→1000mg=1gに到達するまで約1年かかりました。


さて、入院しての負荷試験ですが、
ちょうどQくんが5才のとき(経口摂取を始めて6ヶ月目)のときに実施しました。
この時、Qくんのムーンライトの摂取量は300mg程度(=卵換算で33mg)。
当然、クリアできるはずもなく、
病院でだされた最低量の炒り卵0.5gであえなく撃沈。
摂取の数分後に口の痒みを訴え、30分後くらいに腹痛が始まり、のたうちまわり、、、
ドクターを呼んだら、ボスミン注射(エピペンと同じ薬剤アドレナリン。病院専用)になりました。
いやー、アドレナリンの効きの早いこと早いこと!
うって数十秒後にはケロリ。
(注射するまでは嫌がって大騒動で、看護師さんに取り押さえられて注射[わーい(嬉しい顔)]

結局「来年の負荷試験を待ちましょう」となりましたが、
1年待ったからと言って、0.5gが食べてれるようになる、と考える根拠は何もありません。
なので、引き続き医師には内緒でコッソリ経口摂取を進めていき、
タイミングを見計らって(負荷の3ヶ月後くらいに)、ドクターに「誤食」をきっかけに少し食べさせてみた、と申告しました。(←嘘です。本当は計画的誤食=意図的な経口摂取です。爆)

まぁ、医師としてはアナフィラキシー反応の既往のあるアレルゲンを「少し食べさせてみましょう」と言う訳にはいかないんですよね。。。(←大人の事情、というか、医師の立場として)
実際、誤食を機に医師が経口免疫療法を提案する、ということはよくあるのです。

私が紹介先の新しい主治医のM先生に申告したのは摂取量が1gに近づいていた頃でした。(ちょうど誤食しそうな量、という意味でもいいタイミングでした。)
というのも、Qくんの経口摂取は口腔内や咽頭の痒みとの戦いでして、痒みがでることはけっこうあったのです。
(腹痛は出ませんでした。)なので、以前、牛乳や小麦の経口摂取のときや、誤食時のために処方してあった抗ヒスタミン剤を痒みが出るたびに使って、とうとう使い切ってしまい、あらためて処方していただく必要があったのです。そういう理由で、卵の経口摂取はどうしてもドクターの公認の下にやっていく必要があったのです。

で、「実は床に落ちてた炒り卵1欠片を誤食しまして、、、」と言ったらそうしたら、「では、誤食量より少ないところから経口摂取を試してみましょう。」となり、まもなく0.5gの負荷試験も受けました。(もちろんクリア!)
以後はドクターの監督の下に経口摂取が行えるようになり、
新しい主治医のM先生のガイドの下で卵を計画的に増量しながら摂取継続することができ、安心でした。

ただし、「医師の指導のもとならアナフィラキシーが起こらない、という訳ではありません。
M先生の増量幅の指示は最初、「毎週2割ずつ増やしていく」だったのです。
でも、Qくんには、2割増というペースは無理でした。量を増やすたびに痒みが出てしまうのです。
なのでそのことをM先生に話すと、あっさり「では1割増でいきましょう」となりました。
(このあたりの増量幅は、個人の症状にあわせて柔軟に変えてよさそうでした。)

1.0g、1.1g、1.2g、1.3g、、、2.0g、
と1割に満たない増加率で増やしていきました。
2g以上になる頃になると、増量幅を同じ1割ずつ、とする訳にもいかなくなりました。
増量幅1割でも、結構な頻度で、口腔/喉の痒みが出てしまうのです。
なので、増量幅を削って、例えば「2.0g→.2g」とするところを「2.0g→2.1g→2.2g」というように
小刻みに増やしていきました。(量を変えたら1週間その量で維持。)

(M先生には事後報告でしたが、「いいよいいよ、無理は禁物だ。しんどい思いを何度もさせて、本人が『卵(クッキー)食べるの嫌っ!』ってなっちゃうと元も子もないからね」と言って、量の変更には鷹揚に対処してくれました。)

ちなみに、口腔内や咽喉のかゆみが出る量は腹痛よりも少量のようでした(当然といえば当然ですが)
ので、痒みを目安に増量幅を調節していけば、腹痛が出ることはありませんでした。
それに、同じ量でも日によって口腔/喉の痒みが出たり出なかったしました。
なので、2日続けて同じ量を与えて、2回とも痒みが出るようなら量を1〜2割減らし(つまり1〜2週戻って)後戻りすると、その後はうまく痒みも出ずに、その量を超えていけました。

[ダッシュ(走り出すさま)][たらーっ(汗)]

そうやって増量幅はだいたい5ー10%くらいで量を増やしていきました。
(3g台あたりは 3.0→3.2→3.4→3.6→3.8→4.0g という感じでクッキー粉を増やしていきました。)
ムーンライトクッキーは1枚が約7g(卵換算で約7.7g)あり、
この頃になると粉じゃなくて、割った大きな欠片を組み合わせて重量調整していたのですが、
Q君も1枚近くを毎日食べているからか、なんとなく「食べ飽きた感」が出てきていました。
そのことを先生に話すと、「じゃぁ、炒り卵に変えましょう!」と。
今度は炒り卵を作り、最初0.5毎週末、2週間分くらいを量って、ラップに包んで冷凍するのが私たち夫婦の習慣になりました。
それを毎晩、レンジでチン!としてQ君に食べさせます。

炒り卵は
 10g台では約1〜1.5gずつ、
 20g台で2〜3gずつ
というように、痒みの反応を見ながら増量していきました。
増量幅が1割を超えるときもありましたが、
最後の方、30g台あたりからはまた1割以下の増量に戻しました(痒みが出ることが多くなったので)

そしてとうとう一昨年の4月、ついに炒り卵を40gまで食べることができたので、思い切ってかた茹でゆで卵1個にトライしました。
醤油をつけて、なんとペロリ! パチパチパチ〜!!

以降は維持期間、ということで
「毎週3回、卵まるまる1個を、どんな(加熱)調理法でもいいので食べさせてね」
となりました。
(1年以上経ったいまは、週に2回くらいになっています)
今では「目玉焼き」が大好き!です。

おやーーー正直、感無量でした。
3mg(粉というかホコリくらいの量)でアウト!だった子が卵まるまる1個。。。
人間の体の可塑性というか順応力ってすごいもんです。

ここまでけっして「順風満帆、何も症状が出ない」というような経過ではなかったけど、
エピペン使うほどひどい症状もでず無事にこれたのは、運がよかったのかもしれません。
以上は、あくまで「我が家の経過報告」です。
でも、「ミリグラム単位の微量アレルゲンに反応する子でも、治せる可能性はあるんだ!」ということは、情報として価値があると思いましたので、ここに記します。

ちなみに今でも、「生の卵」はダメです。反応してしまいます。
マヨネーズならけっこうな量、OKになりました(マヨネーズは酸性なので、卵のアレルゲンたんぱく質も変性して無害になっているのかもしれません。)
ポテトサラダなら一人前くら食べられます。

でも、いろんな加工品に入っている卵にあたって痒くなったり、お腹が痛くなったりすることは、正直あります。
意外な物に生の状態の卵は使われているのです。(市販のケーキの生クリームの安定剤として、とか)
あと、要注意なのは「茶碗蒸し」とか「プリン」です。
どちらも「す」がたつほど長時間加熱すると大丈夫なのですが、
いわゆる「きれいな」ちょうど良い蒸し具合のものを食べると、痒みや腹痛が出てしまいます。
(都度、アレロックを飲ませれば治まりましたが。。。)
あと「とろとろオムレツ」は無理。。。
だし巻き卵も焼いた後にレンジで加熱を加えれば、中まで火が通るので、食べれます。(Q君の分だけ、レンジで追加加熱してます。)

というふうに、実際には「卵 全解除!」では全然ないのですが、
加熱卵OK!
になっただけでも、食べられる食品の幅はずいぶん広がり、本人も私も、がんばった甲斐はあった、と感じてます。

これはあくまで我が家の、Q君のケースので、
同じようにやって、同じ結果にならない子もいるかもしれません。
その点は理解した上で、どうするかはお母さんやお父さんの判断だと思います。

それから最近は「IgE陽性でも、離乳早期にアレルゲンを食べさせるのが良い」と主張する医師もいます。
でも、私は、それは「そのアレルゲンに対し、アナフィラキシーを起こしていない子」であることが前提条件だと考えています。
アナフィラキシーをすでに起こしたことのある「ハイリスク」な子は、やはり用心してかかるに越したことはない、と思っています。
だから我が家も、経口免疫療法にとりかかるのは、体重15kgを超えて、エピペンが処方されるのを待ってからにしたわけです。エピペンが手元になかったら、この記事に書いたような冒険は、とてもできませんでした。

そうすると、経口免疫療法を自宅で実施するのは、やはり体重15kgを超えてから、つまり「3歳前後から」ということになります。
経口免疫療法の最適時期は、ほんとうは3歳よりもっと早いのかもしれません。
その可能性は、あります。
でも、やっぱり母親としての私は「安全第一」という判断でした。
アナフィラキシーショックは命にかかわる症状です。これまでに何人かの子供が命を落としています。
それを絶対に「回避できる装備=エピペン」なしには、このような冒険的取り組みはしなかったと思います。

おそらく、ですが、経口免疫療法は腸管の「免疫抑制細胞(制御性T細胞?)」の誘導能に依存した治療法です。
アレルギー児の腸管はどういう理由でかわかりませんが、その免疫抑制細胞の誘導能が低いのだと思います。
でも、成長に従って腸管も成熟し、免疫抑制細胞の誘導能も上がれば、経口免疫療法が可能になる、と考え
3歳頃には経口治療が可能になるのでは?と、予想して、経口免疫療法をスタートさせました。
でも、いちばん微量に反応する卵は、後回しにしたわけです。

それなりに、リスクを考慮した上での冒険は、とりあえず成功だったと思います。

でも、まだIgE陽性の「そば」「ピーナッツ」「アーモンド」「カシューナッツ」等々、まだまだトライアルは続きます。。。。この後の経過も、順番にアップしていくつもりです。

どうぞお楽しみ(?)に!!
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経口免疫療法について(その1) [アトピー・アレルギー軽減法]

食物アレルギーの新しい治療法である「経口免疫療法 (Oral Immunotherapy: OIT)について簡単に述べます。

基礎免疫学分野では20世紀初頭から、動物を用いた多くの実験により「経口免疫寛容 (oral tolerance)」という現象が確認されてきました。
つまり、

「免疫系は外来の=自分の成分とは異なる、つまり異物である食物成分に対して
なぜ反応しないのか?」

と疑問を持った研究者が、同じ蛋白質抗原を注射した場合と、食べさせた場合で、免疫の反応が異なる、つまり、前者に対しては抗体がつくられたり、炎症がおきたりするのに、
同じ成分を食べさせた場合にはこれら免疫系の反応が抑えられ、体は支障無く食物を受け付けることができる、ということを証明したのです。(←すごくおおざっぱな解説。)
この経口(食物)抗原が「免疫を抑制する仕組み」を「経口免疫寛容」といいます。

食物アレルギーの原因は、この「経口免疫寛容」の破綻、不成立のせいだと考えられています。

普通の人だと、この「経口免疫寛容」の仕組みが誘導されて、
免疫系の攻撃を受けることなく、食物が消化管を通って、体内に受け入れられる。

それに対して
食物アレルギーの人は寛容が誘導されず、免疫系がある食物を「敵だ」と認識して
排除しにかかるため、アレルゲンを含む食品を受け付けないように、といろんな反応がおきる。
つまり、吐いたり、下痢したり、蕁麻疹がおきたり、
気道粘膜が浮腫をおこして呼吸困難になったりします。
この反応は主にIgE抗体にアレルゲン蛋白が結合することによって生じ、特ににその中でも摂取後1〜数時間に以内におきる激烈で迅速な反応を「アナフィラキシーショック」と称します。

(正確な意味で「ショック」症状である場合、血圧が急激に下がり、不整脈、ひどい場合には心不全→死亡、となります。蜂毒でこのような反応が起きて死亡する人は多いです。←年間約20人程度。食品でも起こります。特に、2度目以降の摂取で起こることがあります。蜂毒も、初回刺されたときは大丈夫。2度目が危ないです。)

軽いショック症状まで含めれば、この「アナフィラキシー・ショック」は
かなりの回数、あちこちで起こっていると思います。(医療機関の受診に至らないケースを集計すれば。)
うちのQ君も、保育園で起こしましたが、保育士さんは判定できず、、、保育園から連絡きて飛んでったけど、後から冷や汗(通常は親でも難しいと思います。医療者でないと)。

経口免疫寛容は、現象面では非常に古くから記述され、よく知られた現象ですが、
その仕組みについてわかってきたのは、ここ20年ほどです。
まだ完全に解明されているわけではありませんが、
その仕組みには、大きくわけると

(1)アレルゲンに反応するT細胞の活性化や増殖が抑えられる"T細胞アナジー(T cell anergy, anergy=麻痺)"

(2)炎症と免疫応答を抑える「制御性T細胞 (regulatory T cell: Treg)」の誘導

が関与していることがわかっています。
(これ以外にも候補はちょこちょこあるのですが、今のところ主にこの2つと言ってよいかと思います。)

これらはマウスやラットを主とする動物実験、特に近年は遺伝子組み換えマウスを用いることによって、明らかにされてきました。
動物だと、最後に殺して細胞を取り出して解析したり、遺伝子組み換え動物を作ることも容易ですが、ヒトはそういう訳にはいきません。
ですから、マウスのメカニズムが人にもあてはまる、と断言はできませんが、
こういったメカニズムが「ヒトの免疫系にも共通して存在する」ことを否定する材料は今のところありません。おそらく同じか似たようなことが起こっているはずです。

ですから、「食べて治す経口免疫療法」の詳しいメカニズムはわかっていませんが
おそらくは(これは私の想像ですが)、腸管の粘膜内やパイエル板でTregが誘導されて効果を発揮しいているのではないかなぁ、と想像します。
(もちろん、OITにもいろいろプロトコールがあって、プロトコールごとに誘導される抑制の機序に違いがあるように思います。プロトコールには大きくわけて急速法と緩徐法があります。)

さて、何をどのようにしたらOITが出来るのか?
ですが、

アレルギー専門医が薦めているのは以下のとおりの手順です。

[1]アレルゲン食品の負荷試験
 どのくらい食べたら症状が出るのか、とのくらいの量までなら食べ足れるのか、
 まずは確認のための試験。病院に入院、あるいは外来にて行います。
 
[2]アレルゲン食品の導入開始・増量・維持期
 外来、もしくは入院にて負荷試験で見いだした症状誘発量よりも少量から摂取。その後、急速法なら2〜3週間の入院中に緩解量まで摂取。緩徐法なら自宅にて一定量を一週間継続して毎日摂取。次の週は1割〜2割程度増して、また1週間摂取。以後、同様に増量〜緩解量まで。

[3]アレルゲン食品の一時的除去により耐性の誘導を確認
 緩解量に到達した後、ある一定の除去期間(たいてい2週間以上)をおいて、再度摂取して確認(外来 or 入院して)。


こうかくと、きっちりスキーム(治療の手順)が決まっているような印象を受けるかもしれませんが、
・何を基準に「急速法 (rush OIT, rush SOTI)」がいいか、それとも「緩徐法(slow OIT, slow SOTI)」が妥当と判断するのか?
・どういう割合とペースでアレルゲン食品を増量していくのがいいのか?
・何才頃にOITを実施するのがいいのか?

まだ何も合意はありません。
まだ、臨床試験において、さまざまなスキーム(増量の割合、増量のペース、増量開始から終了までの期間等がそれぞれ異なる)が試され、ぼつぼつと論文が出ているような段階です。

次回、経口免疫療法(その2)で、世界での主な取り組み(論文)をささっとご紹介します。
その次がいよいよ(←?何がいよいよだ。。。)「我が家の経口免疫療法」のご紹介、となる予定です。乞うご期待!

「アトピー・アレルギー軽減法」から「我が家のアレルギー対処法」へ [アトピー・アレルギー軽減法]

「あかちゃんをアトピー・アレルギーにしない方法」を開示して欲しい、というご要望が相次ぎましたので、それにお答えしようと思いましたが、
ある理由でタイトルを「我が家のアレルギー対処法」といたしました。

「ある理由」というのは、
「医師ではない私(研究者)が、患者さんを標準医療から遠ざけるようなことをしてしまうのは
本来的には間違いだ。」と思っているからです。
(過去にそういった医師の方のご指摘もありました。)

ですので、これからご紹介する方法は、あくまで「我が家でトライしてみた方法」であって、
「皆さんにお薦めする方法」として公開するものではありません。
ベストな方法というのは、時の流れとともに移り変わっていきますから、
私の方法も、いつまでも「最善」ではないでしょう。
数年後には陳腐化しているかもしれません。
(むしろ、そうなっていればいいな、と思ってます。私の予測が正しかった、ということなので。笑)

なので、これから記す我が家の実践法を
真似をする、あるいは、一部取り入れる、というような場合は
申し訳ありませんが、「自己責任」ということで
よろしくお願いいたします。m(_ _)m

 (最近この「自己責任」という言葉がいっそう嫌いなってしまったんですけどね。。。冷たくて。
 特に最近の使われ方、ISの捕虜になって殺害されてしまった日本人お二人に対して
 彼らを守れなかった政府の要人が言うんですから。
 「国家」の存在意義は「すべての国民を守る」ことなのに。
 内閣は解放の努力を本当にしたのかさえ怪しんでしまいます。漫然と見守っていた?
 いえ、あらかじめ、2人を襲う惨劇を予測し、これを利用して、
 義憤に燃え上がった世論を追い風に、国民救出を目的と称して 
 自衛隊海外派兵のための立法を、国民に飲ませようとしている気がしてなりません。
 彼らが予め描いたシナリオどおり、、、、?)

すいません、話題がそれてしまいました。

それと、もう一つ、Luxelの考えをお伝えさせてください。

医学は
「病気の存在、患者さんの訴え」
   ↓
「基礎・臨床研究」
   ↓
「治療法として実践&検討(ブラッシュアップ)」
   ↓
「標準治療法として確立、普及へ」

といった段階を踏みます。


アトピー性皮膚炎については、我が家の状況は
こういった順当な医学の進展を待ってはいられなかったし、
ステロイド治療(副作用)についての科学的な再検討を行ってほしい、という
患者からの切実な要請が、(学会の政治的意図によって?)妨げられている、

上記のスキームで言えば

「病気の存在、患者さんの訴え」→「基礎・臨床研究」

この段階が社会的にも医学界においても、なぜだか非常に強く阻害されている、と感じ、
それならば、と
このブログで声を上げて、
被害を回避する方法を開示してきました。

でも、同じく親子を悩ませるアレルギー疾患ではあっても、食物アレルギーの治療法は
近年目覚ましい進展を見せています。
私がわざわざこのブログで、自己流(もちろん、基礎/臨床の論文を参考にしながら、ですが)で行った対処法を書かなくても、いずれは ほぼ同様の治療法が広がるだろう、と思っています。
だから、正直言って、医師でもない私が偉そうに「〜法」みたいに書いて、皆さんにお薦めする必要はないかな、と思っていました。

私が医師ならいざしらず、
(医師であっても、「それでいいの!?」みたいな方法を薦めてる方も世の中にはいますが)
「(研究者であっても)医師ではない自分がある方法をお薦めして、もしものことがあった時には責任がとれない。」という思いもありました

でも、やっぱり今、アレルギー学会で主流になりつつある治療法、の前の判定の部分では
皮膚をきれいにするために「ステロイドを塗れ」と言ってるんですよね。
これはやっぱり、違うんじゃないかなぁ、と思い直し
「我が家の方法を開示させていただく」ことにしました。

開示することにした、もう一つの理由は
この食物アレルギーの当該治療法、すなわち「経口免疫療法」を行うのには
適齢期」、
つまり、治療に適した年齢がある、と推測されるからです。

「経口免疫療法」が全国で一般的になるのを待っていたら、残念ながら「(成長して)適齢期をはずれてしまう」お子さんが出てくるんじゃないかなぁ、と思います。
私はこのことが理由で、エピペンが処方されたらさっそく毎晩せっせとアレルゲン食品の少量摂取をはじめました。自己流経口免疫療法(緩徐法)です。

小児の食物アレルギーは「何もしなくても、6才までに6〜7割の子はアレルゲン食品を食べれるようになる」というデータがあります。
でも、逆に言うと
残り3割の子はそれ以上の年齢になってもアレルギーを持ち越してしまって、治らない訳です。

2年前に、多摩市で亡くなった小学校5年生のお子さんは、そういった「持ち越した」お子さんのうちの一人だったはずです。
それ以前の学会での研究者や医師の語り口として、ほぼ一様に「皆さんが思っているよりも、食物アレルギーによる死亡は少ないんですよ。(4〜5人/年。ハチ毒によるアナフィラキシーショック死の方がずっと多い。こちらは約20人前後/年)」と言っていました。
が、上記の死亡事故(誤食による死亡)がおきて、明らかに、彼らの口調が変わったように思います。
食物によるアナフィラキシーショックで命を失う危険性に言及するようになった、と感じてます。

実際私も、子どもの食物アレルギー死ってホントに身近で起きるんだ、という恐怖を、親として身に迫ったものとして感じました。
このお子さんを11才まで、アレルゲンを除去し続けて大切に守り育てたご両親の悲しみはいかばかりか、と思うと胸が苦しいです。

これを書いていいのか、迷いはあるのですが、、、、、研究者としての私の仮説として聞いてください。
仮説1「完璧なアレルゲン食品の除去を長年に渡り続けていると、アレルギーを起こす細胞も長期に渡り保存されてしまう。」
仮説2「そして、長い年月の中、たまたま微量のアレルゲンの誤食で激しい、時には死に至るほどのアナフィラキシーショックを起こす。」
この「仮説」は「推測」と置き換えてかまいません。
あたってないかもしれません。
でも、私の免疫学の知識を動員して考えて「ありうる」と結論しました。

「長期の完全除去はよくなくて、短期の除去や早期のアレルゲン摂取(ならし)の方が良い」ということの確証となるデータは非常に数が少ないのですが、臨床の論文がぼちぼち出てきています。
それと、私の基礎免疫学の知識に基づいて「おそらく、こういうことが起こっているのでは」という仮定を説明することはできます。
近年、「早期のアレルゲン摂取が食物アレルギーの軽減に効果があった」という論文も発表されました。この論文とうちの子たちの経験によって有効性と安全性はまぁまぁ担保されている、と考えてよいか、と思います。

しかし、アレルゲン食品を少しずつ食べ続ける「ならし」をする、ということは、その間、アナフィラキシーを起こすリスクがある、ということです。

「食べない」と「食べさせる」、どっちがいいのか、
何才まで除去はすべきなのか、
親としてはすごく悩みます。
でも、少なくとも、6才までにアレルギーが良くならずに「持ち越しの3割」に入ってしまうと、その後の治癒率が厳しくなることはわかっているので(6才までにだいたい7割、12才までに8割5分くらいの治癒率)、私は確率だのみではなく、なんとか確実にこの7割に子どもを入れたい、治癒率を7割よるも上げたい、と思いました。

となると、選択肢は「食べて治す」です。
何もしなければ「7割」という治癒率は変化しませんから、少しでも打率を上げよう、という魂胆で、
経口免疫療法(緩徐法)をやることにしました。

これは、どのお医者さんもやってる、という訳ではありません。
未だに「除去」一点ばりの先生もいると思います。(安全性に重きを置く医師はまだこちらを採用してるでしょう。ただ単に情報の更新が遅いタイプの先生かもしれませんが。)
でも、勉強している小児科医、特にアレルギー学会や小児アレルギー学会に顔を出すような医師で、先進の気質のお医者さんは「食べて治す」経口免疫療法を取り入れ始めていました。(3年前)
今はもっと多くの先生が実施なさっているのではないでしょうか。

もっとも、最初にお断りしておきますが、経口免疫療法はまだアレルギー学会公表の「食物アレルギー診療ガイドライン(市販)」では「紹介」のみにとどめれられていて、「標準治療」としては推奨されてません。(標準治療はまだ「アレルゲン除去」です。)
それは、経口免疫療法の効果がない、とか、低い、とかではなくて、まだ「データ集計中」「プロトコール(方法)を検討中」であるからです。

けっこうたくさんの病院施設で臨床試験が走っているのですが、まだ治験によって、この治療法の科学的な裏付けとなるデータの集計が間に合っていないのです。(もし治験やってる病院におかかりで、条件があえば、被験者にエントリーしてみると良いと思います。プロトコールはきっちり守らされますが、検査費、診察費が無料になることが多いです。)

ですが、それを待っていては、うちのQ君の「治療適齢期」には間に合いません。
ですから、リスクはあっても自己流で「食べてならす」経口免疫療法に取り組み始めたのです。

そうでなくても、「いつまでも、厳格な除去を続ける」のは至難の技です。
いつ誤食がおこるかわかりません。
保育園は除去食を提供してくれ、栄養士の先生と担任とでダブルチェックをしているにも関わらず、
アナフィラキシーと思しきショックは2度、おこりました。
他の子の食事には卵が使われていたので、混入したのかもしれません。
(どこでどうやって入ったのか、想像もつかない、と先生たちは言っていました。
もちろん、親の私も、製品の成分表を見誤って、何度も誤食させたことがあります。[たらーっ(汗)]

「食べて治す、経口免疫療法」が台頭して、標準治療となるのは時間の問題でしょうが、
この療法が主流になるには、早くてもあと5年、臨床研究の進展の具合によったら10年くらいはかかるかもしれません。

研究者としては、ここで発表している私の採用した治療法や発言内容はいささか踏み込んだ物言いで言い過ぎ、と批判なさる方ももちろんいるでしょう。
でも、こういう情報がネットにあってもいいのでは、と思うのです。

私は2つの患者会に入っていて、他の親子がどういう暮らしをしている、という情報もある程度はいってきます。
アレルゲン(完全)除去を実際に担うのは(ほとんどの場合)母親です
除去食の提供を何年も、間違うことなく(=誤食をおこさず)続ける、というのは至難の業です。
そのたいへんさは、おそらく、健常児の親御さんや、どうかすると、アレルギー科の医師であっても、
想像するのが難しいでしょう。
単純に除去食と通常食の2通りを作るならば、調理時間は2倍。
これでは、母親は仕事を持つのは難しい。
実際には除去食を家族の食事としてしまうことがほとんどですが、これだとメニューが限られてしまい、栄養的に大丈夫なのか悩みます。正直、ストレス。
子どもがアレルゲン食品を食べれるようになってくれたらどれだけ助かるだろう、と想像して、
そのためにやれることがあるならやろう!というのが私の動機でした。

その具体的な方法については、
どうぞ次回をしばしお待ちください。

【お詫び】すみませぬ・・・乳腺炎です。> < [アトピー・アレルギー軽減法]

皆様お待たせしていてすみません、

週末を利用して、一気に「軽減法」の記事をアップしよう、と目論んでいましたが
乳腺炎になってしまいました。(T T)

本日やっと何とか復帰しましたので
もうしばらくお待ちください。m(_ _)m

注意点(1)「軽減法」の対象者、お約束 [アトピー・アレルギー軽減法]

【お詫び】アンケートをリンクさせるのを忘れていました。m(_ _)m
訂正いたしました。(2010.7.1. PM16:00)

Luxelの「アトピー軽減法(トライアル)」を実践なさる前に注意点があります。
必ず読んでください。

(前提)本法を実行される方は、自己責任でお願いいたします。
 この方法は、Luxelが我が家で実行しつつある方法を記述したものです。
 (労力の関係上、ここに全ての論文を列挙はできませんが)
 査読付きの論文のみをもとに、証拠のある方法を選びました。
 ですが、私自身まだその結果を確認していません。
 したがって皆さんやお子さんに推奨できる状況にはまだなっていません。
 皆さん自身が「この方法を採用するかどうか」「トライアルに参加するかどうか」を
 自由意志にてお決めください。

対象者について
[1]免疫が低下した状態にある方は実行できません。
  ステロイド・プロトピック使用中の方は(塗り薬であっても)実行できません。
 (ただし、使用を中止し、リバウンドがほぼ終わった方はOKです。)
 
[2] この「軽減法」で効果が見込めるのは
   ・10歳までのお子さんでIgE高値あるいは食物アレルギー陽性が判明している子
   ・アレルギーハイリスクの母親(妊娠中から授乳中まで)
   ・アレルギーハイリスクの子(親もしくは兄弟がアレルギー疾患有り)
  です。それ以外の効果は確認されていません。
  もし、IgE値や陽性アレルゲンが分からない方はなるべく早く血液検査
  あるいは皮膚検査を受けてください。

[3]このブログで推奨するスキンケアをすでに実行なさっている方
     或いは、
  この方法と同時に併用してスキンケアをする!という方

[4]体調の悪い方や、病気になった場合は中止(中断)してください。
 万が一、異常が生じた場合にはすぐに医師を受診する、とお約束してくださる方のみ、参加可能。
 その際には、極力ステロイドを使わない or 慎重姿勢の医師を選んでおかかりください。

[5]【お願い】方法を閲覧したい方はアンケートにご協力ください。
 「軽減法エントリー用アンケート」
メールのタイトルを「PN◯◯、エントリー希望」として
アンケートの回答をメールでお送りくだされば、
「軽減法」のHPアドレスと閲覧パスワードをお送りいたします。
また、開始後は最低一回、トライアル開始後6ヶ月の時点でLuxelに経過をお知らせください


対象者を搾る理由(詳細)

[1]免疫が低下した状態にある方は実行できません。
 ステロイド・プロトピック使用中の方は、塗り薬であってもダメです。

なぜなら、本方法は生きた菌を使いますので、ステロイドの影響で
免疫が抑制状態にある場合には、免疫の防御力が菌に負けてしまい、
bacterial translocation (BT)などを起こす危険性があります。
※BT=菌が腸管から体内に入ること

ステロイドやプロトピックが免疫抑制剤であることは既に述べました。
たとえ外用剤(=塗り薬)であっても、ステロイドやプロトピックは塗った部分の皮膚の表皮細胞だけでなく全身の白血球の免疫応答能を変化させることがこれまでの多くの研究から示唆されています。
さらに幼い子ほどステロイドの影響を強く受け、その影響はステロイドを中止してしても数ヶ月から数年の単位で残ることがあります。(なるべく早く、幼いうちに中止することをお勧めします。その方がリバウンドの期間も短くてすみます。)

また、子どもにおいては、ステロイドはTh2優勢、つまりアレルギー体質を強める作用がある、と推測されます。(こう考える根拠となる論文が存在します。)「予防・軽減法」はアレルギー体質を変え、弱めることを目的とするものなのに、ステロイドを塗り続けるのは逆効果です。ステロイドはできるだけ早く中止してから、本方法を行ってください。

<リバウンドについて>
リバウンド皮膚炎(ステロイドをやめた直後〜数週間後に、湿疹が以前より酷い状態で再発する。)は出る子と出ない子といます。
ステロイドを使っているお子さんは、ステロイド中止後一ヶ月たってもリバウンドが出ないか、あるいはリバウンド終わったことを確認した後に、このトライアルにご参加ください。
リバウンドが生じた方は、リバウンドの症状が治まるまでは念のため、参加を見合わせてください。リバウンド中は免疫系細胞の活性が異常に亢進した状態にあるため、「軽減法」にどういう影響を及ぼすか予測がつかない、というのが理由です。

プロトピックも、作用機序はステロイドとは少々異なりますが、中止後に期間を設ける点に関しては同様です。プロトピックをご使用だったお子さんの場合は、お手数ですがトライアルを行う前にその旨をLuxelに必ずご連絡ください。

また、先天的に免疫不全(=免疫能が低い状態)が疑われる方はトライアルに参加できません。
免疫不全状態の方全身状態の悪い方(発熱中、下痢が続く、など。)は危険であるためトライアルには参加できません。参加中の方がなった場合には中止してください。熱が37.5℃以下でも感染症の最中は細心の注意を払って実施してください。(心配なら中止してくださってもかまいません。)

※免疫不全状態・・・◎糖尿病、AIDS、ステロイドや免疫抑制剤(プロトピック、タクロリムス等)
           を使用中の方(外用剤=塗り薬も含む。)
          ◎先天性免疫不全症を疑われる方
           (近親者に先天性免疫不全症の人がいる、など)

[2]の理由
この方法は、誰にでも有効な方法ではありません。
このことは、論文から示唆されています。(文献1)
・10才以下のお子さん
・なおかつ総IgE濃度が高いお子さん、
・あるいはIgE濃度が低くても、食物抗原に陽性で湿疹のでているお子さん
にのみ効果を見込める方法です。
また、予防の意味では下記の方も該当します。
・アレルギー性疾患の既往のあるお母さん(妊娠中、授乳中)のお子さん
・アレルギー性疾患の既往のあるお父さんのお子さん
・上の兄弟にアレルギー性疾患の既往のあるお子さん(湿疹未発症でも軽減法は可能)
※アレルギー性疾患とは食物アレルギー、花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息を指します。

該当しない方は、残念ですが、効果を期待できるとする根拠の論文がありません。
IgE低値、陽性アレルゲンなし、の子には効きません。ただし月齢が低いとIgEが検出限界以下であることはあります。また検査項目以外にアレルゲンが潜んでいる可能性もあります。
根底にアレルギー体質がない場合には、その湿疹はスキンケアだけでも奏功する可能性が高いです。
(ただし該当しなくても、それでもいいからやってみたい!という方がトライするのはご自由です。10歳以上では効かない、という根拠もありませんので。効果は未知数です。)

離乳食をどうするか、も大きな問題ですが、
詳しい話は後ほどアップする「注意点(2)離乳食について」をご覧ください。

血液検査もしくは皮膚検査(プリックテスト/パッチテスト)を受けていないお子さんは、なるべく早い時点で受けてください。
その方が経済的にも時間的にも無駄をせずにすみます。
いずれの検査も3、4ヶ月頃から可能です。血液検査は半年毎に受けると良いでしょう。
(いつ頃検査するかは医師によって方針がまちまちなので、早めにやってくれる先生を探してください。だいたい6ヶ月以降、という先生が多いようです。)

まだ小さくて検査ができない、というお子さんはまずは本家ブログの記事を読んで徹底的なスキンケア「入浴法と保湿」を行うことをお勧めします。
すぐにこちらの方法をとると、経済的にも無駄に終わるかもしれません。(最大1万円/月くらいです。)
経済的に損してもいいわ!という方は併用しても構いませんが、必ずスキンケアも同時におこなってください。

どうしても心配な方で、はやくスタートしたい方はスキンケアと併用なさって良いのですが
そういう方は経済的な無駄は承知で、自己責任にてお願いします。

ただし、この方法は早く取り組めば取り組むほど効果は高いと考えられます。
なぜなら、なにもしないでいると食物アレルギーの子は生後6ヶ月くらいまでの間に次々に抗原に感作をしていくことが知られています。
これを「アレルギーマーチ」と言います。
本法はこれを食い止める、すなわち、アレルギー感作とアレルギー炎症を食い止めるためのものです。

※本方法開始前に感作したアレルギー反応を抑制することはできませんが、開始後、体質が変わってくれば、それ以降の感作をくい止められる可能性がでています。すでに感作の起こったアレルゲンについては、その炎症の程度を低くするだけです。(理由は後の記事で詳述します。)


[3]スキンケアを勧める理由
上記のような理由で、スキンケア(入浴法を工夫して皮脂を温存する & 保湿)はどの方も必ず行ってください。
「軽減法」はコストがかかります。(多いときでも一ヶ月一万円以下ではありますが、でもかかります。)スキンケアだけで良くなるようならそれに越したことはありません。

スキンケアを続けてやってもなかなかよくならず、検査を受けたら陽性アレルゲンが分かった、あるいはIgEが高かった、という(うちのキュ〜君のような)子には効果が見込めます。
スキンケアを行いながら、ならば、検査を受ける前でも本方法を開始してもOKです。スタートが早いほど悪化を止められる可能性が高くなります。ただしそれには経済的な負担が発生しますので、検査を受けてからご判断なさっても構いません。(ご家庭の事情によって、各自の判断は異なると思います。)

[4]体調の悪い方や、病気になった場合は中断してください。

※全身状態が悪い・・◎37.5℃以上の発熱中。腹痛・下痢の最中。
          ◎37.5℃以下であっても体調が悪い時は中段してください。
          ◎赤ちゃんの場合は下痢が分かりにくい、ということがありますが、
          「ぐったりしている。尿が少ない。顔色が悪い。」などの場合は、中止。

嘔吐・下痢・顔面蒼白・ショック症状などの急な症状が現れた場合には使用は至急中止して、緊急に受診してください。

もし本方法を行って「体調が悪くなった」「症状が悪化した」という場合は、必ず医師におかかりください。本方法を始める前に、極力、ステロイドを使わないことに理解のある医師を探して、受診できる体勢を整えておいてください。(最低でも一度受診しておいた方が良いです。)ステロイドを使う方針の医師にかけこんでしまうと、こちらの意思に反してステロイドを使われてしまう、というケースが多発しております。Luxelの元にもそのような経験談がたくさん届いております。
また、すでに受診なさっている方で、医師に「ブログを参考に、このような方法を行うつもりだ」とお話いただいても構いません。(医師の方がこの軽減法に使用する菌について知っている可能性は低いとは思います。が、「使うのは処方するミヤリサンやビオフェルミンのような細菌サプリだ」と説明すれば医師も納得してくれる方が多いと思います。)

皆様に誤解が無いようにお願いしたいのは、Luxelに出来ることは「方法を開示すること、ご相談に乗ること」だけで、実際に悪化した症状を治す手だてを私は持たず、またその責任もとれません。繰り返しになりますが、本法を採用し、トライアルに参加するのは自己責任にてお願いいたします。

もし体調不良が生じた場合、Luxelにもその旨をお知らせくださるようお願いします。が、私への連絡は受診された後でも全然構いません。まずは受診して、回復を優先なさってください。

繰り返しますが、
「もし体調が悪くなったら医師にかかる」とお約束してくれる方のみ、このトライアルにご参加いただけます。

[5]【お願い】

この「注意点(1)」の記事を読まれた後、「方法」について読みたい、と思われる方は、ちょっとたいへんだと思いますが、リンクのアンケート
http://sibelius.blog.so-net.ne.jp/2010-07-01-1
の回答を添えて「エントリー希望」のタイトルで、Luxelにメールをください。
具体的な方法を記述したブログのアドレスと閲覧パスワードを返信にてお知らせいたします。
luxelblog@yahoo.co.jp

(アンケートはLuxel自身の情報収集のため、と、本方法を実行するのに問題が無いか、チェックするためです。どうぞご協力ください。)

「方法」を読んで、ご自身もやってみよう!という方はスタート時に再度Luxelに「スタートします」のメールをください。
読むだけ読んで「やっぱりやめる」と判断なさるのはご自由です。
途中での中止もご自由です。(その際はご遠慮なく「中止します」とのご連絡をください。中止のご連絡がないと、6ヶ月後に「結果をお知らせください」と催促いたしますので。)

<最低一回、スタート開始後6ヶ月の時点で結果報告をお願いします。>
結果が良くても悪くても必ずお願いします。
このトライアルを制限をかけて公開するのは、効果のほどを検証する目的もあるからです。
検証の意義にご賛同いただいた方のみに公開させていただきます。
そういう目的でなければ、まだ未検証の方法を公開する意味は無いからです。
(もちろん、「方法」を読んで知った上で、「やっぱりやめる」「途中だけど、やめる」のはご自由です。ご遠慮は無用です。)
◉6ヶ月後以外にも、途中経過報告は大歓迎です。
途中でトラブルが起こったときは、至急必ずご連絡をお願いいたします。

Luxelへの連絡方法:下記のアドレスにメールでお願いします。
 luxelblog@yahoo.co.jp

(追記)転載不可
リンクは構いませんが、内容の転載はしないでください。
そうたいした内容ではありませんが、当方の責任の範囲を超えてしまう故、です。


(文献1)
Probiotics for the treatment or prevention of atopic dermatitis: a review of the evidence from randomized controlled trials.
Betsi GI, Papadavid E, Falagas ME.
Am J Clin Dermatol. 2008;9(2):93-103. Review.

(文献2)
「医科プロバイオティクス学」(シナジー社)古賀泰裕/編、2009年発行

軽減法エントリー用アンケート [アトピー・アレルギー軽減法]

Luxelのアトピー軽減法」の内容をお知りになりたい方は
たいへんお手数で恐縮ですが、
以下のアンケートをメールにコピペしてご回答ください。
文字の体裁はどうでもかまいません。
(以前、アンケート(3月)にご協力いただいた方はQ13以降のみお答えください。)
これは、「軽減法」を安全に実行していただくために必要な情報です

どうぞよろしくお願いいたします。
回答を次のメアドにお送りください。
その際、かならずお名前(ペンネームで結構です。)をご記入ください。
タイトルは「PN◯◯、エントリー希望」でお願いします。
luxelblog@yahoo.co.jp


(Q1)お子さんの月齢・年齢と生まれ月
「◯ヶ月、◯月生まれ」

(Q2)完全母乳? ミルクと混合? 完全ミルク?
例)「◯ヶ月まで完全母乳、以後混合」

(Q3)今、一日何回授乳?
「◯回/日」
(ミルクの人は量も書いてください。何cc/日)

(Q4)現在のお子さんの体重(kg)
「◯kg」

(Q5)離乳食開始はいつ?
「◯ヶ月頃 or まだ開始前」

(Q6)前歯が生えた時期。
「下の歯:何ヶ月。上の歯:何ヶ月。」

(Q7)ご自身の生理再開はいつですか? 
「子どもが◯ヶ月頃、or まだ未再開」

(Q8)卒乳/断乳は子どもが何歳(何ヶ月)のときですか?(授乳が終わった方のみ)
「◯才◯ヶ月 or まだ継続中」

(Q9)お子さんの気になる湿疹はいつから?
「季節は◯月、生後◯ヶ月の頃から。」

(Q10)上記の症状について、その場所と症状を簡単に書いてください。

(Q11)もしお子さんが血液検査か皮膚検査(プリックテスト or スクラッチテスト、パッチテスト)をうけてらっしゃったら、結果をお書きください。
血液検査の場合は総IgE値(RIST検査値)、ならびにIgE陽性抗原ならびに抗体価のレベル(RAST検査値)をお知らせください。
各アレルゲン食品での症状の有無も、分かるようでしたらお書きください。
血液検査 or 皮膚検査の結果

(Q12)ご家族に、アレルギー疾患の方がいますか?(ママも含めて)  アレルギー疾患とは、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症などアレルギー性鼻炎のことです。
ママ[           ]
ママの親兄弟[           ]
パパ[           ]
パパの親兄弟[           ]
子どもの兄弟[           ]

(Q13)お子さんご本人にアレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギー、花粉症を含む鼻アレルギー)はありますか?
アトピーと診断 [ YES / NO ]
食物アレルギーと診断 [ YES / NO ]
喘息 [ YES / NO ]
花粉症 [ YES / NO ]
その他のアレルギー [ YES / NO ](アレルゲン名:    )

(Q14)ママとお子さんに、(Q13以外の)既往症(=かかっている病気、かかったことのある病気。感染症以外。)がありましたら、お書きください。
特に慢性感染(蓄膿症=副鼻腔炎など)や慢性炎症(掌蹠膿疱症、IgA腎症など)は要記入。
ママ  [           ]
お子さん[           ]

(Q15)お子さんのステロイド使用歴(薬剤名、期間)
参考リンク「ステロイドの薬剤名と強さ」
http://www.e-skin.net/ds_ste.htm
(このHPの病院は非ステロイド方針ではありません。ジェネリック製品名がたくさん出ているので参考にしました。この他によく使われるものには「ネオメドロールEE」などがあります。)

(Q16)ママが妊娠中/授乳中に使用したステロイドの使用歴(薬剤名、期間)
※痔の薬などにも含まれています。例)ネリプロクト

(Q17)お子さんのお通じの回数と便の状態は?
「◯日に一回、状態(下痢 or 便秘 or 普通)」

(Q18)ママのお通じの回数と便の状態は?
「◯日に一回、状態(下痢 or 便秘 or 普通)」

(Q19)ママはよく痰が喉にからむ体質ですか? あるいは後鼻漏(喉の奥に鼻水がおりてくる)がありますか?(YES or NO)

(Q20)お子さんに「皮脂温存入浴法・保湿」などのスキンケアを初めてどのくらいたっていますか?
「◯ヶ月」←まだなら「まだ」で結構です。


以上、ご協力ありがとうございました!
なお、Luxelからのパスワード等のご連絡は2、3日かかると思います。
しばらくお待ちください。

アトピー・アレルギー軽減法とは(はじめに) [アトピー・アレルギー軽減法]

お待たせしました〜!!
随分時間がかかってしまってすみません、これから2、3日ごとに「アトピー/アレルギー軽減法」についての記事をアップしていこうと思います!
具体的な方法は、理由あって別ブログに順次アップしていきます。
メールでアンケートにお答えいただき、閲覧の申請に対して、パスワードをお渡しする方式にいたしました。理由については後ほどの記事で詳述します。
軽減法を実施するにあたっては約束ごとがいくつかあります。これも後ほど。

まずは、方法の概要です。
Luxelがご紹介する「アトピー・アレルギー軽減法」は簡単にいえば「プロバイオティクスによる腸管からの免疫のコントロール法」です。生きた細菌を腸管にいれる訳です。(といえば怖い!という人もいると思いますが、最近、ヨーグルト商品でもいろいろ出ているアレです。)

最初にお断りしておきますが、Luxelが関連論文をsurveyして組み上げた方法であり、論文上、効果は証明されていますが、まだLuxel自身が(キュ〜君で)テスト中の方法です。それでもよい、という方はどうぞ実施してみてください。でも、この方法の仕組みはしっかり勉強していただいてから、行って欲しいと思います。何故なら、お母さん自身の観察眼がお子さんの体質やその日の体調を把握する要となるからです。体調の悪い日にはこの「軽減法」の実施は控えていただきたいのです。そのためにもアレルギー/アトピーについての理解は欠かせません。

以前「スキンケアだけで治るか?」という記事に書いたとおり、スキンケアだけでは湿疹が改善しないお子さんも数多くいらっしゃいます。こういうお子さんは皮膚の原因だけではなく、免疫学的な体質に湿疹の原因があることがほどんど、と考えてよいと思います。

ここに記す「アトピー・アレルギー軽減法」はそういったスキンケアだけでは改善の難しいお子さんのうち、主に0歳から10歳くらいまでの湿疹の出ているお子さんが対象です。
特に0、1歳の乳児湿疹から始まっているケースでは効果に期待が持てるケースが多いでしょう。
詳しい対象者については次の記事「注意点(1)対象者」を読んでください。
(湿疹が出ている全てのお子さんに効果が期待できるものではありませんから、お金と時間を無駄にしないためにもこの方法の対象者についての記事(次々回)をよく読んで、実践するかどうかよくお考えください。)

まず0歳の乳児湿疹に搾ってお話すると、選択枝がいくつかあります。1歳以上のお子さんは「離乳食開始済み」のカテゴリーです。
(もちろん入浴法や保湿などのスキンケアを行うことが大前提です。これは全てのお子さんがやってください。)

(1)離乳食開始前のお子さん(未検査の子)
  選択枝1:完全ミルクにする
  選択枝2:軽減法を実践しつつ母乳育児を継続する。
 どちらでも良いのですが、湿疹が出ていて、スキンケアしてもなかなか改善しないお子さんの離乳食は、食物アレルギーの検査結果を見て開始した方が安全でしょう。検査済みの子は、2以上の陽性アレルゲンは除去の離乳食を。(詳しくは「注意点(2)離乳食」の記事を参照。)

(2)離乳食開始後のお子さん(アレルギー検査済み。未検査の子は至急を検査を。)
  選択枝1:母乳を完全に中止。子どものみ「軽減法」を実践
  選択枝2:母乳と離乳食を平行。母子ともに「軽減法」を実践

(おまけ)自身が高リスクで、妊娠中の方
  出産予定日の6ヶ月前から「軽減法」を行い、
  子が産まれてからは母子で生後6ヶ月まで「軽減法」を行う。

となります。
詳しく解説しますね。

お母さんにとってはちょっとショックかもしれませんが、
湿疹の出ているお子さん、特に2歳以下で出ているお子さんは、
アレルギー体質である可能性が高い子、つまり高リスク児です。
湿疹がずっと出ている子の5〜7割がアレルギー体質であると推定されます。

もちろん、スキンケアだけで湿疹が治ったなら、違います。
「アレルギー高リスク児」ではありません。
単に不適切なスキンケアのせいで湿疹になっていただけです。
でも一ヶ月スキンケアをしても治る気配がない、という場合には、アレルギー体質と考えて、なるべくアレルギー体質を強めないように生活を工夫した方が、お子さんが大きくなった時にアレルギーを残さなくて良いと思います。その「生活の工夫」をまとめたのが「Luxleの軽減法」です。

まず、湿疹が既に出ているお子さんで、まだ牛乳アレルギーの有無がわからないお子さんの場合、もしミルクを使うならアレルギー用ミルクにしましょう。(この時ビオチンとオリゴ糖を添加するのを忘れないで。詳しくは「ミルクにする?しない?」の記事を参照。)

以前の記事「母乳とアトピー/アレルギー(1)」で書いたとおり、母乳育児の方が乳児湿疹、特に赤味の強い湿疹が出る確率は高くなります。この湿疹は「アレルギー炎症のフレーム(炎)」とでも呼ぶべきもので、体内のアレルギー炎症(Th2型炎症)の強さ、すなわちTh2サイトカイン産生量の多さに応じて湿疹が酷くなります。完全にアレルギー用ミルクにしてしまえば、それ以降の新たな抗原の感作は起こらなくなりますので、これが一番安心かもしれません。ただし、完全ミルクにしたからといって、湿疹が改善する確率は五分五分です。なぜなら、子自身のアレルギー体質の強さも、母乳と同等に湿疹の成り立ちに関わっているからです。「せっかく母乳をやめたのに、湿疹が治らなかった」というのは悲しいでしょうから、母乳をやめるかどうかは、このブログの一連の記事を読んでよくお考えください。

母乳を完全にやめてしまうと再開は非常に難しくなります。もし迷っているお母さんがいるなら、「母乳の量を少なくして、アレルギーミルクの割合を増やして一ヶ月ほど様子を見、母乳のせいかどうか見極める」という手もあります。これで効果があれば、完全に断乳してミルクオンリーにしてしまうのも、一つの手です。ただし、母乳の量を少なくすると生理が再開しますので、避妊を怠らないように注意してください。母乳の量は半分以下にすると効果を確認しやすいでしょう。昼間はなるべくミルクに、睡眠中は母乳に、とすると体力の低下が比較的防げます。母乳量自体を調整するのは時間がかかるので、搾乳で対応します。(それでも母乳量は低下しますので、生理再開に注意。)搾乳で絞りきれない母乳が溜まりぎみで乳腺炎が心配な感じのときには、赤ちゃんに飲んでもらいましょう。

それでもし「母乳が湿疹の原因となっていることがほぼ確実」であると分かったとしても、「せっかく母乳で育てようとしているのに、ミルクにしてしまうのは悲しい」というお母さんも多いでしょう。私も、最初の4ヶ月間(できれば6ヶ月間)は少なくとも完全母乳の方が良いように思います。(今のところ、欧米でも最低4ヶ月の完全母乳育児を推奨しています。)母乳には赤ちゃんの消化管組織の成熟作用だけでなく、腸管感染の防御能、ならびに呼吸器感染症の防御効果まであるので、食物アレルギーや湿疹への懸念だけで母乳をやめてしまうのは「もったいない」ように思うのです。そういうお母さんには「アトピー・アレルギー軽減法」を実施しながら母乳育児を継続すれば、母乳育児をしながらも「湿疹が改善し、アレルギー体質を悪化させない」確率が高められます。そして軽減法を6ヶ月実施しても、どうやっても湿疹が軽減しないようなら「母乳をやめてみる(断乳)」という決断もあり、だと思います。

(2)湿疹がある、ということはアレルギー体質である可能性が高いことを意味しますので、離乳食開始後であっても、2歳以上のお子さんでも、食物や大気中アレルゲンに対するアレルギー検査を早めにした方がはっきりして安心でしょう。中でも便に血が混じったり(赤い筋状の血です。)、再々下痢をしたり、逆に便秘がひどいお子さんは特に要注意です。早急に検査して、アレルゲン食品を離乳食から除去しつつ、「軽減法」を実施してみてください。母乳継続中の方は、お母さんの食事からも除去してお母さんも「軽減法」を実施します。これは母乳の質を「アレルギー促進的な母乳」から「アレルギー防止的な性質(組成)の母乳」に変えることを目的としています。

お母さんが「軽減法」を初めてからまだ最初のうちはしばらく「アレルギー促進的な母乳」であるためアレルゲンの除去が有効です。しばらくのあいだはお母さんの食事からも完全除去を継続します。「卵、牛乳」あたりはIgE陽性になりやすい項目ですし、日本人にとっては完全除去もやりやすいと思います。「小麦、大豆」が入ってくるとメニューがだいぶ難しくなってしまいますが、できるだけトライしてみてください。

 お母さんの方が)いつまでも完全除去しなくてはならない訳ではなく、お子さんの湿疹がよくなってきて、なおかつ生後10ヶ月を超えたら解除OKです。これは「湿疹がよくなってきた」=「お子さんの体質と母乳の質の免疫学的なバランスがアレルギー性・強から非アレルギー性の方に変わってきた証拠だからです。もしお母さんの除去を解除して湿疹が悪くなった場合には再び除去にもどしてください。

お子さんの方は、陽性食品については1歳半まで完全除去となります。1歳半を過ぎてから徐々に一項目ずつ負荷試験で耐性化を確認しつつ、除去解除となります。

お子さんのみならず、お母さんも完全除去するかどうかは専門家(アレルギー専門医、小児科医)でも意見が分かれるところですが、「既に判明しているアレルゲンの母乳からの除去は有効」という疫学調査の論文はでています。

なぜ食物アレルギーが母乳移行抗原によっても起こるのか、という理由に関しては今後、別記事を用意しますので、どうぞしばらくお待ちください。

どの方針でいくか、「これが正解」というものはありません。
それぞれのお母さん自身の考えで良いと思います。
「軽減法」を取り入れるかどうかも含めて、各自どうぞよくご検討ください。

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